AIIT履修証明プログラム「人間中心デザイン」人間中心デザイン入門(安藤昌也先生)-8/9

【8/9 2限】 人間中心デザイン入門:コースガイダンス(安藤昌也先生)

実質的に演習は2回行うカリキュラムになっている。1回目は手とり足とりで、2回目は応用的に自分たちで。かなり大変らしい!カリキュラムは来年2月まで。

今年の参加者の傾向。WEBディレクターが多い、特に受託制作会社の。(前回2012年はサービス事業者が多かった)熱心に取組みをされている会社さんは必然的に参加者も多い。

・この履修証明プログラムを通しての教科書は以下の3冊
1.人間中心設計の基礎 (HCDライブラリー (第1巻)) 黒須 正明 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4764904438

2.ユーザビリティエンジニアリング(第2版)―ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法― 樽本 徹也 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4274214834/

3.エクスペリエンス・ビジョン: ユーザーを見つめてうれしい体験を企画するビジョン提案型デザイン手法
山崎 和彦 (著), 上田 義弘 (著), 高橋 克実 (著), 早川 誠二 (著), 郷 健太郎 (著), 柳田 宏治 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4621085654

【8/9 3限】 人間中心デザイン入門:人間中心設計とは(安藤昌也先生)
・減らない密輸や密入国。メキシコ国境での「バーチャルフェンス」構想打ち切り。
http://japan.techinsight.jp/2011/01/201101181900chikako.html
にまつわるボーイング動画を見る→受講者でマイクを回して議論をする流れ
後になると考える部分が深くなる、何をどうすれば問題を解決できるかを考える場(マイクを回して意見をしゃべる)

・イレギュラーがレギュラーな場所のケースをどう考えるか
→細かくリサーチすべき

「利用状況」の把握なくして、モノを作ることはできない

調査をしててもうまくいかないのは、正しく利用状況を把握できていないから

ユーザビリティ…利用品質、製品やサービスの品質属性としての、使いやすさ、あるいは不満・いらだちのなさ

人間中心設計…ユーザビリティやアクセシビリティを確保して、UXの高い製品づくりを行うためのデザイン手法

大量生産時代の反省に立ってHCDが生まれた

・人と道具のインターフェースの歴史的変化
→現代に向かって、物理的な認識をするのではなくて、情報(画面)を見て判断するものに変化。Webは認知的人工物という範疇に入る。

・エルゴノミクス・・・ヨーロッパ発
→産業革命の労働後の労働体系から生まれた
・ヒューマンファクタ・・・アメリカ発
→大量生産のためのの人間工学

・人間が機械に合わせることが基本だった
生産の効率性のほうが重要だった→これを改善するのがヒューマンファクタである

・UXはヒューマンファクタ(Human Factors)→認知科学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%A7%91%E5%AD%A6

高齢化の進展で、認知的人工物が発展していく

人間のことをよく考えてデザインしなければならない

2010年の人間中心設計(ISO)改訂はインターネットの普及を受けて

ISO13407・・・工業デザイン・業務システムを中心に
ISO9241-210・・・サービスも含むようになった(UX)
(明示的に外されていたゲームは2010年の改定で対象内となった、対象外の記述がなくなった)

・クリッペンドルフの人間中心デザイン
http://www.slideshare.net/masaya0730/ss-10550221 (16ページ)

・人間中心設計(9241-210)の6つの原則
http://www.slideshare.net/masaya0730/iso92412102010 (16ページ)

・ISO9241-210が示す人間中心設計プロセス(重要!)
http://www.slideshare.net/masaya0730/iso92412102010 (9ページ)
→計画が丁寧なPDCAサイクル

【8/9 4限】人間中心デザイン入門:人間中心設計とISO9241-210(安藤昌也先生)
ISO9241-210は人間中心設計の教科書になっている

ユーザビリティの中にアクセシビリティがある(一般的には)
人間中心設計の場合は、アクセシビリティのほうが広い(いろんなユーザビリティを統合する単位/ユーザビリティのほうが小さい)

