忍者ラブレター　　　　#毎週ショートショートnote

「世界は今危機に瀕している！」「我等にも出来る事があるはず！」
伊賀の里に忍者の末裔が集合した。いや、彼等は今も現役だ。人々が気づかぬ内にその術で様々な問題を解決してきた。
「我等の術は和平をもたらす為の技。それを世界に示すのだ」そしてある計画が提案された。これに日本中の忍者が賛同の声をあげた。
　やがて世界中で不思議なニュースが報じられるようになった。
「ロシア大統領夫人の自室テーブルに、ウクライナの少女からの手紙が置かれていた」「イスラエル首相の娘のカバンに、パレスチナ青年が書いた愛の詩が入っていた」…紛争当事国首脳の家族達に、対立する側の市民からの愛の手紙が届いたというニュースが相次いだ。それらは規制や検閲をくぐり抜けどのように届けられたのか。「きっとニンジャの仕業よ」人々は噂したが、重要なのは手紙を受け取った人たちが、其々の夫や父親に平和への行動を働きかけた事だ。世界はこうして少しずつ危機を乗り越えていった。

（410文字）

たらはかに様の企画に参加させていただきます。
今回も難題。パスしようと考えていたのですが、なんとか書き上げる事ができました。

無益な戦争が一刻も早く終わりますように。