陰キャラブコメの好きなとこ(※大ネタバレ含む)
「陰キャラブコメ」というインディーズの恋愛風ノベルゲームがとても好きです!
去年の秋に発売されたPCゲーで、先日androidでもプレイできるようになりました。作者さん開発お疲れ様です(深いお辞儀)
過去にSNSで話題になっていたし、最近卯月コウくんなどの配信者さんがプレイされていたのでほのかにご存じの方もいらっしゃると思います。
私も以前開発中のツイートをRTかなんかで見ており、その後友人が「好きそうなファンアートがあるよ」と勧めてくれたのが陰ラブのFAだったことをきっかけにプレイし、最高やん!てたちまち大好きになりました。(ファンアートも最高でした)
キャラクターみんな魅力的で大好きなんですが、だいだいくんこと大橋大河くんのことが特に大好きです。
この作品の魅力を語っていらっしゃる記事は既にたくさんありますが、せっかくなので鬱漫画を描いているオタクとしてのご紹介記事を書こうかなと思った次第です。
と言うのも拙作を読んでくださっている方にとってはキャッチーなキャラ造形や「オタサーに君臨しろ」みたいなあらすじなどなじみの薄いノリが多い気がしていて、私からただ「オススメだからやって!」っつって何が良かったのかわかんなさそうで、もったいないので…
とはいえ、多分「鬱漫画を描いている人がすこった理由」みたいのでもうネタバレ感あるので、なんとなく色々察した方はもう、とりあえずやってください(PC版400円/android版500円、総プレイ時間4時間くらい)
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陰キャラブコメ(製品版) じょせふ電産
https://joseff0414.booth.pm/items/4210896 #booth_pm
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ネタバレも含みつつ、また個人の主観による感想も多く含むので、あくまでもいち個人のプレイ記くらいで見といていただければと思います。
あらすじ
大学3年のワイ(女性)は陰キャオタクが大好き。そんななかひょんなことから陰キャだらけのゲーム同好会の会長を襲名する。
そこで出会うアッパー系コミュ障だいだい、落ち着いた雰囲気の番井、花柄のシャツを纏うダウナーなash、なんか知らんけどいる陽キャの西村となんやかんやで愛を、やっていく……
みたいな話です。
せっかくなので自分が描いた絵で紹介さして❣️
(ashさんと西村くんの絵がちゃんとしたやつなくてすみません……)
ちょっとセンシティブなシーンがあったりするのですが、青年誌程度の「なんか…エッチなことになりそうだぞ!」みたいな描写を想像していただいてご判断いただければよいかなと思います。
あとインターネットのノリ(特に、悪いほうのインターネット)がいっぱい出てくるので、血液にインターネットが流れている方はより楽しめる気がします。
ここがすこ
こっからネタバレ!
・アホのSE
「陰キャラブコメ」という名の通り陰キャ側の目線で進んでいくのですが、陽キャが出てくるときに画面が警告色になりクソデカ警報音が鳴ります。
そのほかだいだいくんの笑い声の暗喩としてドアの開閉で軋む音が鳴ったり、会長さん(主人公)が大声出すときに象のいななきが鳴ったりします。わろてまうやんかこんなん。
スピード感のあるボケ、絶対おもろいので……
・アホの言葉選び
本編ずっと面白いんですが、導入からかなり熱いんですよ。
こんなことある?(この作品のおかげでシャカパチという言葉を知りました)
登場人物みんな語彙が面白いんですが、特に主人公である会長さんがヒーーーwwwてなるくらい良い。パワフルすぎる。
・みんなの生きづらそうさがガチ
ぜひ実際プレイして知ってほしいので詳細は省きますが、ルートが存在する4人全員が「ガチの生きづらさ」を抱えていて、その解像度に感動します。肉体の器、周囲に理解されないこと、保護者に肯定されないこと、「進研ゼミでやったとこだ!!!」てことが連続する。
あの一見人生楽しんでしかいなさそうなだいだいくんにすら多大な苦しみと諦観の念がある。
「一見気丈そうに見える人にも悩みがあり、救われたいと思いながら必死に生きている」
みたいなことの表現方法がすごく良くて、やさしくて、好きです。
・「ゲームである」意義
本編のあるシーンで、作中内に登場する架空の同人ゲームについてだいだいくんが「あんなゲームプレイヤーの操作なんてクリックするくらいしかない」みたいな明らかにこの作品のセルフ揶揄をする描写があるのですが、個人的にはこの作品は「ゲーム」ならではの体験というか、「ゲームであること」に意義があるように感じました。
うまく言えないのですが、「プレイ体験」でしか味わえないやつがある気がします。選択肢を選んだり、どのルートに進もうかなと思うこと自体が体験に含まれているというか。
めっちゃメディア化してほしい反面、ゲームという媒体がベストすぎてつらいです。ぬるんぬるんに動くだいだいくん見たいよ。コミカライズもやりたいよ(急に自己アピール)
制作者のじょせふ先生はそこまで織り込み済みなのかなと思うとヤバすぎる。IQ100億ある?