アクセシビリティ
「様々な能力を持つ幅広い層の人々に対する、製品、サービス、環境または施設のユーザビリティ。」

ユーザビリティ
「あるシステムや製品、サービスが指定された利用者によって、指定された利用状況下で、してされた目的を達成するために用いられる際の、有効さ、効率も呼び利用者の度合い。」

『UXDするためにHCDの技法を使う』

人間中心設計の計画…とても重要だが、勉強会等で抜かされることが多い(個別の事象が多すぎるため)

ISO9241-210では計画の対象範囲が開発プロセスでなく、製品ライフサイクル全体になった

ユーザビリティは製品の品質
使いやすさを品質で図るとき、測定器がない!
だから人間で判断する。→有効さ、効率のよさ、満足度(充足度)

UXは人と知覚と反応(つまり人間!)

『ユーザビリティはモノ!UXは人!』

最低限ものが使えることで満足していた時代から体験をよくする時代へ

『その人がどう解釈したかがUX』

<覚え方メモ>
ISO9241-210 ← HCDの専門科として最低限覚えておきたい
ISO国良い21オー!(※私個人の覚え方で先生が推奨しているわけではありません)

人は測定器としてばらつきがある

ユーザビリティ→人工物の使いやすさのレベル
・ある利用状況の下での利用における
有効さ
効率のよさ
満足度
※ユーザーの事前に持つ目標とのギャップに生じる客観的・主観的な結果

・ゴール(目的)は3つある
エクスペリエンスゴール
 本能的認知プロセスと関わっている。ユーザーがどのような感じを求めているか。
エンドゴール
 行動的認知プロセスと関わっている。ユーザーが何を知りたいか。
ライフゴール
 内省的認知プロセスと関わっている。ユーザーが誰になりたいか。

人は多様である、ペルソナ→どのようにモデルにするか、どうデザインに生かすか
ひとつのシステムでも複数のユーザの立場がある
立場を整理しどのユーザを考えるか定義する

<認知科学の参考書籍>
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針 Susan Weinschenk

【8/9 5限】人間中心デザイン入門:ユーザビリティとユーザエクスペリエンス(安藤昌也先生)
・課題分割方略
→機械音痴の人に課題分割方略を教示すると、達成時間、エラー率が改善される

・経済価値の進展としての経験
→経験経済へ
→変革経済…勉強すること

ユーザーの価値に真摯に取り組むかどうかが重要

・さまざまな視点からのUX
→UXには予期的UX、一時的UX、エピソード的UX、累積的UXがある
→同じ瞬間に一時的UX、エピソード的UX、累積的UXが並行して動いている
→人が感じるメカニズムで区別している
http://www.slideshare.net/masaya0730/uxux (11ページ)

モノの消費から経験の消費へ
ユーザーがどう知覚したかでUXが捉えられる

・Hassenzahl model
http://www.slideshare.net/masaya0730/hcdnet-forum-2010-user-experiencehcd (5ページ)
 実用的品質…ユーザビリティなどユーザーの目的をいかに容易に実現するか、操作性
 快楽的(感性的)品質…ユーザーの感じる信頼感、有能感、刺激や人気を得たいという気持ち。人間の本質的な欲求にどれだけ答えることができるか。

・UXの源泉としてのhedonic quality
→実用的な品質は、ユーザの目的の達成をいかに容易に実現するか?
→快楽的品質は、本質的な欲求にどれだけこたえることができるか?

SEPIA法(とてもよさそう!)
http://www.slideshare.net/masaya0730/ss-12611734 (20ページ)
→SEPIAマトリクスで整理して理解する
→マニアになるプロセスの検討を行うことが、サービス開発のヒントになる
→期待先行ユーザはもっともよいインタビュー対象

インダストリアル(工業)・デザインとしてのUXD
→UXDは体験が量産。再生産される仕組みを作ること

Jesse James Garrett のWeb UX 5階層モデルはWEBのプロダクトのことしか指していない…今となっては少し古い、WEBサイトを作ることには向いている

次回は8/22(金)國澤好衛先生『デザイン操作論』

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