ネガティブな気持ちを掻き出した

 全く勉強に打ち込めなかった僕だけど、国語は得意だった。

 古典・漢文チンプンカンプンでも国語の偏差値は70を超えた事があった。

 はっきりと数字を覚えていないあたり、やっぱり勉強に関心なかったんだろう。

 しかしそれでも、70を超えていたというのは覚えている。僕は国語が得意だという自負がある。

 いな、あった。
 今はもうない。

 まず書くのは駄目だ。
 少なくとも天賦の才はない。

 そして受け取る方に至っては全般的に駄目かもしれない。

 思えば人の名前を覚えるのも苦手だし、滅多に感動できないし――受け取る方も上手くはないのかもしれない。

 身内の顔すら思い浮かべる事ができないと悩んでいた時もあったし、相手の声まで思い出せるようになったのは何年か前の事だし。

 おそらく理解力はあるものの、我が事とはできずにいるのではないだろうか。

 そんなやつが書いた物語は、果たして面白いのだろうか。

   ※

 執筆中に思い出した事がある。

 それはたしか高校の卒業式か、そのあとの何か――とにかく何人かが教室に集まっていて、僕がこんなふうに言った。

「○○先生、最後の最後に『今まで厳しいこと言ってごめんね』とか『嫌味で言ってたわけじゃないから』とか、なんで あんなこと言ったんやろ。そんなん言わんでも分かってるやん。逆に白けるやんか。俺たちをホンマに信頼してるなら言わんでもよかったやんか」

 周りの四、五人はみんな否定的、あるいは肯定しかねるというような返事をして、奥の方にいた女の子だけが強く頷いていた。

 僕はその人とほとんど話した事がなかったから、その時もほとんど何も言わず、たしか目があっただけだったと思う。

 今思えば、あれが現実なのかもしれない。
 僕がよしとする感動は、全体の1/3の人たちにしか肯定されないのかもしれない。

   ※

 これくらいでやめとこ。
 おやすみなさい。

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 タイトルは誤字ですが、ちょっと上手く言えてる感があるので、そのままにします。

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