AIIT履修証明プログラム「人間中心デザイン」デザイン操作論(國澤好衛先生/福田哲夫先生)-8/22.23
【8/22 6限】 デザイン操作論:Control of Design(國澤好衛先生)
8/23(土)は演習を行う(名刺を作成する)
國澤好衛先生 東芝 プロダクトデザイン
福田哲夫先生 鉄道設計が専門 ファーストステップのスケッチする、新幹線のN700系統の設計をご担当、実務家の方
・バウハウスについて
バウハウス(Bauhaus, バオハオスとも)は、1919年、ドイツ・ヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校。また、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともある。学校として存在し得たのは、ナチスにより1933年に閉校されるまでのわずか14年間であるが、その活動は現代美術に大きな影響を与えた(モダニズム建築、20世紀美術の項
・プロダクトセマンティクス
→形態・デザインを見るとその物が何であるか理解できる、製品の形態によって技術を解説する
・デザイン記号論の考え方
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9
・記号論者としてのシャーロック・ホームズ
犯人捜しをするときに、客観情報集め、犯人を推論する
ユーザの考え方を探すのに似ている
チャールズサンダースパースのアプローチが似ている
・デザインは応用美術の発展だった
→バウハウスでは、体系立ててすべての人がデザインを学べるようにした
ほとんどのデザインの基礎はバウハウスから
・IDEOについて
ショッピングカートをデザインするドキュメント
ブレスト…闇の中に深く潜って発見する(DeepDive)
ほとんど絵を描くことが多い
デザインの本質→絵を描く(解決策を描くことが重要)
・概念を操作する、かたちを操作する
→インダストリアル・デザインでは、デザイナーは「かたちを操作」することで、ユーザーに対し人工物の情緒的意味や行為の可能性を提示する
・HCDは概念の操作
インサイトを明らかにする
ベネフィットを明らかにする
『概念の操作』から『かたちの操作』に移行するのがHCD
形の議論をするとは『概念の操作』から『かたちの操作』をいったりきたりすること
かたちの操作はHCDの授業では少ない
定量的に評価することはできる
デザイン解析論で{香りの印象操作}を学習する
形を作る方法論もある
翌日の演習:名刺をデザインする
成功する名刺のデザイン
http://www.amazon.co.jp/%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E5%90%8D%E5%88%BA%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3-%E9%95%B7%E5%8F%8B-%E5%95%93%E5%85%B8/dp/4062145847
・かたちの操作
リフレーミング(再構成)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
いまある不具合な部分を解消すること・・・リフレーミング
可能性のある組み合わせをあげてもっともよいものを選ぶ?・・・組み合わせ論
かたちの操作(審美的な視点)
・コーヒーにミルクを垂らす
徐々にコーヒーミルクになる
コーヒーにミルクを垂らすときと同じく最初に際立った状態になって
徐々に一般化して、また新しい刺激が必要になる
・ウルム造形大学での議論
http://artscape.jp/artword/index.php/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%A0%E9%80%A0%E5%BD%A2%E5%A4%A7%E5%AD%A6
→ある程度の秩序化
・レトリック
隠喩、提喩、韓愈
言い換え
意味をしゃれた形で伝える
デザインというのはそういうことをすること
・10万円のレモン絞りのお話
http://www.jp.forzieri.com/jpn/product_view.asp?l=jpn&c=jpn&dept_id=71&sku=al38523-037-00&gfx=1&type=prodfeed&camp=froogle_jp&source=goo&gclid=CPHe0-PSpsACFZCXvQodrZIAjA
20世紀を代表するレモン絞りと言われるALESSIデザインの王様。斬新なデザインはいっせいを風靡。
・モダンデザインの過程
産業革命後の標準化、規格化・・・ドイツ工作連盟
標準化、規格化に基づく大量生産によるものづくりを提唱
バウハウスの教育体系につながる
グッドデザインの勝利 ドイツ工作連盟Deutscher Werkbund
形の喪失…世の中のものは全部一緒になってしまった(揶揄している発言)
モダンデザインの解体(1960年代)
・デザイン機能の変遷
1984年、ブラックボックスの壁面に機能を説明することができないか
http://glob.daniel-letson.com/wp-content/uploads/2013/02/cranbrook2_small.jpg
