死ねば死ぬほど生きられる世界

尊敬する大森靖子さんの歌ドグママグマの歌詞に『死ねば死ぬほど生きられる世界』という一説がある。

YouTubeのミックスリストを垂れ流してたら流れてきて久しぶりに聞いて、多くのフリーディレクターの、処世術みたいなのとリンクしすぎてて、やっぱそうじゃダメだよなと思い返した。

テレビ局にいる総合演出の好みから外れると、ある一定の、クオリティを超えてるものを提供してるはずなのに罵倒され、実はその指摘は、本人発信ではなく、裏で作家さんが言ってたことらしい、みたいな事が聞こえてくると、ごめん、これってだれが作りたくて作ってんの?最終的には視聴率を取るが目的なのは分かるんだけど、それで数字変わるか?とも思う。

現場で戦うディレクターは、自分の意思を殺し、チーフ作家と総合演出の意図するラインから少しでも逸脱すると、仕事できないやつ扱いを受ける。

まさに死ねば死ぬほど生きられる世界

・食べる時は、〇〇の番組の、あのコーナーみたいな撮り方で
・料理のインサートは、〇〇の番組みたいな、撮り方で
・せっかく〇〇がいるなら、この前やってたあの番組のくだり、事務所にバレない程度にしれっと入れよう。

こんなしょうもないオーダーを受けたとしても我々はそれに答えなければならない。
なぜなら動画を作るという作業の中でトップクラスにいいギャラをもらっているから。

沢山の番組をかけもち、自分の意思など出すことはせず、ただただ自分を殺して、ゾンビ化した状態でかけ回ればフリーディレクターとしては稼げるとは思う。現にそういうことをこの2年間、本気でやる番組ももちろんあったけど、ゾンビとして参加した番組もある。

番組を掛け持つ数が多ければ多いほど自分をゾンビにしないといけない。

コロナをきっかけにゾンビから引退することを決めた。バカみたいに何本もつまらない番組のVTR作っても意味がない。

それにテレビでフリーディレクターが稼げる時代はあと5年以内に終わる。絶対に。
このまま、5年間、自分を殺し続けて死ぬ思いをして働き続けても、結果は労働量が変わらずどんどん収入が下がるだけ。かつてのバブリーな業界に戻る可能性はゼロ。

だから自分で好きなことをするために今年残り半年は
・応援してくれる人を増やす
・自分でお金を集められるようになる
・目先の金では動かない

ということをテーマに過ごそうかなーと思ってます。こんなこと書いてたら、応援してくれる人減るか!まぁでも、、、事実だからな。
でもゾンビやめてから人の悪口あんまり言わなくなった気がする!

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