登校拒絶

うちの小学校、わたしの時代はクラス替えが2年おきだったので担任の先生も2年連続受け持っていた。
階段から落ちた頃の1・2年生の時の担任の先生はとても優しいおばちゃん先生だった。
階段から落ちて入院していたのが春休みだったんだけれどもクラスのみんなに寄せ書きさせてお見舞いに持ってきてくれて、
友だちでもないのによくこんなこと書けるなぁとガッカリしたことは置いといて、
超過保護だったであろう母とも揉めることなく仲良くしていた。
母の人との距離感はすごいと思う。
本人は人間が怖くて嫌いなんだけど、周りが何かしてあげようと思うらしく、みんな何かしら母にしてくれる。
その弊害として今は人から頼まれてマスクを作りまくっているんだけど。
頼まれごとを断れない。
5・6年の時の担任の先生は、ショートカットで美川さんみたいな髪型をしていてツイードのスーツとかいつもきれいな格好をしていて、議員になってからの蓮舫さんみたいな感じの母より少し年上の女の先生で、
母に着なくなった服をくれたり普通に喫茶店で母とプライベートな話をしたりしてた。

3年生の時の担任の先生は釣りたての深海魚みたいな顔の女の先生だったけど、1学期早々産休に入ったので、臨時のお坊さんの男の先生が来た。
なので本業はお坊さん。
子どもながらにこの人ちょっとアレだなと思っていたのが、
授業中、黒板に何か書いてる時以外は教卓に両手を置いてこちらから見て右奥の角にちょっと乗せ気味にずっと股間を擦り付けていたこと。
お坊さんなのに毎週日曜日は教会の聖歌隊で賛美歌を歌っている謎な人だった。
たまたまその教会の先生が知り合いで遊びに行くこともあったので休日にこすり癖先生に会ってしまうたび、わたしが恥ずかしくなった。
この人こんな顔して授業中はずっとこすってる、と思うと面白恥ずかしかった。

4年生になって本来の担任が戻ってきたけど、母と非常に相性が悪く、
わたしとも相性が悪かった。
わたしに体育をさせるなと言う母と、他の子の手前どうのこうのと怒る担任と、それに挟まれるわたし。
あまり学校に行かないことに関しても自分の教育が悪いと思われるから休むなと言われ。
今に始まったことじゃないし周りはみんな知ってるし。というのも通じずやたら母と喧嘩してた。
どちらが悪いかと言えばこちらが悪いとは思うんだけど、周りからの自分への評価を気にしてるとはっきり言ってきたのはどうかと思ってた。
2学期だったか合唱祭があって、その伴奏者にクラスのみんなはわたしを選んだ。弾きたがってる子がいるので弾けばいいと思ってたけど多くがわたしを選んでくれたのでそう決まった。
なのに担任は、わたしが学校にあまり行かないからやめとけと言いだした挙句、他の子ではなく自分が弾くと言い始めた。
わたしにとってはどうでもいいことなので何の曲かすら覚えてないし、結局わたしが伴奏したような気がする程度の話なんだけど、
小学4年生に敵意剥き出しで接してくるので、大人って嫌な生き物だなぁと思っていた。

3学期が始まる前の冬休み、担任が大きな封筒を持って家に来た。
『もう学校に来なくていいです』と言われた。
封筒の中身は3学期分のテストだった。
我が家的にすごく面白い事件が起こった。
君、学校に来い言うてたじゃないか。
たまに学校来て100点取られると困るんですと。
公立小学校のテストなんてお勉強できないわたしが100点取れる程度のものなんだから仕方ない。
5年生からは音楽と国語以外100点取れなくなって、身内でこんなに勉強ができない子は初めてだと母と祖母から嘆かれた。

来るなと言われたところでこれまでのペースを崩すことはなく、学校が嫌いになることもなく、特に何も思わずたまに学校へ行った。
するといつも『まぁ!よく来たね!みんな拍手ー!!』と深海魚は言っていた。

変な人だったなぁ。

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