AIIT履修証明プログラム「人間中心デザイン」デザイン解析論(井ノ上寛人先生)-8/29.30
前回のデザイン操作論とちょうど対極にある関係性のテーマの講義+ワークショップでした。大学時代に学んだ生物資源統計学・解析学を想起させるような内容(デザインと遠い学問だったけどつながるんだな)。理解度はもう一息!少しずつ実業務に取り入れて応用できるとよい。
【8/29 5,6限】 デザイン解析論:さぐるデザイン解析(井ノ上寛人先生)
香りの評価の解析
統計数学の世界
どうやってデータを集めるか、どうやってアンケートをとるか
ノウハウとして書籍には書かれていないことをお話しする
統計解析ソフトウェア{R}を用いる
→ビギナーでも手が出せるフリーソフト
2日目のワークショップは化粧品会社との共同研究をシンプルにしたもの
グループワーク→プレゼンテーションする
デザイン解析
専門家が直感的にやっていることをデータで洗い出して、工学的に扱うことができる
デザイン解析の有用性を理解する
データの取り扱い方と、解析結果の読み取り方について習得する
独学では習得しづらい点を中心に解説、体験する
・ワークショップの流れ
質問表の設計
↓
評価実験
↓
解析演習
↓
プレゼンテーション
どうしても数学のお話しがでてくる
ワークシート通りに入れれば大丈夫、拒否反応を示さないでー。コンピューターが計算してくれる。
・フォントについて
用途によってどのフォントを使おうかなと考える
対象がどのような構造を持っているか
3つの分類の基準がある
・専門家のデザイナーはある基準をもってフォントを選定(デザイン)しているのではないか?
・既存のデザインを資料を集めて分類する
・専門家が直感的に持っている制約をパターンを解析して導き出す(ありえない文字ヘの影のつけ方など)
自身の個人的な主観で分類するか
統計解析的な手続きで分類するか
・資料をどのように分類するか?
・『分けることはわかることの第一歩である』
どんな基準や尺度でデザイン案を分類したか説明できますか?
再現性はあるか?
分類することで価値のある知見を得られましたか?
→統計解析的な手続きを用いると、これらの問題を解決できる可能性があること
・和文フォントの印象評価
感情や感性を表すことがと関連づけられているか
分類基準を検討
常用・フォーマル
協調的・太い
丸文字風・可愛い
評価項目の設定
↓
生データ(Rawデータ)
↓
クロス表→これをどう読み取るかが重要
・被験者数が多い場合に、目検では手に負えなくなる
数学的な解析が必要となる
・クロス表の特徴の読み取り
回答の偏りは偶然の範疇か?
独立性の検定(カイニ乗検定)
偏りの特徴を分かりやすく示せないか?
統計的データ解析を用いる、対応分析法
<省略:数式の説明パート>
対応分析法→絵(可視化)して分析を把握しやすくする
社内に眠っているデータを読み直してみると、新しい発見がある(専門家が考えていることをトレースできる)
香水をかいで、アンケート(質問票)を検討する
グループワーク① 質問票の設計
応用研究事例
香りの印象を表現する方法について
課題→専門用語の使い方が調香師、企画者、デザイナーで異なっている
→イメージの統一ができない
香りの印象を言葉以外で表現できないか?
写真(イメージボード?)で表す
感性データベースの構築
香りと画像を調査結果に基づいてマッピング
開発グループ内のコミュニケーションの円滑化
10種類から6種類を選定して、印象操作実験をする
・質問票の設計におけるポイント
『目的の明確化』
どんな情報を探るとそれが応用できそうかかを考える
【8/29 2-5限】 デザイン解析論:さぐるデザイン解析(井ノ上寛人先生)
<ワークショップ>
・男性4名女性1名のチームに所属
・ファシリテーターを担当
・紆余曲折ありつつ『職場でつける香り』をテーマに実践
【8/29 6限】 デザイン解析論:さぐるデザイン解析(井ノ上寛人先生)
プログラムをどう使うのかの技術の習得
自分でデータを集めての体験をしないと学びがない
Rを使えば一流の解析まで対応できる(エクセルでも対応できるが)
・『分けることはわかることの第一歩である』
種別の基準がある、納得できる
・価値があるかは人間が判断する情報である
・いいデザインを数値化する
回答パターンの影響で高得点になる
センスの良い人が選ぶデザインがよいデザイン
センスの悪い人が選ぶデザインが悪いデザイン
【まとめ】
興味深い講義だったが、数式についてはなかなか追いついていくことは難しかったのが正直なところ。実験の設計など書籍では学べないことを経験できたのは、学校ならではで全体フローの理解は進んだので実践でも取り入れて身につけていきたい。
次回は9/6(土)伊賀聡一郎先生『人間中心イノベーション特論』
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