2021年春、コロナ禍一時帰国大作戦2

其の二:カナダへ

カナダに戻るにあたって手配しなければならない事は三つ。

まずは空港でのPCR検査の結果が出るまでの政府指定ホテルを3泊予約する事。これは2月18日から予約開始で検査が施行され始めたのは2月22日。2月22日か23日にホテルを確保しようと政府のサイトをチェックすると、この時代に何と電話予約のみ。そしてその番号が何度掛けても「只今回線が混み合っております。後ほどお掛け直し下さい。フライトが48時間以内に迫ってる方は2番を押して下さい」というレコーディングにしか辿り着けない。2日ほど頑張って見たが、全然繋がらない。そのうちに政府のサイトに「48時間以内のフライトの人は予約を入れるように」との記載が付け足されてた。という事で一旦諦めて3月14日までは日本滞在を満喫する事にした。しかし数日後にネット予約出来るホテルも出て来たとの情報が入り再度挑戦。2月28日に無事にウェスティンの予約が取れた。3泊で飲食代含めて$1845也。早く検査結果が出たら泊まらなかった分は返金されるのかと思いきや、返金は無いとのこと。(怒)

次はArriveCANというアプリをダウンロードして登録。それに隔離計画や隔離環境や連絡先などを入力し、隔離ホテルの予約が取れてるかどうかも問われる。この二つが終わった数日後に友人から3泊で¥800のホテル(Abercrombie Inn)も出て来たとの情報が入るが、その時点でウェスティンをキャンセル出来るかどうか分からないし、ArriveCANの入力もし直さなければならないので、1からやり直す気力も無く諦める事に。

3つ目はフライト72時間前のPCR検査。これは1月末にカナダに戻った友達の情報でANAのサイトから申し込むのが最安値で¥12000との情報が入り、それを利用する。別にフライトがANAで無くても申し込める。私が調べた所、他は全て¥25000以上していた。まずネットで申し込み、検査キットが送られて来たら検査の日時をネット上で予約する。私のフライトは3月16日の18時40分発なので、13日の18時45分の予約を入れる。そして検査の前日までにZOOMのリンクが送られて来て、開始5分前くらいに入って待ってると繋がる。これも唾液検査の為に検査の少なくとも1時間以上前から飲食や喫煙は控えなければならない。ZOOMが繋がったら看護師さんの指示に従って唾液を採取し、返送用の梱包まで丁寧に指導してくれて、後はポストに投函するだけ。しかし、私が検査を受けたのが土曜日の夜だったので、念の為に日曜日でもやってる本局に持って行き速達で送った。結果は月曜日のお昼頃にメールで届き、めでたく陰性。1月末にカナダに戻った友人はチェックインの時もカナダ入国時も携帯を見せるだけと言われたので、日本の自宅にはプリンターが無いので一応データをUSBに入れて持参する事にした。しかし空港でチェックインの時にやはり「皆さんプリントアウトした物をお持ちになります」と言われたので、一応チェックインは出来たもののカナダ入国の為に空港の7/11でプリントアウトする事にした。今回の教訓としては、72時間前PCR検査が求められる場合はフライトは木曜日以降月曜日までのフライトにした方が安心出来るという事。次に帰る時にまだこの検査を求められるようなら、肝に命じて木曜日以降のフライトにしようと思った。

3月16日カナダへのフライトはJAL18便18時40分発。ありがたい事に友人が空港まで車で送ってくれ、道も空いてたので2時半くらいには成田に到着。空港は去年と同じく余り人影が無いが、JALのカウンターの辺りに長蛇の列!!!何事かと思ったが、それは他の航空会社の列で、全く待ち時間無く無事にチェックイン。検査結果のプリントアウトも済ませて、小腹が空いたので送ってくれた友人と共に何処かでお茶しようと思ったが、スタバなど数件開いてるだけで殆ど閉まってる。唯一ちゃんとゆっくり着席して食べられそうな所は中華レストランだけで、そこに入り、5時の閉店ギリギリまで友人と楽しい時間を過ごせた。お店もコンビニと電気系のお店以外は全て閉まっていて、去年より悲惨な状態だった。5時ちょっと過ぎに友人と名残を惜しみながら別れてセキュリティー&出国審査に向かう。今回も去年同様人数が少ない為に待ち時間無くスルスルと抜けて搭乗ゲートに向かう。免税店はチラホラ営業していたが、そろそろ店じまいの用意中って感じで、5時半には閉店になる様子だった。

