MASSARAのあれこれ

※本編の内容や演出に触れています。観劇後に読むことを推奨します。
※いろんな「説」に対しての考えとか、歌詞やセリフのつながりというよりは、考えを巡らせる、登場人物の人柄や関係性に想像を膨らませる材料を沢山おいている感じのメモ。

★要約が苦手すぎるので、太字のところだけ読んでいただいても👌★


【舞台の展開に沿ったメモ】

OP

初日、幕が開いていって舞台のど真ん中に立つ侍6人を見て本当に嬉しかった。少しでもこの景色を目に焼き付けるぞと意気込んでいたのに視界はゆがむから薄くまばたきしてやりすごした。
・re:start:侍の曲だったらいいなあと思うくらい本当にいい曲で…(数か月後のJASRAC検索を楽しみにしている)。Bメロの音が取りづらそう(正確な音に当てにくそう)だからやばこんぴ大変だなあと思って聞いていた(後半日程に入ったら大分安定していた)。1番Aメロで階段を降りてきて、中央で片膝立ちみたいになる矢花くんの体勢が好き。滞空時間の長い、飛び出す絵本みたいな振り付けが今までの侍ではあまり見てこない動きで新鮮だった。
・1曲目→2曲目の切り替わりで息を整えている侍6人の衣装(背中)についているスパンコールが、肩の上下できらめいているのが好きだったりする。
・MASSARA:侍みんな声がいいなあ~低音が心地いい。れあたいが同じセリフをリフレインするのが好きな人間は確実にいるだろう。りねぽんのラップは良いに決まってるので勝ち確定演出みたいなもんなのですが、初日に今野さんもラップするの?!とビックリした。歌声において今野無双すぎる。あとヒットの強い曲を踊らせたら、個人的には大光ちゃんと克樹くんが相性いいなあと思った。下重心で軸がぶれない二人。二人がセンター割で踊るパートも好き。2番で大光センターになって空間をあやつるような動きが2回くらいあるんだけれど、どちらも帝王然としていてかっこよかった~。あと2番のBメロで後ろから階段のトップに足かけて前にズズズ…と出てくる矢花・孤高・黎さん好きすぎましたね。夜明けだ~~~~~(矢花くんという存在に黎明時を重ねるの大好きマン)
MASSARAの歌詞「Red,Yellow,Green,Blue」
赤緑青(RGB)は光の三原色(中心が白)、赤黄青(RYB。現代技術だとCMKのほうが頻出か)は色の三原色(中心が黒)。物語中にも出てくる4色で白黒含む色を生み出す。

1.SAIKAI

・梨をわざわざ剥いて切ってくるカズトが好きすぎる。つまようじをLINEグループの人数(6)より多く入れてくるカズト。ケイのおばあちゃんが病院に来てると思ったのかな。甲斐甲斐しくて気遣いの人で好きだ。(私はやばぽんが好きなのでMASSARA後から例年より多く梨を消費している)
・なんで梨なのか論争。皮つきなら色の見え方が大多数とちがうことの根拠になるかと思ったけれど、皮剥いてあるんだよねえ…お見舞いならりんごだと思うよね。
・タカのアドリブ、私は毎度楽しい回にあたったんだけれど、入らなかった日のレポを見るとたまに”中の人”が強い日があって、見る人によってはここが苦手な方もいるんだろうなあと思ったりした。とはいえ佐々木大光さん毎回ひねり出してた、個人的には面白かったです。あくまでも「ケイ」として踏ん張って突っ込むケイもいじらしかった。
・梨もぐもぐしてるのにみんなセリフ聞き取りやすくてすごいな~と思った(特に今野さんが上手かった)。
・ダン「なんかいった?」のあとに顔を横にぷるぷると振るカズト、かわいすぎゆ
・初回はケイばかりみてて気づけなかったんだけれど、ハルキからカメラを受け取ったあと、カメラを観察してどんどん曇っていくカズトの表情が大大大大大大大大大好きです。

