2024 阪神大賞典

条件:阪神8日目 3000m内回り
TB:土曜のレースを見る限り,進路取りなどから7日目だが内の痛みはそれほど酷くなく見える.内外フラットの,前有利といった印象.
ペース:逃げ馬少なく,スローペースを想定.後方勢には厳しい展開が予想される.
備考:34秒台の3Fが出ており,それなりに時計が出ている印象

長距離レース全体の傾向としては,G1天皇賞,有馬記念などのトップレベルのレース以外は,基本的にスローペースになり,後半1000m辺りから加速ラップを刻み始めるのが常である.
ペースによっても左右されるが,前目のポジションを取れるか,キレる脚を持っているかという点が一つ着順の分かれ目として大きい.今回は,普段の脚質や,上り1-3位の脚を出せたことがあるかという点を重視して評価を行っている.

2023阪神大賞典:
やはりスローペースで,前にいた馬で1-7着当たりまで決着した.ジャスティンパレスが覚醒したレース.アフリカンゴールド,ディープボンドはキレる脚のなさで,上り勝負に屈した.

2022阪神大賞典:
やはりスローペースで,残り800mあたりから加速ラップ.マクリのディープボンド,シルヴァーソニック,前で粘ったアイアンバローズが着内を確保した.

テーマ:前有利&上がり脚の合計値で考えろ!


  1. プリュムドール
    二の足が付かない馬で,後方になりがち.
    前走万葉Sは,後ろすぎたぶんと有り得ない外回しを行ったせいで,1人気ながら届かず6着だが,実力面で悲観する内容ではない.
    しかし,この万葉S,タフな馬場とはいえ,開幕週の良馬場にも関わらず上り36秒台であることや,メロディーレーンが3着に来ていることからも,レベルは低い一戦であることが予想される
    G2ステイヤーズSの内容が良く,シルヴァーソニックに逃げ先行勢を差し切って見せた.
    総評:万葉S勢で,唯一買える馬.相手に入れてもいいかも.

  2. ブローザホーン
    前走G2日経新春杯は外から上がり最速の脚を見せて1着.しかし,この馬の得意な35秒後半代のタフな馬場や,前半1000m58秒台のペースも味方した.今回34秒台の良馬場であることを考えると,末脚勝負になった時に伸びに欠ける可能性はある
    競走中止から立て直し2戦目であることを考えると,ローテーションによる上積みあり.
    総評:人気馬の中で,綻びがあるとするならばこの馬.しかし,ポテンシャルはもちろん高いので,相手には入れたい.

  3. ディアスティマ
    逃げの手を取る場合と控える場合があり,今回どちらの作戦で来るかは分からない.おそらく,今回ハナに拘る馬はいないため,ペースを握りに逃げの手を選択すると予想できる.
    前走G2日経新春杯では,逃げの手を取るも,余裕のないペースで,直線で失速.
    G2目黒記念の内容が良く,直線長い東京で逃げて,有力馬相手に先着している.この時もスローペースで,スローペースならば逃げ粘る力はあることを証明している.
    今回北村JからB・ムルザバエフJへと乗り代わりで,陣営は気合を入れているかも.
    総評:今回スローペース想定で短期逃げなので,展開は向く.期待値は高いので,相手に入れておきたい.

  4. ジャンカズマ
    前走万葉Sは逃げて4着.降雪によるタフな馬場は,ハービンジャー産駒の当馬に向いたはずだが,直線で差される.
    今回恐らく2番手で競馬し,展開は向くが,勝った条件がどれも低斤量なので,54kg⇒57kgになる今回はより一層買えない.
    総評:良馬場想定ならば,今回は買わない.

  5. ユーキャンスマイル
    阪神大賞典常連だが,年齢もあって近走はあまりやれていない.
    前々走:G3新潟記念はいい差し脚で2着.夏負けとはいえプラダリアに先着しているため,評価は高い.
    新潟記念で成績を残しており,新潟が得意か,夏の時期に調子を上げるのかもしれない.
    総評:今回はあまり良い条件ではない.今回は買わない.

