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名探偵ボディビルディング #毎週ショートショートnote

探偵は窮地に陥っていた。彼の仇名は探偵ボディビルディング。シリアルキラーエイコの罠にハマってしまったのだ。エイコを追い雑居ビルに足を踏み入れると、ガランと空いたフロアーの真ん中にベンチプレス用にバーベルがセットされている。
どこからかエイコの声が響いた。
「仇名に相応しい素敵なカラダ。上着を脱いでもっとよく見せてほしいわ」
「こんな場所でストリップをする趣味はないんだが…」
「いいから上着を脱いでベンチプレスをするのよ。そのバーベルを持ち上げないと、このビルのどこかで爆薬が炸裂するわ」
探偵はベンチに横たわり、ベンチプレスの姿勢でバーベルを持ち上げた。
「ふふ…筋肉が盛り上がって美しいわね。殺すには惜しい…アナタが持ち上げたバーベル、下ろすと起爆装置のスイッチが入るのよ」
「…!」
「さあ、100キロのバーベルをいつまで支え続けられるかしらね」
やがて探偵の腕がぶるぶると震え始めた。エイコはその様子をうっとりと見つめていた。
(409文字)


たらはかに様の企画に参加させていただきます。
今回は投げっぱなしです。
果たして探偵は窮地を脱することができるのか。皆様ならどのように展開なさいますか?

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