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金色の過去、紫色の未来

小さいころ、私はすれ違う人や、目に入った人に、自分の未来の姿をよく重ねていた。この人は未来の自分なのかも、なんて思ったこともある。きっと自分も、もしくは未来の自分は、こんな服を着て、眼鏡をかけて、こんな表情をして、こんな歩き方をしているんだなと、時々誰かを見ては考えていた。きっと未来が広くて大きくて、色々な想像ができたのだろう。私は、色々な人に、私の色々な未来を観ていた。 この間、地元の喫煙所でタバコを吸っていると、1人のおじいさんが灰皿の前にやってきた。おじいさんは、現在仕

    • 短歌のリズムで思い出す佐渡〈人・本・果物〉

      ここ数日で気温が一気に落ちて、いよいよ冬ですという感じがする。私はついに耳当てを取り出し、夜に散歩する時にはつけて出かけている。耳があったかいとすごくあったかい。今年もたくさんお世話になろう。昨日、散歩からもどり布団にくるまっていると、米津玄師の新曲がアップロードされていることに気づいた。「Azalea」という曲。凄まじかった。「がらくた」も、「毎日」も、「さよーなら、またいつか!」も、どの曲も本当に凄まじい。なんなんだ米津玄師。ありがとう米津玄師。次も楽しみです米津玄師。ち

      • 短歌のリズムで思い出す佐渡〈貝・酒・海〉

        昨日は、よくいく中華料理屋さんで夜ご飯を食べた。私が頼んだのは青椒肉絲定食。ピーマンとたけのこと豚肉のシンプルなもので、とてもおいしかった。次はチャーハンにしようかな、なんて今度なにを食べようかと考えるのも楽しい。そういえば、前回サウンドハウスのことを書いたのもあって、杉井ギサブローさんが監督したアニメ版『銀河鉄道の夜』を観てみることにした。原作はもちろん宮沢賢治の小説で、原案はその小説をもとに、ますむらひろしさんが書いた漫画だ。そこでは、ジョバンニやカムパネルラたちはみんな

        • 短歌のリズムで思い出す佐渡〈舟・船・鉄道〉

          佐渡から帰ってきて早くも1か月以上がたってしまった。なんだかもう、ずいぶんと遠いことのような気がしてならない。みんな元気だろうか。前に書いた「やってみる会」から、私はことあるごとにちまちまと短歌をつくってみている。そこで、いつものようなお絵描き旅行記ではないが、今回は短歌とミニエッセイで楽しかった佐渡のことを思い出してみようと思う。歌と文章がへたっぴなのはどうか目をつぶってほしい。私も旅行前・後にいくつかの佐渡に関するNoteやブログを読んだが、このNoteが少しでも佐渡観光

        • 金色の過去、紫色の未来

        • 短歌のリズムで思い出す佐渡〈人・本・果物〉

        • 短歌のリズムで思い出す佐渡〈貝・酒・海〉

        • 短歌のリズムで思い出す佐渡〈舟・船・鉄道〉

          キャッチボール・ディスタンス

          2024年もあと少しで終わり。そんなことを感じさせるような気温と空気がする。体調は良くなったような気もするし、良くなっていないような気もする。コンコン・ヒンヒンと咳は出ていき、やってくるのは年金の督促ハガキばかり。果たして、とっても穏やかなクリスマスなんてくるのだろうか。とりあえず、ホットミルクはおいしい。ほっとする。 これより先の文章には、『進撃の巨人』漫画最終34巻およびアニメ最終話のネタバレがある。『進撃の巨人』をまだ楽しんでいない人、どうか引き返してほしい。楽しみは

          キャッチボール・ディスタンス

          佐渡と本と偶然

          棚から『手紙を書くよ』という本をそっと引き抜き、ぱっと開いてその1文と目が合った時、驚くとともに、前日に観た『夜は短し歩けよ乙女』に出てくる言葉を思い出していた。それは登場人物「黒髪の乙女」のこんなセリフだ。 もちろん、その瞬間にこんな全文をきっちりと思い出していたわけではない。「運命のように偶然本と出逢うこと」「古本市の神様がいること」という部分をじわりと不思議な実感をもって思い出したのだった。 私はその日、近くの図書館前で行われていた一箱古本市というものに訪れていた。

          佐渡と本と偶然

          たぶん私のオールタイムベスト|その2

          今日は、地元から少し行ったところにある中華料理屋さんで夜ご飯を食べた。定食が安いのにたくさんで美味しい。すごく大きな唐揚げがセットでついてくる。いつもはニラレバ定食を頼むけれど、今日は初めてコマ切れ定食を頼んでみた。何味なのかわからなかったけれど、豚のコマ切れがたくさん入っていておいしかった。おなかいっぱいだ。 オールタイムベスト。やっぱりなんだかいい響きだ。その2はアニメについて書いておきたい。アニメ編、はじまり。 好きなアニメ①電脳コイル 以前、「好きな映画は何か」と

          たぶん私のオールタイムベスト|その2

          たぶん私のオールタイムベスト|その1

          オールタイムベスト。「玉田企画」という劇団の「今がオールタイムベスト」という作品を観に行きたくてチケットを取ったのに、当日体調不良で行けなくなったことを思い出した。オールタイムベスト。なんだかいい響きで好きだ。 近頃は、「にわかな私と"ケツ跳び"のウタ」というHIPHOPについてのnoteを書いていたのだが、「想いはあるけど知識がない」という状態で、言葉が出てこなくなってしまっていた。いつかは書きたいけど、今ではないのかもしれない。 ここはひとつ、別の自分の好きなものをゆっく

