ベンチャー経営界隈にある搾取ゲームについて

搾取する会社の方が儲かります by ひろゆき

搾取と聞くとブラック企業や悪徳業者を思い浮かべるだろうか?実はベンチャー界隈には暗黙の了解として「ある程度の搾取は仕方ない」という風潮がある。

ここでいう搾取は安い報酬でこき使う程度の話ではない。安い報酬でホイホイ入ってくる人を雇う経営者はこの搾取ゲームではレベル1だ。なぜなら安い報酬で有能な人間を騙すことはできないからだ。

有能な人間をいかに騙すかのテクニックがベンチャー企業の経営者の必須スキルになっている。多くの場合、当人は騙しているとは思っておらず、交渉力と思っている場合が多い。ここで挙げる例は極端に思えるかもしれないが私の周りで実際にあった話であり、しかも有名なベンチャー企業であったケースもある。

どのケースでも

・契約上は高待遇を約束する

・実際は報酬を支払わない or 違約金で取り返す

・秘密保持契約で口外させない

というのが基本的なスキームだがこれだと明らかにバレてしまうので相手がどのくらいの実力かに応じて対応を変える。例えば外部の実力者に告げ口できる程度なら交渉自体を控えるが、孤立しているエンジニアなどは格好のカモとなる。業務委託であればCSも営業も同様にカモになる。彼らにした約束を破ってもダメージがなければ問題ない。

被害者側は通常なら民事訴訟が考えられるが、口頭で「会社の決まりで〇〇円までしか支払えないから契約書上はこう書くが、実際にはしっかり払います」と伝えたり、業務委託であれば発注書に「支払い条件別途相談」と小さく入れて回避することで最悪の事態になっても勝てるように契約書を準備する。他にも様々な交渉テクニックが存在するが「口頭で相手にポジションを取らせて、契約書上は自分がポジションを取る」が基本となる。

何度も言うが、経営者側はこれを交渉力だと思っている。

シリーズA程度のベンチャー企業でも支払いを踏み倒したことのない企業の方が少ない。破っても不利にならない約束ならば破る。これは読者がベンチャー企業経営者であれば心の中でうなずいていることと思う。

ではベンチャー企業の経営者が悪い人間かというとそうではない。そうしないと勝ち抜けないほど経営の世界は競争が苛烈なのだ。生産性が低い世界では当たり前のように搾取が横行するが、生産性の高いITの分野でも1つの企業が搾取を始めると途端に他の企業も搾取をせざるを得なくなる。どの分野でも上手に搾取をする企業ほどキャッシュを温存して生き残ることができる。

搾取される側は不慣れでガードが甘くなるが、搾取する側はやればやるほど上手くなる。騒ぎ出すカモのなだめ方や、おとなしいカモの見つけ方がこなれてくる。真面目に価値をつくるよりもずっとコスパの良い上に、やらなければ他の企業に勝てない。

ベンチャーに限らず経営に近ければ近いほどサバンナのような世界が広がっている。作れる価値がほぼ一定の世界では、倫理などない搾取ゲームがキャッシュ温存の常套手段になっている。

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カモの見つけ方

有名なカモの見つけ方を教えよう。嘘を見抜けない人間はカモになりやすい。「あの大臣と知り合いです」と言って「え!すごい!」と疑いもなく反応する人間は他人を信用しやすく交渉しやすい。優しく、いい人なのだ。

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