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今の僕たちは誇らしい(トルライ春感想)

MANKAI STAGE『A3!』Troup LIVE〜SPRING2021〜大千秋楽、幸運なことに会場で見届けることができました。

前の記事でも書いたように、演劇の作品を舞台化するからこそ興味をもって観に行ったのがきっかけ。2.5次元の入り口でした。

それからというもの、いくつか2.5次元舞台というものを見てきましたが、多少のキャスト変更は経験しても、「卒業」を経験したことはありませんでした。

ましてや今回は、原作も愛してきた大切な作品。唯一無二のキャスト陣で既に3年ほど作り上げられてきたもの。その中でキャラクターとキャストが切磋琢磨するように一緒に成長し、物語と同じようにキャストたちも絆を築いてきたのを目の当たりにしていました。

大切に作ってきたからこそ素敵な作品になって、キャスト一人一人も成長し、前に進んでこれた。それだから今回の卒業、次の季節へ進むための門出が生まれたのかもしれません。その理由はわからないけれど、たしかにキャストもこの作品とキャラクターを現在進行形で愛していると思うから、笑顔で前向きな気持ちで見送ろう、そう思えたのも本当です。

でもやっぱり、わたしたちも作る人たちも大切にしてきたからこそ、寂しいもんは寂しい。

新しいキャストの背負うものもとても大きくて重い、そして選ばれた素敵なその人が新しい風を吹かせてくれると思うし、私たちはそれをまた受け入れられると思う。その心配はしていなくて、ただ、とても素敵な役者がここまで演じてきてくれたこと。それを見られなくなるのがただただ寂しいのでした。

2.5次元の魅力に気付けた作品であり、2.5次元の難しさ、素晴らしさに気付けた。

キャラクターの人生を背負うということは、何年も同じ役を背負い、一心同体で紡いでいくことがあるということ。
そうやって何年も同じキャラを演じ続け、切っても離せないものになっている人も多い。もう役になりきっている時は原作から飛び出したように、どんな出来事にだってその場で対応できる。
そうやって最後まで演じ抜くことができればいいけれど、
そうじゃない時もあるんだな。
そうしたら、寂しい別れが来るけれど、それはキャラクターには乗せなくていいもの。キャラクターの人生は続いていく。その人が降りても、変わらずに物語を続けていく。

でも、確実に一緒に舞台を作ってきた、「この5人」の関係は、3年分の積み重ねがある。誰にも邪魔できない、大切な、尊い、意味のあるもの。


卒業公演でも、その寂しさはキャラクターを演じている間は、表に出さないように、これからも続くキャラクターの人生を愛しているからこそ大切に、そこに強く立ち続けた春組。

寂しいも、これから巡る季節への希望も本当で大切で、難しい。

役者って難しい。自分と役と気持ちが重なるからいい演技ができたりすることもあるし。今回の劇パートは、そんなことも含んだ温かいお話でしたね。

とにかくもう役を超えた絆や、愛が、見えたり隠したり、もうみんな役者の言葉で喋っていいよ、って役から解いてあげたくなるくらい気持ちが叫んでいたり、でも大切な役だからみんな演じ抜くことを願って祈って、
とにかく、特別な公演だった。

前日に見た時は楽しくて仕方なかったけど、千秋楽は寂しくて楽しくて笑って泣いていた。

これからも季節は巡って続いていく。5人は5人だけど、6人分の気持ちを背負って進んでいくんだね。


牧島輝くん、お疲れ様でした。ありがとうございます。
碓氷真澄くんのミステリアスな雰囲気も、一途で頑固なところも、年相応な可愛いところもいじらしいところもぴったりで、これ以上ない真澄くんでした。ありがとう。

そして強くて暖かい春組がこれからも大好きです。

タイトルは「桜の下で」から。

人は出逢いで変わっていくなら
今の僕たちは誇らしい

大好き。出逢って変わってここまで来た春組が、自分たちを誇らしいと思える、そんな春組が大好きです。

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