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クソスピダラダラ日記 【謀反の謎編】

また夢を見た。

一昨日は白い着物を着た全身真っ白な女性の夢を見た。着物は絹で出来ており、光沢のある白の糸で豪華な刺繍が施されていた。とにかく全身白くて華やかである。

服装から見て上流階級の貴婦人であり、華奢な体型でか弱く見えるが意思は強い女性のようだ。

「秀吉に騙されないためには、秀吉と一切関わらないことです」

と彼女はストレートな助言をくれた。

たぶん、彼女もまた秀吉に苦しめられた人々の一人なのだろう。どういう縁かはわからないが、これから豊臣秀吉の悪事を霊視することを決めた私に助言してくれるようだ。

なぜいきなり秀吉の悪事の話が出たかというと、それはこの記事をどうぞ。

白い彼女の髪型は垂髪ではなくて頭頂部で髪を束ねるヘアスタイルだった。

以前、秀吉の側室の夢を見たことがあるが、その人は秀吉生前の頃は垂髪だった。そして秀吉死後には頭頂部で髪をまとめるスタイルに変えていた。

この頃の貴婦人の髪型に、流行の移り変わりがあったのかもしれない。

白い貴婦人は生前の秀吉の所業を知っている人だったので、その頃に髪型をアップにしてるというのは、かなり都会的なおしゃれさんだったのだろうか。

まぁ、時代ごとのファッションの変遷はよくわからないのでこれ以上は触れないでおく。

おそらく私は白い彼女とは前世で会ったことはない。こんなインパクトの強い婦人に会ったら何度生まれ変わっても忘れらる気がしない。

それがつい先日、前世の私が秀吉の嘘に散々騙されていたことを思い出した途端にこの白い女性は現れた。これはまさしく秀吉への怨みが繋いだ縁だろう。おそらく彼女やその一族は、かつて秀吉に苦しめられたことがあるものと思われる。

私が初めて自分の前世を思い出したのは、23歳のとき友達と行った旅行先でのことだった。そして旅行から家に帰宅して数日して気がついた。

いつの間にか、私の部屋に武士の霊が座っていた。

武士の霊は甲冑をまとい、あぐらをかいて瞑想するように座っていた。武士はただ黙ってなにかを考えているように見えた。

『おれの人生は一体どこで判断を誤ったのか……?あの時だったか?いや、もっと以前だったか?おれはいったいどうするべきだったのか… 考えろ、考えろ…、なんとしても答えを見つけるんだ…』

武士の霊の心が見えた。ずいぶん真面目な人のようだ。しかし彼は生前たくさんの判断ミスをして破滅して死んだ男なのだろう。死後もその後悔を抱えて成仏できずにいるのか…

(身分の高い武士だ… なんでうちの家に…)

うちの先祖は武家ではない。父方母方ともに祖父の母親(曽祖母)の家は武家だが、直系の先祖は商人もしくは百姓だと思う。祖父が死んで以降、本家との付き合いが切れたので確かめようがなくなっている。祖父の書き残した手書きの変な家系図には、高祖父が武家の出で養子でうちにやって来たと書いてあったが、それはまだ未確認だ。

まぁ、どのみちうちの先祖にこんな身分の高そうな武士がいるはずがない。この人いったい誰なんだ…

何日経っても武士の霊は私の部屋で考え事をしてるだけだった。私は、かの霊をそっとしておくことにした。彼の死んでも晴れなかった多くの疑問に、いつか答えが見つかるまで、それまではうちにいたら良いじゃないか。ゆっくり考えてくれ。そう思った。

そんなことがあって間もなくのことだ。ある日、私は遠出をして電車に揺られていた時に、不意に大きな悲しみを感じた。

『ああ、謀反!謀反のことが心残りだ!!』

泣きたくなるほど悲しくて、悔しくて、無念の思いが溢れてくる。当時23歳だった私には、『謀反』という言葉の意味がよくわからなかった。歴史に興味がないと、そういう単語すらよく知らないものだ。

たぶん、組織的な裏切り行為を指す言葉だろう。そんなふうにその時は思った。

おそらく、この時にはもうすでに、私はその武士に取り憑かれていたのかもしれない。

この時、私が電車の中で無念だと思ったのは、戦国時代の織田軍で起きた荒木による謎だらけの謀反のことだと知るのは、この時から十数年後のことだった。

ある日、荒木の謀反にまつわる夢を見た。

最初に見えたのは、兵糧を数える武士たちの様子だった。どうやら数え間違いが起きていたように見えた。単純なミスだろうか……、いや、ミスの原因まではよくわからない。何者かによる略奪や工作の可能性は十分あったと思う。

兵糧が足りないことで横流しの疑惑が出てきた。疑われたのは…、たぶん荒木という家臣だろう。いや、この時はまだ疑ってはいなかったと思う。関係者から事情を確認する必要があっただけだ。

ここまでが最初に見た謀反にまつわる夢だったように思う。

それからしばらくして荒木が謀反を起こしたことで、信長公がその対応に追われている場面を夢で見た。

どうやらこの謀反、そもそも原因が全くわからない。あの荒木が謀反を起こすなんて考えにくい。一体なにがあったのか?とにかく情報を集める必要があった。

そこに一人の下級クラスの家臣からこんな報告があった。

「謀反が起きる前、何度か竹中が荒木と手紙のやり取りをしているのを見ました。」

そこで信長公は竹中を呼び出し事情を聞くことにした。

すると竹中は、にわかには信じ難い変な話をした。なんともここに書きたくもないようなひどい作り話であった。信長公は困惑してしまった。

もともと竹中という男は日頃からちょっとした嘘を言う男だった。それも割と子供じみた嘘が多く、ちょっと自分を大きく見せるためのたわいもない嘘や、人の同情を引くための事実を誇張した嘘だった。まぁ、でもこの時代の男は多かれ少なかれ誇張した武勇伝を話したがる。竹中もその一人というだけだ。