・オチがやさしい
ひとしきりやったあとのトゥルーエンドみたいなのが存在するのですが、本当にびっくりするほど優しくて、寄り添っていて、感動というほかなかった。とにかくものすごくよく考えられているのだろうなって…
すげーってなった(急に失速)
みんなもやってくれ「陰キャラブコメ」
意気揚々と書いた割に全然うまいこと言えなかったので、400円なので本当にやってください。
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陰キャラブコメ(製品版) じょせふ電産
https://joseff0414.booth.pm/items/4210896 #booth_pm
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パワフルなインターネットしぐさのバーゲンセールのようなノリが続きますが、最後までシナリオを読み終えたとき、とっても優しい気持ちになれます。
この作品と出会うことができてよかったです。制作者のじょせふ先生に感謝……
ちょとばかりの考察「会長さんの善意について」
以下、過去にメモしていたけどちゃんと載せてなかった考察をこの場に供養します……
今までもネタバレだったけど、特にお話の終盤のシナリオについて触れています。
クリアしてからしばらくの間、会長さんが「善意を下心で舗装している」と表現したことについて、なんというかもっと自分を良く見せるというか……「善意」のほうに気持ちを向けられる言い方があったのではないか?て思っていた。
変な言い方だけど、もっと綺麗事を並べてフィクションっぽい良さでストーリーを締めくくることができたのではないか?という。
でもそれすらも会長さんの善意で、意図的に選んだ表現なのかな?と思った。
という話です
・性質が善である人にとっての「善意」
まず、会長さんの中の「他人に提供する善意」は「①純粋に他人に優しくしたい(隣人愛)」が根底に敷かれつつ、相手によって「②この人と仲良くなりたい」が存在するということなのかなと思った。
会長さんは多分根が善で、他人に優しくすることでコミュニティを形成できてきた人なんだと思う。
序盤での「困ってる陰キャの方をほっておけないっすよ!」て丼さん助けるシーンも、多分あんだけボコられてたら加害者が陽キャ被害者が陰キャじゃなくても助けただろうし(ストーリーの演出上&会長さんの「陽キャを否定し陰キャを愛す」性格を強調する意図での演出だと思ってる)。
で、そういう人にとって「特定のものごとに強く興味を持つこと」、言い換えれば動物の本能というか、「知性以前に遺伝子レベルで備わっている欲求」って、「理性でコントロールできる範囲に限度があるもの」みたいな認識をしている気がする。
自分といういち個体にとって嫌なもの、苦手なものを「嫌い、好きじゃない」と吐き捨てることを無慈悲というか、思いやりに欠ける後ろめたい行為だと思っている、みたいな。
・「善意」を「善意」として提供するために
そうなると、好きなものをいつも近くで感じていたいと思うことにも「好きだから他のものよりも贔屓している」みたいな、ある意味の罪悪感を覚えてしまう。
好きな人には優しくしたいとなると、
・「あらゆる他を平等に愛したい利他的な自分」
・「好きなものは特別に扱いたい利己的な自分」
この2つの矛盾で苦しむことになってしまうので。
その認知的不協和を、「私がそうしたいんだから従え……」みたいにあくまでも利己的な部分を強調して茶化すことで
①「あなたに優しくしたい気持ちには下心も含まれている」と謙譲しつつ、
②とはいえ自分のその善性に酔わないようにセルフで諌めつつ、
③「私がしたくてしたこと」=「何か問題があったとしても私から言い出したこと」=「相手の選択の責任をも自分が背負う」
ていう、善じゃなきゃなんなんだよみたいな、とんでもないBIGBIGBIGLOVE表現をわざわざ選んでいるってことなのかなって……
・ということで……
会長さんは陽キャがマジで嫌いだが、明らかな敵意を向けるのは丼さんを浦島太郎みたいにいじめてるやつらとか通りに資材広げて通行の邪魔してるやつとか(あと西村くん登場シーンとか)くらいで。
好き嫌いがハッキリしててスケベ心ありありながらも、行動はあくまでも理性的で慈愛に満ちている会長さんのことがもっと好きになってしまった。ヒエラルキー最頂点のギバーすぎる。憧れちまうよ……
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最後に……私が大好きなだいだいくんと会長さんの絵(100000000パー、趣味)を載せます!
みんな、是非プレイしてみてね〜❣️
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