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自由業ですから 20191211

*写真は大英博物館のパブリックドメインからです。

昨日、仕事をお願いするカメラマンのMさんに会った。
人となりに加え、とても大好きなセンスなので、今回発生したプロジェクトに是非に!と、彼女を推薦した。女性的なスタイリングが求められるからだ。

彼女は丁寧に生きている、といつも思う。所作やたたずまいや持ち物に対しての心配りは、とても好感がもてる。
20年ほど前にいっしょにお仕事をして、それからのつきあい。

カメラだけでなく、食べ物周りのスタイリングも上手で、今回も大阪にパンの本を撮りに行くと言っていた。もうシリーズ9作目になるらしい。
こういう長いおつきあいが出来る、急に距離をつめない感じも、私が彼女を好きな理由だ。

今は、札幌と東京を行ったり来たりしながら、自分の好きな仕事をしながら、生活を成り立たせている。

「ミスドでバイトしてるんですよ、朝5時から9時まで」と笑っていった。

フリーランスの大変さは、好きなことをしているため、すべて自分に跳ね返ってくるということだろう。安定は難しいし、いつもが新しい現場、学ぶことは死ぬほどある。ルーティーンの法則も自分にしかない。私も右に同じ。

「札幌の方は記録写真なんで、暇なんですよ。ミスドはずっと前からバイトしたかったし」と笑った。

自作のピカチュウのドーナツも見せてくれた。

「相変わらず、どうやっても生きていけるって感じだね」と私が言うと、彼女は

「自由業ですから」と言った。

そうだ、そうだ、そうだった。彼女と会った二十年前にも、いやもう二十五年前には、私もちょうどスタートした頃だった。

そこそこ食べれて(食べれないときはたかる)、とても楽しかった若い日々。仕事のクオリティを落とさないようにしようと思うと、時給100円くらいになるほど、仕事をした。

楽しかったなぁ、そして、今も楽しい。

ご縁のあったところで、自分のやりたいことをする。相手にも喜んでもらうように、努力する。

私のまわりのフリーランスや自営の女性は、覚悟した、というよりは、好きなことを夢中にやっている間にここまで来ました、という感じかもしれない。自分もそうだからだ。

バリバリ、キラキラ仕事を優先にというよりは、ご縁の合った方に、そして自分の心が、作品に一番パフォーマンスをあげられるように、という自分勝手な人が多いかもしれない。

何が好きか、何に燃えられるか、人のペースではなくて、自分のペースで。

「そういえば、Mさん、何歳だっけ?」「40過ぎましたよー」「そうかそうか、意外と近かったんだね、年齢」「結婚もしてないし、子どももいないし、ほんともう」と彼女は笑った。

札幌への引っ越しは、自分の車で東京から出発したそうだ。運転している姿が容易に目に浮かぶ。

仕事は苦労があっても、楽しいほうがいい。

長いおつきあいになりますように。

彼女のinstagramとHPを貼っておきます。彼女らしい写真だなぁといつも思います。

https://matyunag.net/


*写真は大英博物館のパブリックドメインからです。
1973年に設立され世界中の貴重な資料が集められている世界有数の図書館の1つ大英図書館がFlickr上に100万点以上の画像を公開しました。画像は17世紀から19世紀にかけての資料をスキャンしたもので、公開された地図・イラスト・風刺画・彩飾&装飾された文字・壁画などは全てパブリックドメインであり自由にダウンロード・利用することが可能です。

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