・Michael McCoy の理論 テキスト25ページが原文
Interpreting Technology through Product Form
デジタルカメラはアナログのカメラと同じ形
記憶があるものは、理解できる
ロイ・レーモンドロイが、タバコのピースのパッケージデザインをして、売上3倍になった
MAYA…できるだけ先に行くけど、ここがギリギリだという限界を探ることが重要
技術に意味を与える
比喩
直喩、隠喩、換喩、提喩
・デザインのきっかけは、abduction(推測)であるということが多い
→驚くべき事実の予測につながる仮説あるいは命題を持つ
・deduction(演繹)
→仮説から必然的あるいは蓋然的(がいぜん)に出てくる経験的な帰結をあとづける
・induction(帰納)
→仮説を実験的に調べる
・突然の洞察によるもの・・・エレガントな解
インダストリアル・デザインは、民生機器、産業機器、公共機器などの広範な工業製品とそのシステムを対象に、エルゴノミクスやエコロジーなどの機能的な視点と文化的あるいは記号的な視点を融合して、エレガントな設計解(デザイン)を導き出す手法である
・デザインとは『意味の設計(可視化)の手法』
非言語操作によりコミュニケーションや関係性を設計する
文化的(精神的)、心理的視点から課題を解決する
→物の意味を与えること、意味を造り出すこと
・比率について
55:89は名刺の寸法(黄金分割)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E9%87%91%E6%AF%94
ダイナミックシンメトリー(水色線)
1:2.11 iPhone5の比率
1:√2→A4、A3
・構成の原理
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/cb/38469784f49737db06c32d21d01cd3c3.jpg
デザインが扱う造形の要素
形
色
材料
テクスチャー
光
運動
【8/22 7限】 デザイン操作論:Control of Design(國澤好衛先生)
・意味論的転回の立場(クラウス クリッペンドルフ)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4434130331
省察…プロトコル分析、エスノグラフィなど
表に出てこないものを根掘り葉掘り聞く
そういうことを医療の分野(専門的な分野)で応用する研究
・デザインのための科学が取り組む5つの視点
・Design is making sense of things
senseは意味
デザインは、物の意味を与えることである
デザイン製品は、使用者が理解できるものであるべきだ
意味の設計(可視化)手法
非言語操作によりコミュニケーションや関係性を設計する文化的(精神的)、心理的視点から課題を解決する
記号で何かを伝えるということは、相手に解釈力がないといけない
例えば、OPENという言葉はcodeである
理解するにはコンテクストが必要、特に日本語は
・デザインによるcodeとcontextの役割
code…規則、規定、記号、暗号や、その体系、表現規則
context…文脈・背景・状況など言葉で書かれていない意味
・記号の分類
ICON、INDEX、SYMBOL
・例)鉄道の乗客が激減
流線型のデザインにして流行った(当時の技術の最先端が凝縮されている)
すべてのモノが流線型になった
アイロン
扇風機
ラジオなど
・統辞の様式
ポスターは線上的なものと、現示性のものが混ざっている
線上性…時間の流れに沿って記号が並ぶ(言語)
現示性…希望が空間的に配置される(絵・写真)
→言語は線上性のあるものだが、それを現示性にすると面白いのではないか
・ゲシュタルト心理学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6
・視覚言語
アイソタイプ
セマントグラフィ
国際グラフィックシンボル
・Image Board(イメージボード)
言葉ではデザインは語り切れないので視覚的にまとめる
・QFD…設計(品質機能展開)
エンジニアの教育に利用することがある
いくつかのツールがある
マトリクスで優先順位を決める
・VOC
Wants)顧客が期待する効用
Needs)顧客が要求する機能
Measure)顧客が評価する性能などの評価指標
・実務の中でイメージボードを作って、進めている
視覚言語でコミュニケーションする
ペルソナをイメージボードで深堀りするなども興味深い
・デザインという言葉の定義
日本では{デザイン}を最初は『意匠』と訳した
・デザインは形を操作するという見解
デザイン思考では特に観察アプローチがクローズアップされている
【8/23 2-5限】 デザイン操作論:Control of Design(國澤好衛先生/福田哲夫先生)
・亀倉雄策氏、福田繁雄氏の違い
人によってデザインのアプローチが異なる
・亀倉雄策氏
Nikon F 一眼レフカメラ
プリズムが入っていることを暗示する三角形
