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後悔ばかりの性格が悩み

ラジオのお悩み相談のタイトルを聞いて、みみずも同じだと思った。

笑える!文字にするとくだらなさが一周回ってブーメランのように身に突き刺さる。

髪を切ったら切らない方が良かったかもと後悔し、カツ丼を注文したらオムライスの方が良かったかもと後悔し、手袋を買ったらあっちの色の方が良かったかもと後悔する。主人に言っても、そんなのお前気にしすぎだよと、取り合ってくれない。後悔ばかりしているこんな性格が悩みです、と。

回答者は、「そんなことを言えるご主人を選んだってことは、大事な場面で選択を間違っていないのだから、案ずるな」。そうだそうだ、他人事だと割り切れる。「どうせ後悔するのなら、メニューの上から3番目を注文するとか決めておいたら?」確かに、何を食べようが3日もすればウンコとなって排出される。色も形も、匂いだって大差ない。

でも、後悔体質はなかなか根深い。「結局、自分に自信がないんでしょうね」その通りです。

スーパー銭湯に行くのはみみずのささやかな楽しみの一つだが、湯船につかりながら毎回悩む。いつまで浸かっているのか、いつお湯から出るか。周りを見回して、自分より先に入っていた人がまだ肩まで浸かっているのを見ると、まだ我慢と思い、自分より後から入った人が立ち上がると、もう出ようかと思う。他に誰もいない湯船であると、さらに悩みは深くなる。他の湯船に移動した方がいいだろうか、最近体重が増えたからもう少し自分と戦うべきか、一旦出て一度体を洗った方がいいだろうか、肩だけ出して腰湯にしようか、などなど。

心地よさに無条件で身を委ねることがなかなかできない。

そこで、心の中で数を数えることにした。100まで数えたら左手の親指を折り、もう100数えたらお湯を出る。ルールが出来たら気持ちが楽になった。数を数えていると、他の雑念も減る。みみずは今、大事な数を数えているのだ。ぼんやりした頭で同時に2つのことはできない。集中!

商品仕分けのアルバイトには、だいぶ慣れてきた。元々、サルでもできる簡単な作業とのことで、自分の担当する商品を番号通り、数量を間違えずにロールボックスに入れていきさえすれば完了する。社員を含め常時10名前後の作業員が仕事をしているが、基本、単独行動だ。商品のJANコードをハンディターミナルで読み取ったら、1個だろうが100個だろうが、その商品はすべて一人で振り分ける。共同作業はないので、それぞれ自分のペースで作業する。

ところが一人、ちょっとめんどくさい人がいて、他の人が置いた商品を度々組み替えている。確かに積み方によって、隙間が空いたりバランスが崩れたりと言った不都合も生じるのだが、あとからどういう商品が来るのかわからない状況では、予め不都合を予測することができない。なので、みみずを含め大方のスタッフは、あとの人に迷惑をかけない程度の心遣いをしつつ、順番に商品を置いていく。

ところが彼は、気に入らない積み方があると、犯人を探し出してまで積み替えを要求する。みみずも初めはヘイヘイと恐縮していたが、その内、大勢にさしたる影響はなしと思うようになった。工夫に工夫を重ねて積み込んだロールボックスも、最後になって全部積み替えられたりするので、途中であれこれ子知恵を使うのはあまり意味がない。

そもそも、扱う商品は10度以下限定のチルド商品だから、手早く作業することが最優先である。湯船から出るタイミングをめぐって逡巡するのは誰にも迷惑をかけないが、思い悩んだ挙句の商品劣化では元も子もない。

彼は、片言の日本語で(多分ベトナム人)、がさつなババアに一生懸命説明してくれる。一度、「そんなにきちんとしなくても・・・」と言ったら、「ちゃんとやらないとクビになるから」と言われた。

二十歳そこそこだろう、きれいな目をしたイケメンだ。同年代の大学生とは比べ物にならないほど熱心に仕事をしている。彼には彼の事情があるのだ。

が、みみずにもみみずの事情がある。これ以上の悩み事はご免こうむりたいというのが本音。よって、彼とはなんとなく距離を置くようにしている。


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