騎士竜戦隊リュウソウジャーが「退屈」なわけを考えた。

おはようございます、ともとしです。
普段は一次創作4コマを描いている身ですが、Twitterで私をご存知の方は「ニチアサ」を決めているのを知っているでしょう。

ニチアサ…日曜日の朝から放映されているプリキュア→仮面ライダー→スーパー戦隊を視聴して楽しむ子供、ならびに大人のことです。
基本的に子供がメイン層なので大人が「なんやこれ?」「つまらんやんけ」とか言うのはあまり好まないのですが、今回は言わせてほしいです。

私がニチアサの沼にハマったのは、まず最初に「Yes!プリキュア5」でした。その時は仮面ライダーやスーパー戦隊に触れずにただプリキュアを見ているだけの「プリキュアおばさん」程度でした。
しかし、プリキュアが始まる前に放映されていた(当時は朝7時半からスーパー戦隊→仮面ライダー→プリキュアの順に放送されてました)「仮面ライダーオーズ」を触れたきっかけで仮面ライダーも見始め、そこからしばらくして新たに始まったスーパー戦隊「海賊戦隊ゴーカイジャー」も見始めました。

特にスーパー戦隊シリーズは、仮面ライダーと違って「子供向け」の要素がとても強いのがわかります。「仲間と協力」「自分の悩みと迷いを数分で解決」、喧嘩をしても「俺が(私が)間違えてた!ごめんね!」「俺も(私も)悪かったんだ、ごめんね。」と数分で解決するのが魅力的なんです。大人になると色々と複雑になるので、こういった素直さと自分と向き合うストレートさを子供に伝えるのはとても良いことです。

三月から始まった「騎士竜戦隊リュウソウジャー」は、第1話が衝撃的なスタートでした。
大体のシリーズでは巨大ロボ戦はすぐには行わなかったため、終盤でいきなりのロボ戦。しかもそのロボのアクションが高い。戦士が単独で戦っているアクションそのもの。リュウソウジャーのガワ(スーパー戦隊の変身後の姿のスーツの事)のデザインもなかなかに良いので、これは期待出来る!と思っていました。

しかし、それ以外が問題でした。
第2話ではマイナソー(本作の怪人の総称。敵組織・ドレイドンの手先)の生み出し方がわかり、その媒体とされている人間を殺せばマイナソーも死ぬという設定でした。しかし、ヒーロー物としてその犠牲は出さずに「マイナソーを倒せばいい!」の結論に至ります。
この流れは第3話以降も続くのですが、第4話からは「マイナソーの媒体となっている人間は誰だ?」と考えさせてくる仕様になってきてます。
それ自体問題はないのですが、「マイナソーは媒体となる人間の負の感情によって生まれる」のが前提でして、その媒体となる人間のストーリーをあまり掘り下げてはくれません。ミスリードを誘う描写が必要ならば致し方ないのですが、これ毎回ミスリードしてくれんの?ってくらいには掘り下げてくれません。第9話現在で掘り下げてくれたのは三人ぐらいです。
「この負の感情がマイナソーを生み出していたのか。」「こういう悩みは一人で抱えさせちゃダメだ!」「俺たちも相手を思いやらないと…。」と考えさせてくれるはずなのですが、マイナス感情のベクトルがおかしいのもあります。
例えば、リュウソウジャーがお世話になっているお宅の娘・ういちゃんですが、「配信している動画を見られたい!」というクリエイターなら誰にでもある「承認欲求」をマイナス感情として捉えられてしまっている事。これが原因でマイナソーを生み出す形にされたのは、子供向けであっていいことなのか少し頭を傾げました。再生数や閲覧数のために悪い事をしているのならば別ですが…。

そして恐らく、「リュウソウジャーが退屈だと言い切れる」部分だと言ってもおかしくないのが戦闘です。
従来のスーパー戦隊では
・①敵が現れて人々を襲う→②撃退するが倒せてない、もしくは逃げられる→③敵が再度現れて今度こそ倒す→④倒されて巨大化→⑤巨大ロボ戦で勝利する
の王道な流れになっていますが、リュウソウジャーは、
・①敵が現れて人々を襲う→②撃退するが倒せてない、もしくは逃げられる→③マイナソーの媒体にされている人間を探す→④媒体が判明したら敵が巨大化してた→⑤巨大ロボ戦で勝利する
…正直言って、達成感が微塵も感じないというか、「達成感までの距離が長すぎる」のが退屈と呼ばれるのが原因ではないのでしょうか。
「解決はしたけど解決してるの?」と疑問に思うこと数回。媒体にされた人間は無事なのですが、利用されたネガティブな感情を顧みないというモヤモヤさ。
全てが終わったあとに入るパート(俗に言うオチ)もなんだか弱いです。ういちゃんがマイナソーの媒体にされた回は「再生数とか気にしないで自分のやりたいようにやろーっ!」みたいな明るい方向には向かわず、「マイナソーがあんな能力があったのは、ういの動画が信じられないほどつまらなかったから」という、ネガティブな所をネガティブに責める構図はその話にプラスを何ももたらしてくれませんでした。

今日放映された第9話で、今後の展開に暗い影を落として(物語の展開に、じゃなくてこのスーパー戦隊の評価に、という意味)しまった気がしてならないのですが、せめて今月まで見守っていこうかと思います。
荒い文面でしたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。リュウソウジャーの良いところも探してみます。

ともとし

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