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日々雑感

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#高齢者

おじいちゃんはハーレーに乗って

急に春めいた陽気になりましたが、朝晩はまだまだ寒いですね。 春が近づいても、入院中の患者さんは家族と面会したり外出したりすることはまだできません。 入院が長引くと、ただでさえ認知症が進んでしまうのに、家族に会えないとなおさらです。                        認知症ケアのなかに「回想法」というものがあります。 長寿科学振興財団では「回想法とは、自分の過去のことを話すことで精神を安定させ、認知機能の改善も期待できる心理療法」と定義しています。 具体

コロナ禍で見つけた「癒しの一場面」

何日も家族に会えない寂しさからか、リハビリや食事を拒否したり、部屋から出たがらない日も増え、 「このままでは歩けなくなってしまう」と、皆が心配していたおじいちゃんがいます。 それがある日突然、自分から部屋を出て歩き出すようになり、 「もしや徘徊が始まってしまった?」 とハラハラしながら周りが見守っているうちに、 おじいちゃんの「とある行動」にスタッフは気づきました。 おじいちゃんは、 お昼ご飯のあとデイルームで一人たたずむ、 新しく入所してきたおばあちゃんに会

おばあちゃんになったら、かわいい小さな女の子のようになりたい

病院や施設で長年働いていると、高齢者の看護や介護は、高いスキル必要なうえに体力と精神力がいる仕事であることはよく理解しています。 けれど、自分は実際に夜勤をしたり処置をしたりおむつを替えたりといった、看護、介護の仕事をした経験が無いので、本当の大変さは分かっていないことも自覚しています。 患者さんの中には、認知症のために暴言を吐いたり徘徊をしてしまったり、スタッフをとても困らせる方もいらっしゃいますが、 同じ認知症でも、そぶりや物言いが、幼い女の子や男の子のようになる方