2.ASEMIZU

・りんちゃんに何かしらをぶつけたり、下に落としたり、振り回したり…という動作が多いので、りんちゃんの体力や筋力だけではなくて、りんちゃんと無所ゴゴキ達の間に信頼感がないとできない演出だなと思った。
・ダン「みんなが大学行った年」と言っているから、言及されてはいないけどケイも進学はしてると思う。(仮に見え方が違ったとしても、特性に配慮してくれる大学、教授はいる(はず)なので。スライドの色工夫したりとか)
・カズト「どーも、エリートです(メガネクイッ)」でケイちゃま毎回嬉しそうにニヤニヤしていて、こちらまでニヤニヤしました。
・就職祝いでダンに渡される黄色いお花、ガーベラかなと思っていたけど次の日しっかりみたら八重咲みたいな感じだった。ガーベラ八重咲なのか、別のお花なのかどっちかなあ。ちなみにガーベラの花言葉は「希望」「前進」。黄色だと「親しみやすい」「やさしさ」がある。
・ケイとカズトはフェンスや現場をしげしげと見つめていて、状況を観察したい性格、普段6人でいる時も一歩引いてる二人なのかな~と思ってみていた。
・音に合わせてジャンプしたり、ヘルメットをダン以外の5人にポコポコはめてたり、視覚聴覚ともに楽しかった。
・ケイ「ダン、お父さん体調どうなの?」←カズトがおい…って静かにケイに気を遣えと促している。本来のカズトは(あるいは大学進学後のカズトは)言うべきでないことを引っ込める思慮深さも持ち合わせている人なんだな。
・汗水流して?たらして?どっちも正しい用法のはずだから、カズトの訂正癖がここだけ引っかかった。絶対的に正しいことと、その場での最適解は異なるものだよ、という描写なのかな?(OWARENAIの病室を抜け出すシーンでも近しいことを思った)

3.FUTSU

・導入部でリョウちゃんが少し膝を曲げてPCをカタカタ入力するしぐさをするのが好きポイントです。エンターキーもいいけど個人的には膝がすき。
・『モモ』に出てくる灰色の男が頭の片隅を歩いていく感覚になるシーン。あと机の移動演出が印象的で、少しルーザーヴィルを思い出しました。移動する時の足元がハルキとリョウちゃんで違っていて、ハルキはちょこまかちょこまかしていて、リョウちゃんはハルキよりゆったりとした歩み。この違いを見るのも好き。
・「刺激のカケラもない仕事」についたハルキ。一般的な会社員の仕事をこのように表現したことで、ひっかかりを覚えている人、納得していない人、共感している人などTLの反応も様々だった。社会人9年目の私は、ハルキみたいな人もそりゃあいるよねぇ、と思いながら見ていた(私自身希望する”会社”には入社できたけれど、総合職ゆえに今は希望していない”仕事”に従事していて、このままでいいのかなと思って過ごしているから)。就活目前~社会人3年目くらいまでの人がみると余計にハルキというキャラクターは刺さりそう。
→この感じだと大学の学部もリョウちゃんについていこ~って選んでそう(最後のシーンでも「俺ってそういう(ノープランな)人間よ」と言っている)。ハルキに対しては「やりたいことがありすぎて、きっとセンスはあるのに決めきれなかった人」という印象がある。中村嶺亜さんのど真ん中にある輝き”だけ”を抜いたifの人がハルキだと思っています。周囲をけん引する力は、嶺亜さんのように持っているキャラクターだと思っているので。
・会社のコミュニティや肩書きだけに価値があると思わなくていい。自分のアイデンティティの確立は、かっこいいオンリーワンの仕事をすることだけではないよ。とハルキに伝えたい。ハルキはお金を稼ぐ行為自体もイケてないと、夢がかなってないと意味がないと思ってそうだけれど、人生そういうもんでもないと思うし。

・嶺亜さんのような綺羅星みたいな人が、普通を演じることに意味があるよなあ。6人の中で最後まで色の描写がないのは、ケイとハルキの2人だけだから。(ダン→黄色い花、タカ→緑の缶、リョウちゃん→青いチラシ、カズト→赤いアルバム※BUNKASAIの項で言及します)
・ダン「こうするしかなかった(高卒で就職せざるを得なかった、の意)」の時のケイとカズトの顔は神妙な、苦しそうな感じだった(他3人は見られていない…)
・気になったこと
(ASEMIZUのセリフ)タカ「頑張ってる証拠だ」ハルキ「何様だよ!」ケイ「ダンはやっぱり泥まみれが似合うね」⇔(FUTSUのセリフ)カズト「ダンの泥は頑張ってる証拠だからな」リョウちゃん「何それカッケー!」 
同じことを言っているわけではないけれど、似たようなことを言っている。ダン以外の5人の共通認識だよ、ということ?カズトのまとめぐせの強調?ここあんまりスッキリしてない。