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%8A%80%E5%A1%A9%E4%B8%80%E7%9C%BC%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E8%A3%BD%E5%93%81%E4%B8%80%E8%A6%A7#mediaviewer/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Nikon_F_DSC_6498_(2).jpg
Meijiのロゴマーク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E8%A3%BD%E8%8F%93#mediaviewer/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Meiji_Seika_Kaisha_logo.svg
東京オリンピック 1964
デリケートなデザインスタイル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF#mediaviewer/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Tokyo_1964_Summer_Olympics_logo.svg
EXPO'70 大阪
グッドデザイン賞マーク
ロジカルなアプローチ
インダストリアルデザイナー協会マーク
・福田繁雄氏
ワルシャワのポスター
VICTORY(1975年)
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/catalogue/fukuda_shigeo/fukuda_80_victory_1945.htm
平面のようで平面でないバイオリン弾き、ピアノ弾き
万博のポスター
・名刺の話し
長友 啓典氏
デザインの発想は臨場感
福田繁雄氏
形を興す:デザインプロセス
美の基準は同じ
物が動くと線になる
点・線・面・塊
光・陰
影をつければ立体になる
雪の中の白うさぎを書くときは影で描ける
立体感・遠近感
レイヤを意識する(たとえばスマートフォンの画面であれば、面積が限られている)
一番伝えたいことを前にする
命題→(体験・経験→記憶)→感動する→観察
収束的思考段階
視点を変えれば、発想は無限大
デザインは答えはひとつではない
人と接して掛け算しただけ答えは増える
美しく魅力的なものづくりを通じて快適な暮らし
エコデザインを目指します
美しさには理由がある
自然界の秩序
美の造形要素と秩序
美の構成原理
http://blog.goo.ne.jp/designsoudan/e/967e0b31428f10467ecfac79f210f3cf
美の比例
自然界の物質や現象から法則や秩序を見出し造形に適用する
西洋の黄金比・・・1:1.618
日本の白銀比:・・・1:1.414 √2
等比分割/等量分割・・・1:2
九鬼周造 「いき」の構造
http://www.aozora.gr.jp/cards/000065/files/393_1765.html
色は電磁波(光)
・ムーン&スペンサー
色彩調和論
http://www.tt3dmovie.com/controversy/moon_and_spenser.html
・マンセル色立体
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
・アナログ印刷時代の色彩→インク(重ねると黒に近づく)
→CMYK
・デジタル画面時代の色彩→重ねると白に近づく
→RGB
色はコミュニケーションツール
文字の可読性と視認性
"ひらめき"を"ときめき"に
【まとめ】
この週のテーマとなった「デザイン」の世界は、「認知」をコントールするという視点が強くあり、裏返すと哲学や心理学的な側面が強いのではないか(実際に広義の内容も、これまでのバウハウスからつながる「デザイン」の歴史も哲学的な学問をなぞっているようである)
UXは認知科学という側面もあることから、今回の講義の内容も認知をコントロールするという視点で切り離せない関係性のものであろう。「UXは人と知覚と反応」という前回の安藤先生の見解も頷ける。
先生方のワークショップに対する講評を通じて、古典的な「応用美術」という意味でのデザイン教育を学ばれたグラフィックデザイナーさんの幅の広さ・懐の深さ、「アートディレクター」の領域の凄味みたいなものの片鱗を感じることができたことが収穫。本当に凄かった(デザインが明らかに"なんとなくの感覚"ではないことが認識できた。つまりすべてに意味性を込めることができるということ。)
今回の講義は「サービス」という視点では全体の中の一部と捉えられるが、サービスのUXDをコントロールする上では、重要な要素であることを理解した。そして、正しくコンテクストの理解して、その事象に対する意味の設計(可視化)を行うことの重要性が分かった。
グラフィックデザインやプロダクトデザインなど、さまざまな視点を取り扱った講義ではあったが、プロダクトデザインには「機能美」というキーワードが似合う気がする。
次回は8/29(金)井ノ上寛人先生『デザイン解析論』
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