全員に気に入られなくてもかまわない

お客の全員に気に入られなくてもかまわない、というのが僕の哲学でした。
店に来た十人のうち三人が気に入ってくれればいい。そしてそのうちの一人が「また来よう」と思ってくれればいい。それで店って成り立つんです。経験的に言って。

それって小説も同じことなんです。十人のうち三人が気に入ってくれればいい。そのうちの一人がまた読もうと思ってくれればいい。僕は基本的にそう考えています。そう考えると、気持ちが楽になります。

好きに好きなことができる。

昔、村上龍さんにその話をしたら、「おれ、そういうのだめだな。十人のうち十人が好きになってくれないといやだ」と言われました。人それぞれ、性格ってありますよね