チャンスを逃すと悔しいから もうチャンスなんかないでほしい

昨年末、新大阪駅の改札で辻さんを見かけた。
きっと同じ新幹線だったんだろう。

嘘……だろ……?と釘付けになる私のことなど知る由もなく、お急ぎの様子だった。
今から私もそのライブに行きます!と思った。

どうしよう……行き先は同じとなれば、後を追うことになる。話し掛けられそうならいくか……?
と思っていたら、タクシー乗り場の方へと向かわれた。

あ、なるほどね。そうよね。 
私は少しホッとした。


前日は、ルミネに寄席とRGあるあるwithロングコートダディを見に行っていた。

寄席でマヂカルラブリーが寄り目クイズをしていて、なかなか手を挙げる人がいなかったんだけど、手を挙げる心づもりがなかったのと、これはもう少し誰も手を挙げない時間を楽しんだ方がいいのか?とか思って日和っているうちに他の人に取られた。ミスった。

あるあるライブはお客さんからお題を募集する形式で、でも、私はかなり後列だったので、どうせ当たらんやろと諦めて手を挙げなかった。
しかし、途中で後ろの方からも当てようかなと言って選ばれた人は私の2,3席隣だった。
その後、せっかくのゲストを誰もお題に指定しないので、流石に……と思って手を挙げたら別の人がロングコートダディを要望してくれた。
堂前さんの前で合法的に「堂前透!」と叫びたい欲求はあったが、まぁもうロングコートダディはやったしなと思ってやめた。
色紙欲しかったな。RGもロングコートダディ、堂前、兎くらいは準備してたかもしれなかったな。

そして翌日、辻さんとエンカウントした後に向かった過激大祭典のオープニングで、お客さんの乳を透視して描きます、という場面があった。
誰も手を挙げなかった。あまりに誰も挙げない時間があった。困っていたと思う。
別に私は描かれてもよかったんだけど、これは完全に意気地がなかった。別の女性が手を挙げて感謝されていた。
ここで挙手することでこの場を救えるという大義名分がありながらも、私は手を挙げられなかった。


いつからこうなってしまったんだろう?


お金が好きだしずっと家にいたい。
それを犠牲にライブに来ている。
だから、かけたコストに対して できるだけ大きなリターンが欲しい。

最初のうちはその思いが強く、また、「ライブに行く私」は生まれたばかりだったので、行動が若かった。
意味わからんよな?
でも、10年ぶりにテニスを再開した時、「テニスをする私」は学生のまま止まっていて(身体へのイメージでなく人格の話)、そこに今の自分を合わせるのが難しかった。
そういった類の話。

ただ、もう長いこと生きているので、ライブ赤ちゃんだった私は、大いにミスりながら流石のスピードで急成長し、大人になった。
良くも悪くも思い切ったことはしなくなった。

それでも6月のあたクラでは、ライブ中にお題をリクエストして接触イベもいい感じにできたので、多分単純に最近のバイタリティーが終わってんだと思う。
ライブ中に手を挙げて当ててもらおうとするのは何も悪くない。むしろ善行ですらある時もある。

性根がソルジャーなので“逃げ”の選択を取ることができず、トライすることを義務なりミッションなりとして、外的要因で不可能になればホッとする。自ら逃げずに逃れられた。
それが冒頭の遭遇時の心情。

いや、もちろん会話してみたいという欲が前提なんだけど。
何と戦っているんだ。とにかく相手には迷惑かけんなよ。

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