前髪

髪を切って気分転換をするという人は多いだろう。そういう歌もあるように、昔は、失恋すると髪を切る、なんて話もあった。

情緒不安定になってふと考えると、そろそろ髪を切るべき頃だった(2ヶ月に1回のペースで切っている)、ということがよくあった。

今回もそうだった。早く髪を切りたい!切ってすっきりしたい!と思い、仕事を辞めてすぐに髪を切った。

髪を切るといつも、不思議と憂鬱だった気持ちが晴れたように感じる。わたしだけだろうか。髪の毛に憂鬱な気持ちが宿っていたのかと思うほどだ。

働いていたときは「奇抜だと思われたくない」「注目されたくない」と考えてしまってできなかったが、無職になったので、前髪も短めに切った。前髪の短い人なんて世の中にたくさんいるが、そんなことすらできずにいたのだ。周りの目を気にしすぎていた。

この「前髪を短くする」は、わたしにとって自分のご機嫌をとることのひとつになったと思う。こんな単純なことで、「わたしは変わった」と少しうきうきしてしまうのだ。

自分のやりたいことをやる。周りの目を気にしない。それがこんなに効果あるなんて。今まで全くできていなかったということか。

周りの目、変なやつと思われることへの不安、被害妄想。そういうことから解放されていくのかもしれない。

いつかまた働き始めたときに、周りも評価を気にしすぎない自分になっていられたらと思う。

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