  6. テーオーロイヤル
    相手が強くても健闘するタイプ.
    前走G3ダイヤモンドSを快勝したが,強い勝ちであった.というのも,私はサリエラが実力,斤量面から圧勝すると思っていたが,テーオーロイヤルがトップ斤量の58.5kgでサリエラに勝ち切ったためだ.今回57kgに戻るため,かなり勝算は大きい.
    前々走G2ステイヤーズSはアイアンバローズの作戦勝ちのような面があるので,むしろ2着は実力の高さを証明している.
    そもそも2022の天皇賞春では,実力で抜けていて展開も向いたタイトルホルダーを抜きにして考えれば,ディープボンドと差のない着差で,後に重賞を勝つ4,5着のヒートオンビート,アイアンバローズに差を付けている.阪神適正も十分.
    総評:不安要素が見当たらず,軸としては最適.現在1人気だが,人気に見合った信頼度.

  7. アンタンスルフレ
    地方の重賞ダート馬で,レベル,適正共に噛み合っていないと思われる.
    総評:今回は買わない.

  8. メイショウブレゲ
    キレる末脚が持ち味.前走万葉Sは流れたペースが味方して見事勝利.
    今回はスローペースになるであろうし,斤量も54kg⇒57kgとしんどさが増す.
    古都Sでは強力な末脚を発揮するも,ポジションの差からワープスピードに屈した.今回も同様に,ポジションに泣く展開になることが予想される.
    総評:末脚は強力だが,思い切って今回は買わない.3連単なら3着に入れてもいいかも.

  9. ワープスピード
    中団からキレる脚を使える優等生.古都Sの勝ち方が強くて,後方勢の末脚に屈することなく余裕で勝ち切った.
    前々走G2ステイヤーズSはアイアンバローズの作戦勝ちのような面があるので,テーオーロイヤルと好勝負しての4着は実力の高さを証明している
    前走G3ダイヤモンドSを見るに,テーオーロイヤルには勝てないだろう.テーオーロイヤル>ワープスピード>メイショウブレゲという着順関係は硬い.不安要素は,長距離の川田騎手.
    総評:テーオーロイヤルの陰に隠れているが,それなりの実力を持つ伏兵.現状6人気なので,それなりに期待値ある一頭.

  10. サヴォーナ
    想定オッズ1番人気.
    2024日経新春杯は前半1000m58.3の早いペースながらも,後半1000mは12秒台連発しており,息が入った.ラストの直線は能力抜けた4頭が上りの速度で決着したイメージ.
    前走G2日経新春杯は外枠から先行して内に入れる好騎乗で2着.3,4着よりも前の位置にいながら上りで勝るポテンシャルの高さを見せた.
    菊花賞は,有り得ないくらい外々を回り,仕掛も早かった.しかし,スタミナ豊富で,ドゥレッツァタスティエーラには大きく差をつけられるものの,ソールオリエンスにはほぼ差なしの5着.世代のトップレベルの実力を持っていることが分かる.阪神3000mのスタミナ展開には強い.そもそも,サヴォーナのいつものスタイルは先行なので,マクリは経験が無かった.阪神大賞典は菊花賞よりもペースは落ち着くと思われるので,この馬のいつもの勝負が出来る.ここは軽視できない.
    菊花賞が目標だったことを考えると,ローテーションによる上積みあり.
    総評:相手として必須級

  11. ゴールデンスナップ
    2勝クラス馬で,今回初の3000m.サスツルギと競い合っており,オープン入りは余裕の実力はある.
    実力が伸びている最中で,いずれは重賞で馬券になるかもしれない怖さはあるが,今回はまだこのメンバー相手に差し切るとは考えづらいが,上りを使えるので怖さはある.
    総評:今回は買わない.3連単なら3着に入れてもいいかも.