          たぶん私のオールタイムベスト|その1

          それから1か月

          まだ会ったことのない、これから会う人のnoteをめちゃくちゃ読んだことをきっかけに始めたnoteだったが、もう一か月がたった。すごく変だけど結局その人と会う約束はなくなってしまった。なんだかものすごく変な感じがする。いつかどこかで会うのだろうか。その時を楽しみにしよう。 石川旅行記⑤の冒頭で書いた地元のTUTAYAだが、なくなることになった。「ずっとあってほしい」とそう書いていたが、もうなくなる。頭がぐらぐらした。たくさんの記憶がその場所に結びついている。本当にさびしい。私

          それから1か月

          ヤマト、ヒヤトイ戦記|追記版

          0.はじめにの前に いまから始まる「ヤマト、ヒヤトイ戦記|追記版」は、2024年3月に書かれたものに、少しばかりの追記をしたものである。そのため、話の主な部分は2024年2月中旬までにあったことについてである。それから現在までに8か月程度が経過し、変わったこともいくつかある。見えやすい場所への意見箱の設置や、労働環境に関する相談についての窓口を示したポスターの掲示など、様々な問題に対処しようとするヤマト運輸の姿勢がうかがえる。しかし、変わってないクソみたいなことも多々ある。

          ヤマト、ヒヤトイ戦記|追記版

          2019年あの頃「韓国映画概論」

          人生の中で、「好きな映画なに?」と聞かれて困ることは多い。私は、この手の「好きな○○はなに?」系の質問が来ると心の中をキョロキョロとするのみで、うまく答えられた試しがない。しかし、私は映画に関してだけは「聞かれたらとりあえずこれを答えよう」を決めている。 その映画とは、韓国映画の『サニー 永遠の仲間たち』(原題:『써니』)という映画だ。この映画と出会ったのは、確か2019年のことだった。その年の夏、私は韓国に1か月程度の短期留学(サマースクールみたいなやつ)に行くことになっ

          2019年あの頃「韓国映画概論」

          能登に向かって|石川旅行記⑩-終-

          9月25日現在、「能登豪雨」の影響で9人の方が亡くなられたと報道があった。いまだ安否不明者の捜索は続いている。亡くなられた方のご冥福を心より祈る。そして、捜索が無事に行われること、1人でも多くの安否不明者が発見されることを切に願う。 前回のつづきから。金沢駅を出た私は、森本駅で降車し快活CLUBへと向かった。道と雰囲気がなんとなくはわかるので、昨日の夜よりは不安が無かった。お店に到着すると、席の選択をした。私は、どうしても今は横になりたかったのでオープンシートではなくボック

          能登に向かって|石川旅行記⑩-終-

          能登に向かって|石川旅行記⑨

          ようやく、今日歯医者で抜糸を行ってきた。経過はどうですかと聞かれ、「腫れはだいぶいいんですけどまだズキズキ痛みます」と答えると、抜糸して1週間くらいはまだ痛いかも、ということだった。早くフルパワーでご飯を食べたい。そして、そろそろ労働もしなければいけない。あんなに暑かった夏が遠い記憶に感じるほど、日中の風も冷たい。 前回の続きから。能登中島駅を出て七尾に戻ったころにはあたりは暗くもう夜だった。頭の中には、今日の1泊の他にもう1泊して1日金沢を見てまわる日をつくろうかというプ

          能登に向かって|石川旅行記⑨

          能登に向かって|石川旅行記⑧

          家の外で、水道の工事をやっているのだが、1人の作業員が一緒に工事をしている作業員をめちゃくちゃなじっていてとても嫌だ。その言葉ももちろんだが、「なじる」時特有の声量や声のトーンを聞くのも非常に嫌だ。私は気がすくんでしまう。そして関係ないけど、「道路を掘削するということ」が「親知らずを抜く」という事に頭の中で対応してしまって、また嫌だ。近くにある麦茶を飲む。麦茶はおいしい。何はともあれ、明日は抜糸の日だ。 前回の続きから。能登中島駅に到着した私は、能登演劇堂を目指して炎天下の

          能登に向かって|石川旅行記⑧

          能登に向かって|石川旅行記⑦

          時折、現実より夢の中の方がマシだと思うことがある。夢の中では、現実世界ではできないことができたりする。空を駆けたり、会えない人に会ったり、本来引き合わないものを組み合わせたり。夢の中だけは、現実世界の様々な制約から解きほどかれることができる。そういうことで、私はつらい現実があるときにはたくさん寝てしまう事が多い。これとは違うのだが、友達は「一晩眠れば、その日あった嫌なことは綺麗に忘れてしまえる」と話してくれた。すべてがそうではないと思うが、その平然としている様子にとても惹かれ

          能登に向かって|石川旅行記⑦

          能登に向かって|石川旅行記⑥

          今日も家から一歩も出ていない。お昼ごろは気持ちのいい陽がさしていてお散歩でもしようかと思ったけど、なんだか気乗りせずやめてしまった。もしかしたら、水曜日の抜糸まで外に出ないかもしれない。小さいチョコを左側の歯で砕く。夜に向けて少し空気が冷たくなってきた。 前回の続きから。和倉温泉駅を出発した電車は、七尾湾側の海沿いを走り、終点穴水へと向かう。途中、車窓から見える七尾湾の景色は素晴らしく、歩きで見るのとはまた一味違った風景を楽しむことができた。とはいっても、疲れからか私はほと

          能登に向かって|石川旅行記⑥