あめだま

あめだま

大きな あめだまを
飲み込んだ

なめていたのに 大きすぎて
待っていられなくなって
あめだまを 飲み込んだ

のどの中に つっかえる
でも 飲み込んだら もう戻らない

痛みを一点に集めて
のどが 熱くなる
静かに 少しずつ
溶けて下りていく

こんなにも
のどが深かったことに
気付かされながら

目の前のあの子に
渡そうとした あめ玉
渡したくなくなって
くちに入れた

でも 気付かれるのが
こわくて
あわてて 飲み込んだ

思っていたよりも
大きくて

あまりにも 大きくて
つっかえて
痛んだ

こんなにも
深く痛むのなら
飲み込まなければ良かったな

取り返すこともできず
味わうこともできず
ただ 痛みがなくなるのを
待っている

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