4.AMAZUPPAI

・ダン「なんでモノクロなの?」タカ「お前っ!」
⇒ダンの発言を聞いた瞬間(ヤバ)って顔、なんか知ってそうな顔をしているのはタカ、カズト、ハルキ。ダンもタカに言われてはっとしたような顔をしている。リョウちゃんだけは顔色一つ変えずに写真を眺めている。ケイ自身は目が少し泳ぐ感じで、(まずい)(どうしよう)って顔をしているように見えた。
⇒(仮にケイの見え方が大多数と異なるとして)ケイは5人に自分の見え方が異なることを自分から伝えてはいなさそう。でも、何らかのタイミングで知ったor察していたのがタカ、カズト、ハルキ。察してはいるけどすぐ忘れちゃう、発言までは配慮できないタイプなダン。”いい意味で”気を遣ってもしょうがないと思っている、そもそも気にしていないのがリョウタロウかな、とみてて思った。
⇒(想像)ハルキはKENKAの後にモノクロ写真をもらっているので、その時に直接本人になんでモノクロなの?と聞いてそう。カズトは何かしらのタイミングで察してたずねてそう(勉強会で使うペンの色が他4人と違うとか、そういう些細なことで)。タカも聞かずにはいられない性格だろうから、2人だけの時に聞き出してそう。
・佐々木大光様 ON STAGEすぎる~~~~~!!!!大光ちゃんコメディもプリンスもいけるのすごすぎる😢終始このパートおもしろいしかわいいしかっこよくて大好き!!!
♪:WhiteLove(Hey!Say!JUMP)
・撮影スタッフの5人(私はこの時タカ以外の5人は役柄ではないと思ってみています)の衣装が皆かわいい。嶺亜さんの柄衣装お似合いだった~^^まず撮影監督(カチンコ):今野さんが椅子に座って登場するのが好きすぎる。矢花くんは山田さんみたいになってる日があったり、某配管工みたいになってる日があったり色々だった。落ち着いてくれ。マイク担当の克樹くんと照明担当のりんねちゃんに指示出ししていて、上手側でわちゃわちゃしていた。
・落ちサビのシルエット演出もいいよなあ~😢とてもロマンティック。お相手クレジットにないけど、どなたかなと思っていたら銀志くんでびっくりした…所作も指先も美しすぎる。
・曲終わり後、タカとハルキが公園で話すくすくすパートが毎回ほんまに面白くて困る。タカちゃんほんまにかわいいの舞である。まんざらでもないカズトもかわいすぎるだろう。男子校だもんな。うれしくなっちゃったんだな。てかリョウちゃんが指1本たててチュッ…ってしたあとにダンがズルズルと滑り落ち、ハルキがブランコに縋りつくのが画として面白すぎる。幸いなことに何回か観劇できたけれど、何回見ても笑う。なんだあれ。
♪:愛なんだ(V6)
・タカ「いっそのこと、告白しておけばよかった…」とうなだれているのを、上手で振り返ってニコッとしてからいなくなるハルキ。ペラペラしゃべって茶化してたけど、なんだかんだずっと一緒にいるタカちゃんが大事なんだね。
・飲み物を渡した後のダンとカズト(とケイ)が手をぱっちんしてるのが可愛かった。あとラムネびんキャッチに成功してニッコリ顔で静止するケイちゃまも、失敗した時にカルシファーとかびっくりカービィみたいな顔で静止するケイちゃまもかわいかった。「もっとすべてが変わるまで~★」のケイちゃまが毎回かわいくてニコニコになっていた。

