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終戦の日をまえに

8月15日といえばお盆。
そして、昭和天皇がラジオで国民に敗戦を伝えたという終戦の日。

わたしは恥ずかしながら、記憶のあるなかでは今年初めて
広島と長崎の平和祈念式典をリアルタイムで目にして黙祷した
これまではいつの間にか過ぎていた時間に
テレビ画面を見つめ、いろいろな人の平和宣言を耳にした

今年は式典へのイスラエルの招待について抗議の声が上がり
広島・長崎でそれぞれ対応が異なったことへの関心もあったからかもしれない

または、憲法改正への動きが加速しているようだったり
疑問のある法律の改正があったり
世界情勢や日本の政治の動きから戦争がふたたび近づいているという恐怖心が
あるからかもしれない

前置きさせてもらうと…
毎年欠かさず式典に足を運んでいたり心を通わせている方からすると
わたしは本当に理解も知識も浅いと思っている
けれど、感じたことを文章に残しておきたい



平和を願う式典にイスラエルを招待するな!というオンライン署名があり
わたしはすぐに賛同した
ガザで300日以上続けられている惨いというほかない、イスラエルによる虐殺
それを悪いともおもわない態度に怒りしかないから
広島が招待するということには初めがっかりしていた

けれど、広島での式典をみていたら
平和宣言のときに何度もカメラで抜かれるイスラエル大使の姿
まるで、イスラエルに対しての言葉だと伝えているかのようだった

これは招待することの意味や価値がある!

テレビを見ながらそう感じた
首相や外務大臣ができない批判を広島市長や知事がしていることに希望を持った

それと比較して
首相の言葉は活動紹介という印象しか残らなかった
毎年ニュースで話題になったりするけれど、これまでもあのような言葉たちだったのだろうか

何よりもがっかりしたかもしれない


そして長崎。
長崎市長はイスラエルを招待しないという判断をした
その結果アメリカなどのG7各国やEUの大使も式典への出席を断るという
とても大きな出来事に発展してしまった

この謎の連帯はNATOといわれる西側諸国。
NATO(ナトー)は北大西洋条約機構という、国際的な軍事同盟のこと。
アメリカ・カナダとイギリス・フランス・ドイツ・イタリアなどのヨーロッパに
ある国で構成されていて、今は31か国


招待しない、という決断はとても勇気が必要だとおもう
個人の感情ではなく長崎市の長としての判断だし反対の声もたくさんあっただろう
招待しないことでイスラエルに対する姿勢を示したのは
世界的に注目してもらうという点でも一石を投じることになったと感じている

ちなみに2022年から式典への招待をしていないロシアやベラルーシ
これはウクライナへの侵攻が理由だった

けれど、
誰を呼ぶ・呼ばないと選ばず、皆を受け入れ被爆地として平和を訴えるべき
という考えもとても理解できる

原爆を落とした側がなぜ長崎に文句をいうのだろう
なぜ出席しないという判断ができるのだろう
ロシアが核で脅しているというけれど、核保有国は他にもたくさんあるし
ロシア一国に対してNATOの大勢で攻め立てているじゃないか

こんなにも平和を願っているのに
世界では今でも争いが続いていて罪のない市民の命が奪われ続けている

その裏には戦争をビジネスにしている大国がいる
日本だって例外ではない

過ちは繰り返しませぬから

ほんとうにほんとうにそうしたい
被爆地で訴えることは核をなくすことだけではなくて世界の平和
原子力発電もいらない

黙祷のときに、当時に想いを馳せた
苦しくてつらかった
でも、わたしの想像力では到底及ばないほどの経験があった
語り継がなければならないけれど、思い出したくもない光景

ガザの様子をみていて、この光景が脳裏に焼き付いたまま生きていくことの苦しさ
をおもうと生き残るという世界の残酷さに涙が止まらない

けれど、79年前にたった3秒で街も人も焼き尽くされた
広島や長崎だけではなく日本のあちこちでみたくない現実の中を
生き延びてきた方たちのおかげで今がある

その方達が願った「いま」を生きられているだろうか
その方達がつくりたかった社会を生きられているだろうか

平和ってなんだろう


平和祈念式典をただのセレモニーで終わらせてはいけないと心から思った

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