ゆがまないように、できるだけいろんなものをまっすぐにする

このサイトには「心を病んでいる」方からたくさんのメールが寄せられています。僕の本を読んでいる人に、とくにそういう方が多いのでしょうか? それとも全体的に世の中にはそういう方が増えているのでしょうか? わかりません。でもひょっとしたら前者かもしれませんね。
河合隼雄先生と昔よく話をしたんですが、僕の小説にはそういう傾向があるというようなことを、先生もおっしゃっていました。

考えてみたら僕自身、自分を治癒するために小説を書いているという部分があるような気もします。
自分がゆがまないように、できるだけいろんなものをまっすぐにするとか。
ゆがんだものごとの中を通り抜け、それから外に出ることによって、自分を回復するとか。もちろんそれだけではありませんが、そういうところもたしかにあります。
通過し、回復するというのが、僕の書く物語のひとつのテーマになっているかもしれません。もちろんこれは僕の私見ですが。