日々是雑感

雨上がりの週末の空
かすかな光をとらえたくて僕はとっさに窓を開いた
まばゆい光、風がスーッと部屋に侵入する
外が涼しくなってきたから僕も眠ろうかなって蝉が
あの空をかけていた羽を休めて地べたを這う
この夏も短かったなと君は思うだろう
あの夏の長さなんてとっくに忘れてしまったくせに
それは正確な記憶などではなく
通り過ぎた過去は分母分子の相対比較
同じことの繰り返しが幸せだと気付いたときに
僕たちは年老いて歩けなくなったとしても
より大切な何かを手に入れているかもしれない
目もつぶれ、腰が曲がり、杖によりかかっても
瞬間よりも愛しい時間の束が色褪せずにそこにある
それはきっと間違いのないことだと信じた今日
そろそろ風が秋を連れてくるころだ

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