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君は飢饉でも生き延びる

オートファジーの効果はてきめん!2日間の朝食抜き(16時間食べない)で、1.5Kgの体重減。しっかりお腹が空いてから食べるのは、すごくシンプルだけど大事なことだと再確認した。

お腹がグウグウなっていると、どうしたってお腹周りの感覚が鋭敏になる。いつもより凹んだような感じは、意外なほど心地良く、プチリフレッシュの気分。体が軽くなったように感じると、動きも滑らかな気がするし、頭も冴えてくる感じ。

そう、感じることって大切よね。事実がどうであれ、○○な気がするだけでマインドコントロール。みみず、若返った気分。

20代の後半にも、一度、断食道場を体験した。その時も、かなり行き詰まった状況にあったので、リセットが必要だった。一週間の日程だったが、空腹感の記憶はない。青い空と青い海、木々の緑と潮風、明るい日差しが眩しかった。

初めて訪れた瀬戸内海の気候、風土に圧倒された。こんなところで生まれ育ったら、さぞかし明るい性格になるだろう。ミニヨンの歌そのままの光景が広がる。そういえば、小学校で「瀬戸内海気候は地中海気候と同じ」と習ったっけ。

知っていますか レモンの花咲く国を/ 暗い葉陰には 赤々と黄金色のオレンジが輝き/ 柔らかい風が 青空からそよ吹き/ ミルテの花は静かに 月桂樹は高く聳える/ 知っていますか その国を

「君よ知るや南の国」のストーリーや、ゲーテ作品の切り取り作り替えってどうなの?はさておいて、アルプス以北の人達の、アルプス以南(イタリア)に対するあこがれは強烈らしい。

ヨーロッパ駆け足パックツアーの真ん中辺で、ドイツ側からバスでアルプスを越えた。イタリアに入った途端、風景が激変したのに目を見張った。白黒写真とカラー写真のような違い。

さて、その断食道場は、医療機関とセットになっていたので、断食に入る前、きちんとした健康診断がおこなわれた。肺活量や基礎代謝まで調べてもうのは初めてだ。その後、医師から重大なご託宣が言い渡された。

机には、たくさんの数値が並んだ書類が何枚か並べてあって、顎髭を生やした仙人みたいな医師がにこやかに話しだした。要約すると、みみずは、生まれつきの身体機能が一般レベルの2/3程度なので、何事も人並みにやろうとしないこと。

どこか欠陥があるわけではないのだが、例えば、赤血球も白血球も少ないので、もしも癌になった時、放射線治療ができないレベル。代謝がめっぽう低いから、ちょっとしたことでもダメージになり回復も遅い。確かに、ほんの小さな傷も治りが遅く、しばしばケロイドになって残る。

「でも、いいこともあるよ。君みたいな人は飢饉には強い。基礎代謝が少ないと、少しの食べ物でも生き延びることが出来るからね。」

それ以来、ひそかに飢饉の到来を願う自分を払拭できずにいる。

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