  12. ディープボンド
    阪神大賞典を語る上で,欠かせない馬.2021,2022の阪神大賞典を連覇しているが,正直2023阪神大賞典に比べると格は落ちる.有馬記念,ジャパンカップなど最高峰レースでは目立たないが,今回メンバーも落ちるここでは十分にチャンス.想定オッズ5人気で,このまま行けば期待値は最も高いと言える.
    不安要素は年齢による衰えで,
    昨年の阪神大賞典で敗れていることが人気を下げる要因になっている.しかし,上位馬が強かったことや,スローペースがキレる脚のないこの馬に向かなかったことから言い訳は可能.
    今回,スローペースが想定されるが,近走は番手ではなく中団から競馬が主体なので,マクリ競馬が出来れば着内は十分に考えられる.
    前走有馬記念は,出遅れもあって不得意な後方からになり,度外視.
    G2京都大賞典の内容が良く,マクリ差し競馬で,好メンバー相手に恥じない3着をもぎ取っている.
    不安要素は,状態と初騎乗の岩田望J.
    総評:間違いなく期待値はある一頭だが,不安もそれなりに.馬券のサブウェポン(穴馬)として買う.

  13. シルヴァーソニック
    まず,2022G2ステイヤーズSのレベルについて議論する必要がある.ディバインフォース,メロディーレーンなどの着順からこのレースは到底G2の中ではレベルがかなり低い方だと評価していたが,4着アイアンバローズが,去年よりもレベルの高い2023ステイヤーズSを勝利していることから,レベルの再考が必要になった.
    2022G2ステイヤーズSは,内をロスなく回り続け,最後も内を伸びたシルヴァーソニックに軍配が上がった.対照的に,2800m辺りから早仕掛けを行ったディアスティマに追従したアイアンバローズは共倒れした.後にアイアンバローズは2023G2ステイヤーズSを勝利しているが,大逃げの形を取り,ドゥレッツァ方式※ペースを設定しているため,実力の120%を出し切れる好騎乗だったと言えるだろう.
    2023天皇賞・春は3着.スローペースの中一頭だけ後方から差してきており,上位2頭が有力馬であることを考えれば,評価は高い.
    長距離はペース配分などの観点から騎手の手腕の影響度が上がるが,武豊騎手が騎乗するのも評価高い.
    不安要素としては,10か月ぶりの実戦で,体調面が万全であるかどうかということ.とはいえ,7か月ぶりのステイヤーズSで勝利しているので,不安面は少ないだろう.調教師コメントで,前哨戦宣言しているのが少々気になる.
    総評:状態次第では,期待値を追いにいく

  14. ゼーゲン
    昨年の阪神大賞典で,勝負になっていなかった.9歳で大きな上積みもないと思われ,ここは静観.
    総評:今回は買わない.

  15. ショウナンバシット
    クラシック以降迷走中の4歳馬.今回大外を引いたのが地味に痛い.
    菊花賞は,サヴォーナとそれほど差のない競馬を見せており,これほどのオッズの開きがあるのは不自然に感じる.
    着順は悪いが,着差で見れば惜しいレースが多い.サヴォーナを評価しているなら,それなりに危険視するべき.
    阪神の芝成績が良く,馬券内はほぼ外していない.それなりにキレる脚も持ち,先行脚質で競馬も出来るため,今回求められる条件には合致している.
    総評:不気味さはある.悩ましいが,個人的には余裕があれば買っても良い1頭.

これまでの各馬の実力とオッズのバランスをまとめると,以下の図のようになる.

https://tiermaker.com/create-xy/-keiba--16935711

絞って当てたい場合は,6,10,13,12辺りから順位に妙味を付けて買おう.
広げても,穴馬から行きたい場合は,8,3,15,5を絡めた馬券にするのがおすすめ.以下,馬券例を紹介する.

メインウェポン
ディアスティマからの3連複


今回最も期待値があり,展開も向くであろうディアスティマから,テーオーロイヤルとの2頭軸で勝負を仕掛ける.当たった時の火力は秀逸.

サブウェポン
ディープボンドから絞った3連単マルチ


相手は驚異の3頭.一切の無駄を捨て,ひたすらにディープボンド以外の固い決着を願う.ブローザホーンを切っているのが妙味のミソ.


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