5.BUNKASAI

・パート決めのシーン
ハルキとダンの練習シーン。ここでのダンのギターってレフティーじゃなさそう?と思ったけれど、弦の張り順を見たら上の方が太い気がした…。あのシーンだけの使用なのにレフティのアコギ用意してくれるのかな。謎だ。あとケイの練習シーンのウクレレは本人の演奏音入ってる気がする。このあたり皆さんが見聞きした感覚を知りたい…
♪雨傘(TOKIO)
・雨傘の感想は克樹担が熱量高く書いてくれているから、克樹担の感想を読んでほしい。例えばこれとか(FFのふせったー。許可を得て掲載しています)
⇒ https://x.com/pon_ponponzu/status/1838103071261593649
・1番のピアノのぐちゃんぐちゃんな音で、こちらの心までかきみだされてつらい。雨傘って強い曲だと思っていたけれど、強くなりきれない人間が歌うとこんなにかなしいんだ。
・初見時、アルクアラウンド(サカナクション)のPVを舞台でオマージュするとこうなるのか~~~~~!!!!と感動した(本当にオマージュしたかはわからないけれどさすがに意識はしてそう)。とてもオシャレですきな演出。フォント厨的にはなんで最初だけゴシック体であと明朝体だったのか気になった。
・落ちサビの途中から大光のドラムがドン!と入ってきて、侍の演奏に切り替わるの、よすぎる。背筋が伸びる感覚になる。間髪いれずにベースの響きが腹の底を動かして、心のモヤモヤを少しずつ晴らしてくれる気さえする。FFが教えてくれたんだけれど、落ちサビはカズト歌唱ではない(カズトに向けて外側から語り掛けている歌詞)になるんだ。そこで最後やばこんぴボーカルになるの激アツすぎるだろう。(私はあそこを学生6人の練習シーンだと認識するのと並行して、演奏・歌唱は侍だと思っているのでこのような表現、呼び方をしています)
・雨傘後に弾けたね~ってみんなで言い合うシーンで、ケイちゃまは運指を確認していた。練習がんばれ~
・口論のシーン
カズトが「母さんがあんまりよく思ってなくて…」って言ったあとのダンが(あ~…)って顔していて、カズトはダンにしんどさをこぼしていた日もあったのかな、と思った。
カズトのセリフの言い回しや語尾が日によって違っていて(服をどの程度キュッとにぎるのか、最初椅子から立つのか立たないのか、語尾の違い(~~だよ/~~の)、怒りが強い声か不安が強い声か、など)克樹くんの舞台演技すきだな~となった。
あと「キーボードなしで…」って発言してタカに違うだろって言われたあとのダン、しまったって顔をしているんだよね…。一方でカズトが心にもないことを言ってしまう時、「レベルが違うんだよ!」の時点でダンはすでにムッとした顔をしている。ダン、顔にすぐ出てわかりやすいね…(かわいいね)。
・カズトパートの赤色について
アルバムの色が赤に変わるタイミングがある(BUNKASAIじゃなくてKENKAの後だけど)。他の3人と異なりカズトが赤いモノを置く描写まではないけれど、BUNKASAIのシーンでカズトがみんなと口論したあと~文化祭パートで使用されている機材は赤系統のカラー(FFに教えてもらった)。ケイのベース、ハルキのギター(ピンク、紫)、ダンのストラップ(と後ろのアンプも?)、カズトのキーボード。赤はカズトの、やると決めたことに対する色(勉強(赤本)も楽器もやるんだ!)なのかなと思う。他3人と違ってモノを置く描写がないのは、カズトもケイ、ハルキと同じで人生に対する腹が決まっていない側だからかな。
文化祭『re:start』演奏シーン
ベースを弾くケイを見ると、最初のサビは頑張って弾いているの。でもAメロに入ると手が止まって、文化祭に来たお客さんを「わぁ…!」って顔でみていて。でも途中でハルキを見て、ギターに合わせてまたつまびきはじめる。Aメロのパートが緊張で飛んじゃったのか、お客さんが入っている感動から我に返ったのか、どういう表情なのかなあ…(見る回によってどっちにも見えたけれど、個人的には後者だと思っている)。一生懸命でかわいい。(右手を見れば演じている矢花くん自身が初心者然と演じようとしたことは伝わってくる。どう考えても左手の動きが初心者ではないが。)
・チラシ
リョウちゃんまだ捨てずに手帳に挟んでたんだね。思い出すとバンドやりたくなっちゃうのにね。個人的に不思議だったのは、文化祭回想シーンのあとリョウちゃんとダン、2人の手元に青いチラシがあること。リョウちゃんが手帳から取り出してたのって1枚だけじゃなかったっけ…?いつ増えたか、誰が2枚目を出したか知ってる人いたら教えてください。

