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メルマ旬報廃刊の報に寄せて

2022年8月15日

 水道橋博士のメルマ旬報が廃刊となってしまうらしい。理由は博報堂サイドにあり、博士が参議院議員になった事で政治家が編集長のマガジンは発行できない、ということのようだ。最終的に原カント君の廃刊の意思が固く、この結論となったようだが、寂しさを禁じ得ない。
 博士の日記はnoteで読めるのでいいのだが、他の作家陣で他のメディアではあまり露出のない方々の記事が読めなくなるのが残念だ。
 メルマ旬報で思い出すのは、柴尾英令さんの「シネコン至上主義!」である。残念ながら柴尾さんは2018年4月に急逝されたが、毎回の連載を楽しみに読んでいた。「シネコン至上主義」は、柴尾さんが自腹でシネコンで見た作品の批評をするもの。柴尾さんは映画評論が本業ではなく、試写会で見た作品を対象とされていないので、批評に一切忖度はなく、時に作品に対する感情も込めた文章であったので、その分読み応えがあった。柴尾さんが取り上げられた作品の中には、自分ならまずチョイスしないであろう作品もあり、後に実際に鑑賞して大好きな作品となったものもある。そのひとつが2017年の作品「パディントン2」だ。絵本でお馴染みのパディントンを実写化しました、と聴くと、その時点で私のようなおじさんの選択肢からはまず外れる。柴尾さんはこの作品をまさに「激賞」された。この時代にこの作品が世に問われた意味を高く評価した。4年経った今、この作品の価値はますます高くなっているように思う。2014年の第1作「パディントン」もあわせて、未見の方にはおすすめです。

ところで、メルマ旬報がなくなると、コラアゲンはいごうまんの作に触れるにはどうすればいいのでしょうね。原カント君、よろしくお願いしますね。


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