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【潜在保育士さん復帰応援】Write.3 「男性保育士の必要」子どもにとって保育園の先生の存在とは。

こんにちは。
保育園の園長をしているSanaminaです。

今回は「潜在保育士向けブログ」第三弾です。
みなさんのお子さんが通っている保育園に男性保育士はいますか?
みなさんが働いている園には男性保育士はいますか??
昔から今も変わらず女性の保育士が多い保育園。

数少ない貴重な男性保育士をテーマにお話ししようと思います。


○男性保育士の割合

厚生労働省が発表している「保育士登録者数」を見ると令和2年度の時点で
女性保育士約158万人に対して男性保育士は約8万人です。
圧倒的に女性が多いです。
また、厚生労働省の別の調査では男性保育士の離職率は女性と比較すると高く、女性が7.9年なのに対して男性は6.2年です。
ただでさえ、貴重な男性保育士なのに離職率も女性より高いとなると現役で働いている男性保育士はさらに少なくなりますよね。

○男性保育士の離職理由

離職に多い理由は
「賃金が希望と合わない」です。
処遇改善などで徐々に上がってきているのも事実ですが、異業種と比べると低かったりで将来を考えると早いうちに別業種へ転職を考える人が多いようです。
女性保育士よりは男性保育士の方が年収は高いようですが、異業種と比べると低いです。
女性が多い職場で、上司も先輩も女性がほとんどで、そんなか働くのは居心地が良くもなかったりもあると思います。

○男性保育士の皆さんへ

もし今、保育士を辞めようと思っている人がいたらこのブログを読んでください。
私は今までに何人もの男性保育士を見てきましたし、一緒に働いてきました。
辞めた人もいます。
続けている人もいます。
園長先生になった人もいます。
家族を養っている人もいます。
ステップアップもキャリアアップも男性も女性も変わりません。
いろんなパターンの男性保育士の働き方や男性保育士ならではの悩みについてをお話ししますので、少しでも今の悩み解決のきっかけに繋がったり、働き方の改善に繋がればいいなと思います。

○悩み、心得、自分にしか出来ないこと。

男性保育士だからこその悩み、心得はそれぞれに持っているものです。
男性保育士だからこそ出来ることもあります。
改めて書きますが、私は女です。
「女に俺たちの気持ちがわかってたまるか!!」と言われればそれまでですが、私は男性保育士を応援&歓迎側なので許してください。

case1 運動が得意な5年目保育士

新人保育士としての1年目の時。
幼児クラス担任を任され、補助として保育を学ぶことが多かったAさん。
書類が苦手なうえに期限が守れずよく注意を受けていました。
男性の中でも体ががっしりとしているAさん。
子ども達はそんなAさんに対して怖がることもなく、むしろ大人気でした。
体によじ登ってアクロバティックに遊んだり、戸外では本気で鬼ごっこをしたり、サッカーをしたり。
毎日のように遊びに誘われていました。
そんなAさんは運動が得意でした。
2年目からは園のカリキュラムの一つである「体育」を任されることになりました。
もう俄然やる気です!!
モチベーションアップにも繋がりました。
そんな感じで保育も体育も経験を積み、少しずつ自信も持ち始めます。
そこで少し悩みが出始めます。
「子どもへの声掛けの仕方」「区切りの教え方」です。
自分が子ども達に対して強い口調になっているかもしれないと。
声の大きさ、声色と大きな体も相まってそんなふうに聞こえるかもしれません。
ここは、幼児対象の体操教室やスポーツクラブではなく保育園です。
慣れからなのかなんなのか、周りから聞いても強く感じることもあり注意を受けたこともあったそう。
ちょうどその頃ニュースでも「不適切保育」が問題になっていました。
自分の保育を振り返ります。
声の掛け方を意識して保育するようになりました。
意識することは大切です。
今も体育を教えながら、自分にしか出来ない保育を続けています。

case2 乳児担任の8年目の保育士

男性保育士で乳児クラス担任は珍しいのではないでしょうか。
1歳児クラスを任されているBさん。
制作は苦手ですが、苦手なことは他の先生に助けてもらいながら保育をしています。
どうして男性保育士は乳児の担任にあまりならないのでしょうか。
泣いてしまうことが多いんです。
赤ちゃんは「母」から産まれます。
これはどうしたって変わりません。
そのため、やはり女性に安心を感じやすいです。
保護者の方たちも赤ちゃんには女性の保育士が良いと考える方も多いかと思います。
でも、1歳にもなれば動きは活発になるし、元気いっぱい体力いっぱいの男性保育士との関わりを子ども達はとても喜びます。
イヤイヤ期に入っても「B先生がいいいーー!」と大泣きする子もいるほど。
その度にB先生は鼻の下を伸ばしながら「ありがとう!」と言って向き合っています。笑
そして、B先生はとにかくよく動きます。
子どもが「お鼻出た」と言ったり「ウンチ出た」と言ったり、そんな時は、秒で動きます!!
これはB先生ならではです。
女性ばかりに囲まれて、毎日のように注意は受けているBさん。
それでも、それは悩みになっていないよう。
素直な性格のため、しっかりと受け止めます。
かといって次に活かせているのか、次は改善されるのか…というとそうではないのが現状ですが、Bさんにとっては働きやすい環境のようです。
そんなBさんは近々結婚することとなりました。
このまま保育士を続ける予定です。

