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サウダージ

23年前のちょうど今頃、私は、父方のいとこ、と付き合っていた…約1年弱ほど。

あのころ上京して、なんとなく、母から、彼の携帯番号を聞いてたので2ヶ月はメールのやり取りのあと、仕事が決まった6月時点で、じゃあ、と、彼がバイトしていた渋谷の楽器屋で待ち合わせ。
店に向かいすがら、小学生のとき、彼に恋の告白された事をおもいだした
…28歳か、少しはいい男に、なった?かな

…いや、なんのことはなし、ただの純粋なギターを愛する長身のロン毛のギターオタクになっていた
彼は私を見て、たじろいで照れていた、そりゃ、時間が経ったしね私、君の初恋のひとだし、まあ、多少は綺麗になった?笑
私的には、もっと、カッコよくなったの設定だったのに、まあ、現実はね、所詮、従兄弟だし。

それから、私の仕事場も新宿だし、たまに呑みに行くようになった。
電話も、ほぼ毎日してくる
一人っ子だから仕方ないか…
なんか、ナヨナヨしてる感じにイラつきを思い、変わったほうがいいよ、そうじゃないと、彼女できないよ、なんて次第に私も姉目線で、家出たほうがいい、仕事を変えたほうがいいとか、お節介やきに。

7月の終わり、いつものように、渋谷へ呑みに。
つい、ほろ酔いで彼の腕を掴んでしまった。
慌てて離したら、「いいの!掴んでて!…」
「好きなんだ…」
好意を持たれてるのは、なんとなくわかってた。
だから、思わせぶりな態度を、所々取ってしまっていた自分もいた。

「…いとこ、だからなぁ…」と呟いた私

ふと彼を見たら、涙を流していた。

つづく


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