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あ〜上手くなりてぇ〜と思いながら
先日、黒のジャケットを購入しようと思って手に取ったものが、紺なのか黒なのかわからなくて店員さんに聞いたら、
「ネイビー」ですね。
とにっこりされて、黒を出してきてもらった。
僕は色弱なところがある。
学校で昔そのようなテストがあって、どうしても浮き出てこない数字があった、色弱と判断された。子どもは残酷だ。
「えー?あれが見えないの?」
と無邪気に乱暴に聞いてくる。
人と同じということになんのメリットがあるのか?薄ぼんやりとした僕の主張なんて、多数決で却下される運命。学校なんてそんなものだよなとも考えた。
僕が見えている世界は僕のものであって、他の人の見える色は違うのだろうなと考えに至るまで随分と時間がかかった。
これは赤です、青です。という断定は果たして正しいのだろうか?
基準て何?
カメラでも、こうであるべき。とか、やっぱりフィルムの方が、センサーはとかなんで言えるのだろうか?
三味線でも、こうあるべき。な事がいっぱいある。果たしてそれが正しいのかな?と両者とも見たものは試して考えてみる。
しっくりすることもあれば、なんだか違うなというのもある。
なんとなく上手く片付けられるていで、基準というのは存在するのではないか?
人に教えるようになってから、こうです、あーです。という事が無くなったように感じる。
一人一人が違うし、その中でその人が持っている音がある。
きっちりとしたピッチ感も曖昧だ。
だから僕は上手くなる為の事ではなく、演奏する楽しさを追求するようになった。
上手くてもダメな演奏がある。
下手でも良い演奏がある。
レベルをつけることはまず無いけれど、ABCの中でも、Cで良いんじゃないか?楽しくやっているのであればそれで。
友人から聞いた話で、ライブハウスに友達のライブを見に行った時に、どうしようもなく下手で何やってるんだよ?と思ったバンドがいたそう。パンクだ。だけれど、
「一生懸命にやってるのが伝わって、なんだか全部見てしまったんだよね」
そしていつの間にかそのバンドが有名になっちゃった。
それがブルーハーツ。
当事者ではないけれど、どこまでが下手なのかはわからないけど、伝わるって事に共感した。
メジャーが一番な時代も薄れてきて、音楽理論とかもよく分からないけれど、DTMで曲は作れちゃう。
なんとなく書いた落書きがLINEのスタンプになり、それが売れちゃったなんて事もあるんだ。
改めて問う。基準て何?
良いなと思うもの、自分しかわからなくても、それは大事にしていきたいなと。
あ〜上手くなりてぇ〜と言いながらね。
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