【Shadowverse】狂乱ヴァンプ覚書

 先日、新弾「Dawn of Calamity」がリリースされ、狂乱軸のヴァンパイアが環境トップクラスに強いデッキとなった。

 事実、盤面処理能力、展開力、回復力、リソース勝負、ライフレースの速さ、どれをとっても一級品で、OOT期に環境トップだった狂乱ヴァンプと比べてプレイングの要素は少し減ったものの、完成度の高いデッキだと思う。

 このデッキを数日回して感じたこと、またレシピを調整していて思った内容などを備忘録的に記していくので、同アーキタイプやそのプレイ自体、もしくは対面でなかなか勝てなくて困っている人などは読んでみて欲しい。

 もしくは、自分よりも上位のプレイヤーは五万といると思うので、間違っていることや感じ方の違いなどがあれば遠慮なくコメントやツイッターへのリプライをください。


レシピと採用理由

画像1

■ルージュヴァンパイア
 1コストで自傷、狂乱後は1コスト3点除去且つ回復という強力なカードなので迷わず3枚。
 先1で投げて踏む環境のカードはロイヤルの《威風の団結》かドラゴンの《原初の炎熱》、よほど手札のよいウィッチの《ナイフトリック》くらいであるうえ、これを踏むと相手のデッキに無駄ない動きを少し与えてしまうため普通に良くないと思うので一考すべき。
 後1は個人的には3ターン目以降に別のカードと組み合わせて投げることが多い。

■鮮血の首飾り
 1コスト自傷1ドロー3点回復カードは黙って3枚。
 ドローのタイミングが1ターン後なので序盤は優先的に置いていきたい。マリガンでは絶対キープする。
 中盤以降に回復を無駄なく使うため、特にウィッチ・ロイヤル・ユリアスを引けているミラー対面などは温存することもアリ。

■ラミエル
 ミラー後手捲り用の札なので迷わず3枚。
 ミラーは先に10PPに到達したほうが勝ちのゲームなのでその確率を少しでも上げるために採用。また、4ターン目に進化をして5ターン目にユリアスのスペルを3枚全部使用する返しもできるので非常に強力。
 先攻時やダブついたラミエルは《テラーナイト》のコストにもできる、美味しいところだらけのカード。

■闘志の人狼
■デコレーションデビル
 2/2/2自傷カードなので黙って3枚。中盤以降の打点の押し込みや4点回復は非常に強力で、いつ引いても困らないカードなので枚数を減らす理由がない。

■ダークオーダー
 2回自傷出来て2枚ドローすることができる、このデッキの最強格のカード。3投以外ありえない。

■終幕の吸血鬼・ユリアス
 このデッキの核となるカードなので確定で3枚。それ以外ありえない。
 進化はダークナイトの直接召喚と合わせてPP5以上で進化するのがベスト(先5or後5)。ダブっている場合は後4で進化しても良い。

■夜天の吸血鬼
 いつ何枚引いても困らないので3枚。正直このカードの枚数を減らしているレシピは何がしたいのかわからない。
 序盤は1枚で2回自傷できる上にエンスナ2回ができるハイパーテンポカード。中盤は確定2盤面除去且つ2点回復の強力カード。終盤はフィニッシャーに。常にスキのないカード。
 ミラーにおいては自身のスタッツの低さから相手のカードを盤面に残すことが多く、バーンも入れやすくなっている。

■煉獄のダークナイト
 1~2枚。素引きした場合は割り切るとして1枚のみ採用。でも使用感的には2枚欲しい(枠が無い)。
 基本的には後4のユリアス進化が無いときの盤面の押しつけか先5でユリアスの横に添えるように動く。先4で動けるときは動いても良いがリソース差に注意。

■デモンディーヴァ
 2~3枚。
 ヴァンプ対面で相手が盤面にフォロワーを残さないように動いてくる上に、環境的に強く動けるカードでもないので枚数を減らした。とはいえ、後4でテンポを保ちつつダークナイトを横に添えて動けるのは強力かつ、相手の大悪鬼を1枚で返せたり、8PPで二連打して《ダークエンペラー》を綺麗に返せたりできるのは魅力的。

■悪魔の令嬢
 2/2/2自傷カードとしても強力、狂乱後効果も強力なので確定3枚。
 ミラーではできるだけ盤面に残さないように動く必要があるため、敢えて損するように盤面を処理することも必要だったりする。

■蹂躙のデーモン
 1コスト1ドローカードなので3枚。
 狂乱時効果は盤面を処理しつつ進化込み6点バーンを飛ばせるので、押し込みリーサルなどに使うこともある。

■ゼノ・ディアボロス
 2~3枚。
 ミラーは被ると弱いし、基本的に後引きで良いので2枚のみ採用。
 結晶として置くことはミラー以外の対面の先攻時かほとんどの対面の後攻時くらい。基本的には7ターン目以降に出して進化して自滅、そのまま効果を使う。このデッキだとほぼ9点バーンは確定する。《テラーナイト》と合わせると進化権が切れた後でも自滅でき、11点の確定バーンを飛ばすことができるため、ウィッチ対面ではほぼ必須の動きとなる。

