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【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難い

【今週のNewsピックアップ】
伊吹文明「国債発行は麻薬中毒」という妄想
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12843297820.html
本末転倒議員、古川禎久
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12843435178.html

日本の財政破綻論が厄介なのは、
ナショナリズムに訴えかけてくる点です。

多くの国民は、
自分の子供や孫、その先の世代に
「悪しき日本」を残したいとは
思っていない。

というわけで、
「クニノシャッキンのツケを、
将来世代に押し付けるんですか?」
「国債を発行すると、
将来世代が返済することになるんですよ」
といったレトリックが
パワーを発揮してしまう。

結果、自民党の「自称保守」に、
財政破綻論者が多いわけですね。

伊吹文明は、
エドマンド・バークの
「フランス革命の省察」を引き合いに出し、
「先の世代の残した有形、
無形の遺産、負の遺産の上に
私たちは今を生きており、
その中で私たちは何か良きものを加えて、
次の世代に受け渡していく。
多くの負の遺産を受け継げば、
次の世代の日々は困難の連続になります。
先の世代の遺産
に安穏と胡座をかいていても、
次の世代からは感謝されないでしょう。」
と、見事に正しい「保守観」を
語っていますが、
彼は政府の国債発行残高を
「借金としての遺産」
と認識しているわけです。

ちなみに、
バークも
「フランス革命の省察」において、
見事な「貨幣のプール論」で、
政府の負債について
「将来世代へのツケの先送り」である
と説明しています。

実際には、政府の負債
あるいは「純負債(債務超過)」の拡大は、
反対側で
国民の資産・純資産の増加になります。
政府の国債発行は、
国民の財産の増加になる。

何しろ、政府は国債を発行し、
支出するわけです。
その瞬間、政府の純負債が増え、
同時に支出された国民の純資産が
必ず増えるのです。

というわけで、伊吹や古川が
「将来世代へのツケの先送り」
と認識している国債発行は
「将来世代への純資産の相続」となります。

しかも、国債発行で
インフラが整備され、
各種の安全保障が強化されれば、
「将来世代に
多くの正の資産を受け継ぐ」
ことになります。

ところが、伊吹や古川の頭の中は
「カネ」で構成されており、
緊縮財政でインフラや安全保障が
崩壊したとしても、
国債発行残高を削減しなければならない
と考えているわけです。

無知で間違っている働き者は度し難い、
のですよ。

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