6.KENKA

・ここいいね~!ダンスも迫力があるし、竹村君くん(トヨイズミ)、関くん(モリ)、千井野くん(後半日程は大澤くん。マツモト)のセリフの言い回しも好きです。前半はスクールカースト最高位のマツモトから繰り出される陰湿さや絶望があり、後半はケンカっ早い怖いもの知らずなマツモト(でも、いい意味で『小物感』があって、ハルキの強さが際立つ)という感じで、ニュアンスの違うピンチを感じ取ることができた。
・カメラの受け渡しに毎回ヒヤヒヤする。小道具とはいえあれ、高いだろうし…落としかけるの2回は見てるので…(いずれもヒモをつかんで難を逃れている)
・一番最初に来る味方がハルキとタカなんだけど、タカはハルキについて回っている感じで、どうしよう…って顔をしている。タカちゃんは少し臆病さがあって、ハルキはいの一番に介入する判断ができる性格だと想像できる。
・ケンカ後のケイちゃん、めちゃくちゃ慌ててカメラに傷がないかチェックしてて…この時ケイに「ケガはない?」ではなく「カメラは大丈夫?」って尋ねるのはカズトなんだよなあ…(ケイから見て遠い距離にいるのに)。あの世界の数十分で、自分も傷をうけながらもそこに気づける観察眼があるカズトが好きだよ。(逆に、文化祭前の口論シーンで「どうしたの、カズト?」って聞くのも、一番端っこ、逆側にいるケイなんだよね)

7.OWARENAI

・ケイの独白のシーン 明⇔暗の切り替わりのタイミングをメモしていた
暗「僕には色がないから」
明「まっさらになったこの瞬間」
暗「すべてなくなったと考えるのか」
明「余白ができたと考えるのか」
暗「僕の物語は終わったのか」
明「それとも始まったばかりなのか」
ここ、暗いときには狭さ、容量の少なさを感じるし、明るい時は奥行を感じた。明るい時(白、まっさら)の見え方がスマブラの練習モードみたいな、無機質で奥行ある感じで、現実に見えているものなのにCG見てる感覚になった。
・「本当に転んで骨折した?」と尋ねるのはカズト、同調するリョウタロウ。証拠を集めて理詰めする人と、感覚で生きているけど勘がするどいリョウタロウ。
・前半に汗水たらして~の訂正のくだりが引っかかった、と書いたけれど、カズトが絶対的に正しいことを述べるのが得意で、ハルキがその場での最適解を切り拓く人だとしたら、「よし、ケイ、外行くぞ!」の後の反応にキャラクターがよく出てるなあと思っている。
例えば、面会時間終了のアナウンスが流れた後にカズトは椅子から立ち上がるし、ハルキの提案には「ダメに決まってるだろ」と返す。直前に「俺らがいないなんてことないから」と話しかけるダンもそっとベッドから離れるそぶりを見せる。常識に照らし合わせたらこの2人の行動は冷たくもなんともなくて普通の行動なのだけれど、ケイを中心に物語を見守る我々には残酷なシーンに映る。そこでケイにお前はどうなの?と問いただして『ケイがどうしたいか』を聞き出すハルキ。その姿は高校時代にタカが憧れていたハルキのきらめきそのものだろう(後にも書くけれどこのシーンのタカの表情がいいんだよなあ)。
♪RUN(Timelesz)
・1番Aメロで車いすの前を歩くダンとカズトが、後ろ気にしながら振り返ってケイに笑いかけているのを見るのが好き。
・物語の終盤で話が収束して盛り上がるので、曲のパワーに負けていない。劇中使われているどの曲もそうだけれど、元々は全然違う目的で作られている曲がフィットするのは不思議な気持ちにもなる。一方でそれは、我々が音楽を生活に取り入れて聴く時に自分の人生と重ねて意味を見出して聞くことに近いのかもしれない。
・Cメロはケイの心の叫び。でもまだ「信じた」とは歌えない。自分を信じられていないから。というか、RUN全編通してずうっとずっとケイは苦しそうな不安そうな悲しそうな、世界の淵にいるような顔をしているので胸がギュッとなる。23夜のCメロの歌い方、ケイ自身への言い聞かせ方が観劇した中だと一番好きだった。もがいても走っても答えは見えないしこんなに苦しいのに何も実らないわかってもらえない、という苦悩がにじんでいていた。
・ライティングについて
『街は眠るパラパラと変わってく信号機』のところで使われているライトの色は赤黄緑ではなく、青と黄色(オレンジ色)。単に夜の色としての青、街灯の明かりとしての橙色が使われているのだと思うけれど…仮にケイが赤と緑の判別をしにくい色覚の持ち主だった場合(P型、D型という)、大多数の人が持つ色覚(C型)で言うところの青色や黄色、黄土色が彼の世界を構成している。
考えすぎかな~とは思いつつ、もしも彼の色覚が多くの人間と異なる、という設定なのであれば、ケイが見ている世界の色をあそこで我々にお裾分けいただいている、とも捉えられる
(参考)
色覚多様性:カラーユニバーサルデザインの検証と考察
idealump色覚多様性への配慮  (toyobijutsu-prt.co.jp)

