スベり高等学校 #毎週ショートショートnote

 
「スベり止めにもならん。スベり高等学校じゃないか!」入試の結果をみて、父さんは冷たく言い放った。
…スベり高等学校か。登校初日の朝、僕は憂鬱な気分で教室にいた。すると始業のベルと同時に一人の教師が入ってきた。
「担任の中村や。スベり知らずの人生なんかオモロない。これから先生と一緒にオチを探しに行こう!」
 関西弁だし、オチとかいうし、なんだこの先生は?
 次の日も、先生は熱く語りかけてきた。
「ウケん時は辛い。でもスベりは後々財産になる。スべったと笑える時が来る!」いや、僕らお笑いの生徒じゃないんだけどな…。
 次の日。ウザい担任の事で教室は朝から騒がしかった。するとまた始業と同時に中村先生が飛び込んできた。「自分を信じるんや!ありのままを見せるんや!」先生の姿に僕たちは唖然とした。「なんで裸なんですか!」先生はエラいすんまへんと頭を掻いている。「先生、思いっきりスベってるじゃん」僕らは笑顔で先生にツッコミを入れた。

(410文字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。今回も難しいお題でしたね。昔は青春ドラマがよく放送されてました。ちょっと、そのイメージを借用してみました。
 みなさんの作品を楽しみにしております。

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