フライトはエア・カナダが2月から東京便を廃止した所為か行きよりは多いけど、それでも60人か70人で、十分に他の乗客と距離を保てるし、座席も二つ占領して悠々自適で快適だった。3時過ぎにガッツリ中華を食べたにも関わらず、最近のJALの日本発の便の食事はかなりレベルが高く機内食も完食。バンクーバー到着後はほぼ普通に入国を済ませられた。違いはPCR検査の結果を見せる事とArriveCANの登録画面を見せるだけで、後は普通に荷物を引き取り到着ロビーに向かう。到着後のPCR検査は到着ロビー辺りが中心で、先ずはLifeLabのカウンターで登録を済ませる。これは通常のLifeLabとは別で、入国検査用の登録をしなければならない。その後検査ブースに案内され、これは看護師さんに鼻の奥をグリグリされる検査だった。検査が済んだら到着10日後の再検査のキットを渡されて外に出られる。要所要所で案内してくれる人もいるし、私が出てくるのがちょっと遅かった所為か全く待ち時間もなくスムーズに進み、出口付近で係りの人に何処のホテルか聞かれて、シャトルバスに案内される。ウェスティンのサイトには空港からのシャトルバスは無いと書いてあったが、今は異例の事態だからちゃんと用意されていた。ホテルに着くと先ずホテルの外で待機してるスタッフに名前を告げるとカードキーを渡され、横の通用口から入り、サービスエレベーターで自分の部屋の階まで上がると部屋の前に既に荷物が届いていて運び入れてもらえる。部屋は景色はさほどでも無かったが、とても広くて快適。バスルームに至っては六畳間くらいの広さで入り口から便器まで6、7歩は歩く感じ。飲食は1日$125分までセット料金に含まれていて、ルームサービスで好きなものをオーダー出来る。コーヒーメーカーなども揃っているが、カップなどは全て使い捨ての紙コップになっていた。水も500mlのボトルが6本完備されているし、コーヒーやお茶のパックも揃ってる。以前誰かから食事をオーダーしても中々持って来てもらえず、酷い所では24時間食事を届けて貰えずにやっと届いたのがトースト1枚みたいな話を聞いてたので、ドキドキしながら先ずは夕食に魚介のフェットチーネとサラダをオーダーしてみたが10分ほどでノックが有り、ドアを開けると外に置かれた大きなプラスティックの容器に紙袋に入ったテイクアウト容器に入った食事が届いてた。ホテルのスタッフとの対面は無し。容器がちょっと興ざめだが、中身は流石に高級ホテルだけあって大変に美味しく、明日は何を頼もうかとちょっとワクワク。その後も全てオーダーしたものは10分くらいで届けてもらえた。そして流石高級ホテルだけあって、空港のすぐ近くなのに飛行機の爆音が全くと言って良いほど聞こえないくらい防音がしっかりしていた。その日はユックリと湯船に浸かって旅の疲れをほぐしてから床に着いた。検査結果は翌日の午後には陰性の結果が届いたが、1泊とか2泊でも返金は無いので、こんなに沢山星がついたホテルに泊まる事も滅多に無いし快適なのでもう1泊する事にして、食事もテイクアウト容器に入って来るので、翌日の夕方に夕食を多めにオーダーして持ち帰ってユックリ楽しむ事にし、昼間はノンビリと解いた荷物の荷造りをした。チェックアウトは電話1本で済み、タクシーも呼んでくれる。トランクはホテルのスタッフが運んでくれて、私は又サービスエレベーターで下に降りて外に出るとトランクが届いていて、暫く待ってるとタクシーがやって来て、家まで連れ帰ってくれた。帰る途中で綺麗な虹が出ててちょっとウキウキ。到着して私を下ろしてからタクシーが暫く家の前に止まっていたので、多分次の客の為に消毒をしていたと思われる。

自宅に戻ってからは3月29日までの隔離だが、こちらでも下の階を友達に貸してるので、その友達が買い物をして来てくれるので何不自由なく猫たちとノンビリとした日々を送った。

最後の関門は10日目の再検査で、これもネットで登録して看護師さんとネットで繋がりながらの採取なのだが、25日が10日目なので指定のサイトで登録しようと思ったら混み合ってて中々上手く登録出来ず、出来た頃にはもう検査受付が終わっていて翌日に持ち越しとなった。これは空港での登録サイトとは別でSwitchHealthというサイトに再登録しなければならないが、ノンビリとお昼を食べてから登録しようと思ったのが仇となった。翌日は検査受付までは辿り着けたものの私の前に500人以上待ってる状態でちょっと戦々恐々とするが、2、30分で無事に繋がり指示に遵いながら鼻の奥をグリグリしてチューブに入れて、梱包も指導に従ってスムーズに進んだ。ただ26日は金曜日で、もしその日に集荷を任されてるPurrolatorのピックアップの枠が取れなければ週末を挟んで月曜日のピックアップとなると言う。その間パッケージは冷蔵庫に保管するようにとの指示で、案の定ピックアップの予約が月曜日になってしまったのでパッケージは冷蔵庫行きとなった。29日にピックアップされた検体の結果は4月2日に届き、無事に陰性の結果を頂きホッと一息。これで晴れて無罪放免となり本当につつがなくカナダに戻れたと胸を撫で下ろした。隔離中にチェックの電話とか、抜き打ちでちゃんと篭ってるかチェックが入ると聞いていたが、日本と違ってそれは全く無かった。

それにしても殆ど全ての事がネットを介しての事なので、ネットを使い慣れてない高齢者にはかなりハードルが高いのではと思った。現に私も始めての事ばかりで、色々と四苦八苦しながら何とか乗り越える事が出来たしだいだ。

今回の一時帰国は前代未聞の色々なハードルを超えての帰国となり、隔離期間も日本とカナダを合わせて約1ヶ月で大変な事だらけだったが、日本での用事は全て済ませられ、叔母にも会えたし、美味しいものも沢山食べられたし、ごく一部であるが親しい友人たちとの時間も取れて、いつもより短い2週間ちょっとではあったけど存分に日本滞在を満喫出来て本当に帰れて良かったと思う。今も厳しい状況が続き、今年の秋の帰国も多分無理だと思うが、来年の春には改善されてこんな思いをせずに帰れる事を切に願うばかりである。


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