8.KOREKARA

・FUTSUでの自分色のくだり:リョウちゃん「お前そういうスピリチュアルなの興味あったっけ?」⇔KOREKARAでの自分色のくだり:タカ「お前スピってんのォ?」
タカは、ハルキが離れていっちゃったことを嘆いているけれど、リョウちゃんとタカのハルキに対する反応って似ていて。ハルキがそばにいたい相手の根本的なところって変わっていないんだよなあと思ったりした。環境(大学の学部、就職先)がそうさせてしまっただけで…距離ができたことは受け入れつつも、飲みにいける仲になるといいね、と思った。
・ケイが写真に入るということ。
少し調べれば使えるタイマー機能を使おうともせず、ずっとファインダーを覗く側だったケイが覗いた向こう側に入るということ。
ずっと撮る側で、舞台中で見返す写真にケイの姿はないが、本人はそれに疎外感を感じることはない。撮るのが好き。主役になることは好まない、影や曖昧な存在だったケイが物語の最後画角の中心に収まる。自分が主人公の物語を色づけることに向き合っていく示唆。

ED

白黒について語られていた舞台が一気に色づいて、童心にかえったかのように舞台上を駆け回る侍ちゃんたちをみて涙がこぼれた。初見時めちゃくちゃ感動した!し、この舞台のいろどりは今日だけのものなんだなって、しばらく目に焼き付けていた。
他人の初見の感動を奪うことはしたくなかったので、絶対にTwitterには書かないぞ、と個人的に決意した箇所はここでした。

【登場人物について】

ーハルキとタカとリョウちゃんの関係性

・ハルキ(嶺亜)とタカ(大光)は幼なじみ、一番付き合い長い。
・ハルキとタカとリョウタロウ(今野)は同じ大学に進学した。
・ハルキとリョウタロウは大学の学部も同じ、会社も同じ(配属一緒って言ってたから同期入社?)
・タカは、夢に溢れたハルキが丸く収まったのはリョウタロウと仲良くなりだしてからだと思っている。
⇒いちばんの幼なじみ、友人だと思っていたハルキがリョウタロウと仲を深めて行くことに不安を感じている。自分の知っていた高校時代のハルキ(やリョウタロウ)の自由さを取り戻せば、自分のところにハルキが戻ってきやしないかと思ってそう(と、私には見えた)。表に出してこなかったけど、リョウタロウに初恋相手も幼馴染もとられたから、ライバル意識みたいなものもずっとあったんだろうな。
⇒途中の口論のシーンでもハルキは「俺にはミーちゃんとリョウちゃんがいれば…」と話し、その中にタカはいない。疎遠とはいえ自分は親友だと思っている相手にそんなこと言われたら悲しいよね…
⇒タカは高1の出会いのシーンでハルキについて回っている。ケイを最初に守るのはハルキ。タカは2番目にフォローに入る。この時みたいに、ずっと幼馴染で憧れだった時のハルキに戻って欲しかったのかな。だから、病院を抜け出すぞってハルキが言い出した時、タカちゃん嬉しそうないい顔してるんですよね。ハルキの職業はタカに夢を語っていたころのものとは異なるけれど、根本は変わってないんだなって、タカちゃんわかったかな。
⇒私自身、私は友達の一番にはなれないんだよな…と思って過ごしてきた人間だし、友人の環境の変化(結婚した報告とか)を祝いつつもまあまあしょげるタイプなので、そういう意味でタカちゃんはすごい共感できるキャラだった。(なんでポッと出の登場人物のあんたが大事な〇〇ちゃんの時間をたくさんとっていくのよ!!!!!!って思っちゃうんだよ~…)

