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数学ダージリン

「1から9の数字が書かれたカードを3人に配り…」夫が問題を読み上げる。小学2年レベルの算数クイズ。
「問題文をよく読んで」彼のいつものセリフ。
「この問題なら2分もあれば解けるでしょ」そう言われ、紙に答えをいくつも書いては消し、30分かかってようやく答えを導き出した。
「正解だけどエレガントさに欠けてるな。今夜もサロンがあるからよろしくね」そういうと夫は自室へと向かった。
 夫は数学オタクで、クイズサロンを主宰している。同好の士が集まり、高度なクイズを出題しあう。答えを出すだけではダメ、よりエレガントに解くことが大事。同好会の名は「数学ダージリン」。クイズの合間には最高のダージリンティーをゆっくり味わうのだ。
休憩の時間が来るとベルが鳴り、私は紅茶を運びいれる。
夫と仲間は熱い紅茶を美味しそうにすする。
 やがて休憩が終わり、私はキッチンへ。そこにはスーパーで買ってきたイエローラベルのティーバッグ。ゴミ箱にそっと投げ入れた。

(410文字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。算数、数学、苦手な私。そんな気持ちが込められています。
みなさんの作品を楽しみにしております。

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