仕事でマイクロマネジメントをやる側の姿勢
新人のうちは1日のスケジュールを朝一で上司に報告することがある。
自分も過去に上司に報告していたことがあるが、これは非常に面倒くさい業務のひとつだった。
せっかくスケジュールを提出しても、「この作業にこれだけ時間かかるの?」「今日はこっちを優先して」と指摘されて修正が入る。結果的にスケジュールを作ってる時間が長くなってどんどん実業務の時間が少なくなっていく。これでは本末転倒じゃないか!と憤りを感じたこともある。
しかしいま思えば、1日単位でズバズバ指摘を受けまくった経験をしていて良かったと思う。上司のスケジュールの立て方を間近で学ぶことで、効率よく働いて成果を出すことの大切さを知ることができたからだ。上司は「すべてをこなすことなんてできないのだから、本当に大事な仕事に取り組むことが大事」と私のスケジュールを見ながら教えてくれた。
このようなマイクロマネジメントは、まだ仕事にうまく取り組めない社員に対しては機能する。目標を達成するにはどんなスケジュールを組めばいいのか。そのスケジュールを組むためには、日々どんな数値をチェックし、頭に入れる必要があるのか。成果を出すためにいちばん注力しないといけない業務とはなんなのか。このような視点を得るためには、マイクロマネジメントが必要な時期もある。
スケジュールの指摘を受ける側は「好きにやらせてよ」と思うかもしれない。しかし自分の力だけで成果を出せないのであればきちんと受け入れた方がよいと思う。
上司の立場からいうと、マイクロマネジメントはひとり立ちをさせるための通過儀礼である。これからひとりでも動けるようになって欲しいから、細かく指摘をして、自分の力で考える力を養成する。なにも揚げ足を取りたくてスケジュールにダメ出しをしているわけではないのだ。この期間を乗り越えたあとは目標数値を告げてスケジュールについては部下に任せる。マイクロマネジメントを通じて目標達成のための行動規範は伝授してあるので、あとは部下のやり方に任せる。「この子は目標達成してくれる」という信頼を得たことになる。
ただ、世の中にはやる意義を見出せないマイクロマネジメントもある。
例えば朝イチでスケジュール提出を要求してくる癖に、部下に対してなにも指摘をしない。このような人はスケジュールを提出させることが目的になっている。
ほかにも上司が毎日残業をしていて、「そもそも上司がスケジュール管理できてない」という事例もある。休日出勤も厭わないような人からスケジュール管理を学びたいとは到底思えないだろう。下手すれば、部下に対しても残業ありき・休日出勤ありきで目標達成する方法を強要してくる可能性がある。
そのため、マイクロマネジメントをやる側は「部下に対してフィードバックを行うこと」「自分がスケジュール管理できていること」が大前提となる。この2つができていない人からは、スケジュール管理を学ぶ意味が無い。教わる側としても、「あんたがスケジュール管理出来てないくせに偉そうに言うな」とムカいてしまうのは自然な感情だと思う。
学ぶべきは、業務時間内で仕事を終わらせて目標達成している人のやり方である。マイクロマネジメントをするのはいいが、当初の目的を忘れてはいけない。
マイクロマネジメントをするのは、部下が目標達成する力添えをするためであって上司の自己満足のためではない。このことを認識した人でなければマイクロマネジメントは上手くいかないだろう。
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