金色の過去、紫色の未来
小さいころ、私はすれ違う人や、目に入った人に、自分の未来の姿をよく重ねていた。この人は未来の自分なのかも、なんて思ったこともある。きっと自分も、もしくは未来の自分は、こんな服を着て、眼鏡をかけて、こんな表情をして、こんな歩き方をしているんだなと、時々誰かを見ては考えていた。きっと未来が広くて大きくて、色々な想像ができたのだろう。私は、色々な人に、私の色々な未来を観ていた。
この間、地元の喫煙所でタバコを吸っていると、1人のおじいさんが灰皿の前にやってきた。おじいさんは、現在仕