case3 園長先生になった保育士

園長先生になることが目標だったCさん。
スーパー主任と呼ばれるほど、その時の園長先生の右腕として働いていました。
勤務時間なんて関係なし!!
自主的残業させてください!!
そんな感じで仕事が全てのCさん。
もう何年も前のことですが、主任だったCさんは、職員に対しても子どもに対しても少々厳しめでした。
考え方としては教育に重きを置いた保育という感じでしょうか。
スーパー主任を経て念願の園長先生となったCさん。
ここまでくると
男性だから女性だからという囚われは無くなります。
でもCさんは自分が男性だからこそ、男性保育士の悩みがわかりますし共感できます。
気をつけるべきなこともわかります。
私からしてみれば「気を使いすぎじゃない?」と思ってしまうようなことでも、
かなり気を使っています。
「おむつ替えや着替え、午睡の寝かしつけ」は特に気を使っているようです。
今までの経験上、保護者の心配な声を聞いてきたのでしょうね。
そしてC先生の自分だからこそ出来ることは
「パネルシアター」です。
パネルシアターに魅力を感じたCさんは、ハマります。
何十種類のパネルシアターを持っているし、オリジナルのパネルシアターもあります。
時には職員に向けてパネルシアター講習もしています。
「パネルシアターといえばC先生」といわれるほどです。
ほかの誰にも出来ない特技になるくらいまで極めたCさんならではの保育の強みですね!

case4 コミュニケーション苦手な保育士

人と話すのが苦手でコミュニケーションを取るのが難しいDさん。
人間関係で悩み職場は変わりながらも保育園で働き続け、今の園に落ち着いています。
今も変わらずコミュニケーションは苦手です。
書類も苦手です。
制作も苦手です。
忘れっぽいです。
でも、自分で苦手なことは理解しています。
なので自分の目標にも必ず掲げます。
定期的に園長と面談をして振り返りながら反省をし、アドバイスを受け入れてちゃんとその目標は達成しています。
制作も良くなってきたと一緒に組んだ先生が話していました。
お迎え時の保護者とのコミュニケーションも苦手ですが、自分なりに「何かエピソードを話そう」と意識しています。
そんなD先生は、子ども達に遊ばれています。笑
D先生の言うことは子ども達はあまり聞きません。
でも、行事の時はまとまってくれるんです!
子どもが大人なのか…笑
これはこれで、D先生と子ども達との関係の築き方なのかなとも思います。
だって子ども達はD先生のことが大好きだから。

保育は1人ではできません。
子ども達があまりにもまとまらない時や区切りが曖昧すぎる時はサブの先生がしっかりと支えます。

そんなD先生。
得意は絵本の読み聞かせだと自身が話しています。
まだまだではありますが、自分の得意を持っていることは素敵なことだと思います。

♯ 離職した保育士

これまでに数人見てきました。
・彼女の元へ行くため
・園を変える
・異業種に行く
の理由が多く何かの不満が一番の原因という人は少ないような気がします。
その後、その人たちがどんな人生を歩いているのかはわかりません。

♯ 保育士としての将来性

4人の男性保育士のケースをお話ししましたが、私が出会った男性保育士はまだまだいます。また機会があればお話ししたいと思います。

一般企業に比べると賃金が低いと言われていますが
上を見ればキリがないですし下を見てもキリがありません。
男性の園長先生はたくさんいるし、家族を持っている男性保育士もいます。
自分がこの仕事が好きかどうか。
この仕事で生きていけるかどうかです。
保育士だから将来が見えないなんてことはありません。
まずは今よりもスキルアップをしていきましょう!!

○子どもにとって保育園の先生とは

子ども達にとっては先生が男なのか女なのかはあまり関係ありません。
年長さんにもなれば性別を理解し始めますし、着替えなどにも配慮が必要ですが、
日常の保育に男性、女性は必要ないんです。
現に、髪が短い女性保育士に
「先生って男の子??」と真面目に聞く子だっているくらいです。
女・男で見ているのではなく、「この先生はこんな先生」として見ているんです。
だからこそ、自分の持ち味を持っておきたいところです。
気にするのは、保育者側と保護者くらいです。
くらいです。と簡単に言いましたが、大きなネックですよね。
ですが
子どもを第一に考えてください。
子どもにとってあなたは必要です!!
自信を持ってください。
この4人の男性保育士、苦手なこともありましたよね??でもその分自分にしか出来ない得意なことをたくさん活かしています。
苦手なことがあるのは女性の保育士も同じです。
男性保育士は正直なのでそれが周りに見えやすいだけなんです。
本当に一生懸命です。

このブログを読んでくれている保護者の皆さん、男性保育士も頑張っているんです!
お迎えにくるパパ達、男同士で気さくに話して見てください。
みんな一生懸命に子ども達のことを考えています。

今回のお話はこれでおしまいです。
また、次のお話でお会いしましょう!


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