竹中は背は低いが、顔は悪くなかった。例えるなら俳優の長谷川 博己さんに似ていて実年齢より若く見えた。そんな彼の子供っぽさは見た目のこともあって愛嬌だとも思えたのだ。

おそらくこの時、竹中が言った荒木との手紙のやり取りに関する釈明は、いつもの竹中の子供じみた嘘だろう。作り話にいつもの癖が出ているが、疑われてとっさについた嘘とは思えない。普段の竹中なら無実の疑いを掛けられればもっと幼稚に騒ぐだろうに、この時は非常に落ち着いてしょうもない作り話を話したのだ。

あらかじめ用意されたシナリオを話すかのように…

竹中の釈明があらかじめ用意されていたとすれば、そもそも荒木と竹中が手紙のやり取りをしていたという目撃証言自体も嘘の報告であろう。信長公はそれをちゃんと見抜いていた。

だが、肝心なのは『ではなぜ竹中が、今この大変な時に、そんな手の込んだ準備をしてしょうもない嘘をつく必要があるのか?そんなことをしてなんの得がある?自分が疑われるだけでなんの得にもならないだろう。意図があるとしたらなんだ?一体誰が竹中にそんな指図を出したのか?』そこの説明が付かなかった。

信長公は頭を抱えてしまった。いつもの竹中の子供じみたバレバレの嘘が、こと謀反という一大事に関わると奇妙な破壊力を持ってしまったのだ。

「一体なんなんだ… わけがわからない…」

ここまでの信長公の考えは間違っていなかったように見えた。ただひとつ、竹中を動かしたのが秀吉であると、その点だけに気づけなかったのが痛かった。

それが信長公の人生で最大の判断ミスだったのだと、ここ数日見た夢でやっと私も気がついた。

信長公は秀吉を信じていたのだろう。

私が長年見てきた夢を総じてまとめると、この謀反、秀吉の策謀が関わっていたと思われる。竹中は秀吉の指示で信長公を混乱させる奇妙な動きをしたようだ。晩年の信長公が家中で『家臣を疑う暗君』として人望をなくした寂しい夢を何度もみたことがあるが、それはこういった秀吉による数々の策謀の効果によるものと思われる。

そして秀吉は、特に信長公から愛された家臣たちをターゲットに、信長公から引き剥がす工作をしたようだ。荒木はもちろん、先日書いたが黒田の件もそうだろう。私が夢で見た映像では、信長公は黒田のことをずいぶん気に入っていた。黒田は博識でユーモアもあり面白い男だったようだ。

秀吉はそんな信長公に気に入られた家臣を次々と狙い撃ちしたように見える。

↓黒田のことをちょっと書いた記事はこちら

私は戦国時代の話をするとき、「まるで見てきたように話してる!」と、人から気味悪がられることがある。心霊現象に慣れているはずのスピ系の人達からもめちゃくちゃ怖がられる。ずいぶんおかしな人に見えるらしい。

まぁ、仕方ない。私も私みたいなやつには一度しか会ったことがない。その人はプロの作家さんだった。

私は今まで夢で見たことを元に話しているだけでなので、ついつい「見てきた」感じで話してしまう。夢で見てないことについてはなにも話せない。有名な『桶狭間の戦い』などは今まで見たことはないで話せない。小学生の歴オタくんでも知っているようなことを私はなにも知らない。夢で見たことしかわからない。

桶狭間は知らんが、今川義元を討ったあと、織田家と今川家とが話し合いをしている夢なら見たことがある。その夢のことなら話せる。

今川氏真という人はとてもおしゃべりで、今のことを話し合う必要があるのに、今川家の先祖代々の華麗な由来から話し始めるのでおそろしく話が長かった。「当家の先祖は源氏でうんたらかんたら…」と、織田の使者に話す隙を与えない戦術かと思うほど長かった。私は彼のことを『今川のエクスカリバー』と呼んでいる。

漫画•ソウルイーターのエクスカリバーについてはこちらをどうぞ 

これは私が見た夢の話をもとにして話しているだけにすぎない。氏真がエクスカリバーだと思ったのも夢のせいだ。私は悪くない。(え?)

私の見る夢がなんなのか。本当の歴史と関わりがあるのか、そこはわからない。

わからないが、今後少しずつ書いていこうと思う。荒木が罠にかけられ不名誉を背負った経緯を、家臣に騙された信長公が判断ミスを繰り返し思考停止に陥って、やがて多くの人を殺めてしまった罪の話を…

こんな決意をしたがために、いま私の周りには次々と秀吉に恨みを持つ霊魂が集まってきている。白い貴婦人も、今後助言を下さることだろう。

人に笑われることを恐れて今までは鍵垢で書いたりしてきた。この不思議な夢の話を読んでくださる人がいるか否か、それはよくわからないが、ひょっとするとどこかで縁は繋がっていくだろう。

先ほども夜勤明けで寝ていたら、遠いところから声が聞こえた。

「秀吉への恨みに悩むなんて時間の無駄だ。そんな時間があるのなら、もっと人のためにやれることをやるべきだ」

武士の声だった。

そうだな。お言葉の通りだ。…では私は、私にできる人助けをやっていこう。これから忙しくなるな…

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