理解

僕は思うんですが、「わかろう」「理解しよう」と思うからしんどくなるのであって、「わからなくてもいい」「理解できなくてもいい」と思えば、気持ちがとても楽になります。

大事なのはそれを、その物語を、自分の中に引き込めるかどうかことです。
あるいは逆の言い方をすれば、自分がその物語の世界にすっと入っていけるかどうかです。
もしそういう出し入れが自然にできるのなら、それでオーケーです。
何の問題もありません。それ以上わかったり、理解したりする必要はありません。

大猫と同じです。大猫を理解できなくても、大猫にもたれていると気持ちよいですよね。大猫にさわったり、大猫にさわられたり、そんなことをしていると、気持ちが和らいで、傷の痛みを忘れることができます。

小説というのは、物語というのは、本来そういうものなんです。暖かい大猫みたいなものです。
そうあるべきものなんです。わからなくてもいいから、そんなことは気にしないで、本を読むことを楽しんでください。