■百獣の大悪鬼
 黙って3枚。

■まどわしの魔狼
 2~3枚。
 枠が無いのと、アクセラレートの条件がややきつめなので1コスト自傷カードではあるけれど優先度の兼ね合いで2枚のみ採用。環境に合わせて《デモンディーヴァ》と共に枚数が変動しそう。
 1コスト確定除去は非常に強力。目指せるなら後4《ラミエル》進化+ダークナイトと合わせたい。


不採用カード

■ダークエンペラー
 強く打てる対面が少ないこと、不利対面のウィッチに対して《エクシードブラスト》の的にしてしまうこと(特にそもそもウィッチはこれを簡単に処理することもできる)から採用を見送り。
 1枚で強力にリーサルまで持っていける性能は捨てがたいが、結局出さずに終わることや《テラーナイト》のコストにすることが多かったため、デッキから抜けていった。

■鋭利な一裂き
 ぶっちゃけめちゃくちゃ欲しいと思う瞬間がたくさんあった。でも枠が無いので見送り。《まどわしの魔狼》または《闘志の人狼》と入れ替え候補か。

■クリムゾンウォー・ラウラ
 渇望3回はこのデッキだと容易に達成できるが、正直強い瞬間が無いので《デモンディーヴァ》のほうが優先。

■血の取引き
 《ダークオーダー》の下位互換なので不採用。ドローソースのかさ増しという点ではピン程度なら採用候補か。

■蝕む殺意
 環境的にタフ3が多く、横展開してくるデッキも多くないため不採用。《テラーナイト》が上位互換的な役割を担っている。


マリガン

 対面・先後を問わずユリアス全力。ドローカード3種のうちどれかは確定でキープする。先攻ならドローカード+夜天のセットもアリ。
 ミラーの後手のみラミエルも探しに行く。あればキープ。


立ち回り

 どの対面でも基本的には相手に盤面を残させることを優先する。盤面処理に長けたカードが多いため、全処理もほぼ苦ではない。強いていうなら《クロノウィッチ》がきついところではあるが、そもそもデッキパワー的にほぼこちらの有利なので問題ない(相手がその軸だとわかった場合は《テラーナイト》を温存し、《テラーナイト》+大悪鬼で全処理する)。
 ミラー対面ではとにかく盤面に残さないことを念頭に置く。そうすることで相手の《デモンディーヴァ》によって9点のライフ差をつけられることを避ける。また、《悪魔の令嬢》によっても最大9点のライフ差をつけられることを阻止できるので、盤面は空にしておくことを意識する。《テラーナイト》は盤面を空にしつつ(ユリアスだけは残るので注意)、相手に3点バーンを入れられる超強力カードなので、積極的にユリアスに進化を切っていきたい。

 ユリアスを後4ではなく5PP以上のタイミングで進化すべき理由は、2回自傷カウントを稼げるのと、付随する効果が強力だからである。
 特に《ドレッドオーラ》によるダメージ無効は強力だが、このデッキは回復手段も豊富なため、わざわざほかの強力な効果を手放してまで最優先で使用するカードではないと思っている。可能なら最優先で《ナイトメアタイム》を使用したいが、このカードは盤面に触れないカードのため、後4で使用するにはあまりにも悠長すぎる。それならば、後5にとっておき、後4は2コストのカードのプレイに専念したほうが、相手の先5の盤面もユリアスで返しやすくなる。
 また、ユリアスをPP5で進化するため、最低でもその直前の自傷回数は5~6でとどめておくと良い。そうすることで、先述のとおり、ユリアス+ダークナイトの盤面を作れ、次のターン以降に余ったカードをプレイしやすくする。
 《テラーナイト》は手札を3枚消費するので、もともとの手札枚数的に先攻でマナカーブ通りにプレイしている場合、手札が少ないことが多くなる。よって、手札にドローカードがほとんどない場合などは、あえてパスをして手札を温存しておくプレイも必要になる。この時、自傷回数を5で止めておくことも留意すれば、そんなに無理して自傷しなくて良いということもわかると思う。


最後に

 このアーキタイプはほぼどのデッキに対しても対応力が高く、今後横並べのデッキが出てくればAOEの枚数なども加味してもほぼメインギミックを弄らずに構築することができると思う。しばらくは環境に居座り続けるデッキなので、理解度を高めておくことに越したことは無いと思った。
 ウィッチに対して無力すぎるので、大会などウィッチが多く想定される場では一裂きを入れるなど、バーンで押し切れるような構築にしても良いかもしれないと思った。

 今期、意外とどんなデッキも理不尽感が無くてとても楽しい。撤退ミストリナだけは本当にしょうもなくて面白くないけれど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?