ーケイについて

・ケイは色覚が一般の大多数と異なるわけではないだろう、色がないは比喩表現だろう、というのが当初の私の解釈だったのだけれど、ある条件を満たせばあり得る設定だなと思いふせったーにまとめた。
@3601_87rayさんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)
劇中でダンがなんでモノクロなの?と話して止められていたので、比喩ではなく何らかの理由で見え方が違う可能性は高いのかな。
・ケイのいうまっさらっていうのは透明なのか白なのか、どっちなのかな~と思ってみていた。写真に映らないこともそうだし、劇中口論になった時のケイの反応は頭を困ったように掻く、身を縮こませおびえる、服をキュッと握る。…自分を一生懸命透明にしようとしているように見える。とはいえ、私はなんとなく【白】が優勢かなあと思っているけれど。
白って染まるばかりではない、他者を染め上げられる強い色なんですよ。例えば、最後のシーンで降ってきた雪が翌朝には街を白に染め上げるように。仮に【透明(何も混ざっていない状態)】が彼の色だった場合でも、他の色を混ぜたところで反対側がすけて見えることにはかわりなくて、それこそ透明であることの個性。
劇中でケイは皆に染められたのかもと話していて、それはもちろんそうなのだけれど、他の5人の頭の片隅にケイがいるという事実、久しぶりのLINEでも駆けつけてくれる事実ってのは、ケイの色が他の人の色をうわ塗ったり混ざったりした結果そのものだと捉えている。
・病室にそれぞれが入室してきた時のケイの表情を見ていた。タカが来たときはシンプルに驚いて、びっくり目を見開いている感じ。カズトは来ると思ってなかった…!の顔。ハルキとリョウちゃんはカズトから先に受付にいることを着た時は少し驚いた顔で、実際に2人が来たら嬉しそうにしていた。ダンが来たときはびっくりしていた(爆速でくるもんね)。うす~~~~~い期待はしていたけど、どうせ叶わないと思っていたことが目の前でかなえられていく喜びみたいな、あるいは小さな成功体験をした子どもみたいな笑顔。
・最後の「明日か…」の言い方や表情は、”そんなこと考える余裕もなかった”人の表情に思えた。個人的には、病室から連れ出すかどうかの分岐で連れ出さないを選択していた場合、ケイは(どのような、どの程度の手段かはわからないけれど)5人ともう会わない/会えない選択をしていただろうなあと考えていて、病院から連れ出された時点で彼ら6人がたまに集まって飲むルートが解放されていると思っている。そういう、ふわっとしているけれど”5人が歩いている前方”を見つめられるフェーズになったケイの「明日、か…」。
連れ出す/連れ出さないのもっと細かい話はふせったーに書いた⇒@3601_87rayさんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)

・ケイ(矢花)はおばあちゃんからもらったおじいちゃんの形見、モノクロカメラを大切にし、いつも首からぶら下げている(カメラのメーカーはYASHICAだった。型番まではわからん…と思っていたら23夜公演で”35”と言及あり)。
『みんなもこの写真を見ているときは僕と同じ景色を見ているんだなあって、ちょっと自己中かもしれないけど、嬉しくなる』『僕には色がないから』
→どんな見え方か、何がトリガーになって事を起こしたのか(これは別でまとめたい)

【呼び方・呼ばれ方】(おまけ)

・ダンからカズトのみ、タカのみ/ケイからハルキのみに呼び掛けるシーンはなかった気がする(メモ漏れてるとかは十分あり得るので、ここで呼んでたよ!って情報お持ちの方はご提供ください)
・全員「お前」呼びをするカズト、全員名前で呼ぶケイ、まれにコイツ呼びをするリョウタロウ、ケイ以外お前呼びをすることがあるタカ…

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