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彦星誘拐 #毎週ショートショートnote

 「星乳業」は、3代目社長星敏彦により急成長を遂げた。敏彦が開発した「彦星アイス」は大人気で、直営店に長い行列ができる程だ。
 そんな中、敏彦の同級生天川は憎悪を募らせていた。二人は高校時代、同級生香織をめぐって争い、二人共振られたのだが、天川は今も敏彦を恨んでいた。

 天川は七夕の前日に敏彦の誘拐に成功した。「たっぷり身代金をとってやるぞ」
 だが天川の犯罪は、警視庁特捜班の活躍により呆気なく終わり、敏彦は解放された。

 事情聴取を待つ敏彦の前に、見覚えある人物が現れた。
「久しぶり」現れたのは今は警部補である香織だった。
 この日を境に、敏彦と香織は時々会って食事をするようになった。敏彦は再び恋心を募らせていった。
「俺と付き合ってくれ」
敏彦の告白に香織は言った。
「私は男性とは恋ができないの」
敏彦は肩を落としたが、思い直して言った。「じゃあ親友になってくれ」
 それから二人は毎年七夕に再会し、人生を語り合う親友となった。
(410文字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。

優しめのお題、ということですよね。そうですか、優しめですか、まぁわたしの実力の無さでしょう…(泣き言)


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