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「名鉄名古屋駅が分かりにくい」問題について考える

多くの方々が既に散々書き古したこのテーマですが、私も少し思うところがあるので書かせていただきます。名鉄名古屋駅の概要や構造はみなさんご存じだと思いますので省略させていただき、早速本題に入りましょう。

「名鉄名古屋駅は様々な改善でわかりやすくなる」

ということです。

名鉄名古屋駅はいろいろな工夫がされているのはお分かりかと思います。方面ごとに停車位置を変えたり、降車ホームと乗車ホームを分けて動線が交わらないようにしたり…と挙げればキリがありません。それだけ名鉄がこの駅に苦労しているという証なんですが、そのツメが甘いんですよね。現在の案内をもっと拡充・改善すれば、ホーム数を増やさずとも混乱を招くことは減るでしょう。そのツメが甘い例をいくつか見ていきます。

①足元のテープがただの整列用になっている

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まずはこちらです。方面別に色分けされ床面に貼られているこの整列用テープ。せっかく色分けして方面ごとに分けているのに、なぜここに乗車位置シールを貼らないんでしょうか。「④一宮・岐阜方面 快特・特急・快急・急行・準急」と反対ホーム上の行灯と同じシールを貼りましょうよ。せめて「岐阜方面」や「犬山方面」ぐらいは貼るべきでしょう。

②そもそも色分けの説明が少なすぎる

そう、根本的に乗車位置の色分けシステムが反対ホーム上の行灯を見ないとわからないことが欠点なんです。

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確かにこういう掲示が何ヵ所かにありますが決して多くありません。最近では大きいポスターサイズのものも増えたと思いますが、問題はそこではありません。

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問題はこの毎度お馴染み ̶W̶i̶n̶d̶o̶w̶s̶ ̶X̶P̶の 発車標です。この発車標、行先部分を囲う四角の色が乗車位置の色になっています。「そんなもの説明されなくても知っとるわ」って思いますよね。しかし、名鉄名古屋駅にはこの「行先の色=乗車位置の色」の説明が一切ないんです。確かに慣れた利用者ならわかります。しかしここは名古屋の玄関口、そして名鉄の各方面へと旅立つ出発地であり、初見の利用者も多くいます。この説明がないのは致命的な欠陥だと断言します。せめてホームに設置してある発車標はモニターの下に「行先の枠の色の乗車位置にお並びください」という一文くらい付け足しましょうよ、それくらいすぐにできるでしょ…。

③両数毎の停車位置が放送頼み

まだまだ問題点は続きます。名鉄は2・4・6・8両の4種類の両数があり、いずれも名古屋駅へ日常的に乗り入れてきます。もちろん両数毎に停車する位置が変わるので6両の時には乗れていた乗車位置には4両は停まらない…ということももちろんあります。しかし名鉄名古屋駅。両数毎の停車位置の案内表示がほとんどありません。

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こういうやつです。一応あの長いホームに1-2カ所くらいは貼ってあるみたいですが、目立たない場所に小さく貼ってあるだけです。ではこの掲示がないならどうやって案内しているか。1つは反対ホーム上の行灯です。あれが点滅している範囲が次の列車の停車位置です。ただし、同じ方面に列車が続行する場合などにはあとの列車の方はわかりません。最も確実なのが駅員の放送を聞くという信じられない方法なんですね。つまり常に停車位置がわかる情報源はゼロです。到着前の次の列車を案内する放送と、あとはたまに入る2・3列車先の両数までを案内する放送以外には知りようがありません。さすがにひどい。

④放送も自動化できるでしょ

その駅員による放送も決してわかりやすいとは言えません。そもそも駅員の方によっては早口だったり声が小さかったりで聞き取りずらいこともしばしばありますし、駅員によって案内が異なることもよくあります。通常の駅で流れる自動放送は明らかに案内用の放送、ということがわかりますし、だいたいの自動放送は喧騒の中でも聞こえるような声で案内しています(特に女声放送は)。そして自動放送で重要な情報(種別・行先・停車駅など)を放送し、駅によっては駅員の方がそれを繰り返したり、自動放送よりかは重要度が低い情報(先着案内・他列車連絡など)を放送します。しかしながら名鉄名古屋駅は全てが駅員の方の放送で、重要な情報とそうでない情報が同じように流れているんですね。これが問題なんです。

実際、あの駅で一番目立っている放送はと言えば

「This train is (not) bound for Central Japan International Airport.」

という、数年前に追加された空港に行く列車を案内する外国語の自動放送なんです。わからない方はYouTubeを漁ってみるか実際に行って聞いてみてください。この放送は女声の自動放送なので非常によく音が通るんです。

なぜか名鉄は頑なに名鉄名古屋駅を自動放送化しません。「列車本数が多すぎて機械だと案内ができないから」という都市伝説がありますが、まぁこれは迷信でしょう。隣の栄生駅は同じく上下1線ずつですが自動放送をばっちり流してますし、金山駅や神宮前駅も十分過密ですが自動放送を昔から流していると考えれば名鉄名古屋駅も不可能ではないはずです。

名鉄名古屋駅を自動放送化しない理由、おそらく「いろいろなことを案内しなければいけないから」だと思うんですね。確かにこの駅だけ案内の量が多いですし、ターミナルとして多くの案内を行う姿勢は賞賛すべきですが、今のやり方ではわかりにくいです。主要な情報を自動放送化し、その後に追加の情報を駅員放送で流す、という方が絶対にわかりやすい。仮に技術的に難しいとしても、現代にはタブレット放送という便利な代物もありますし、音声合成技術も発展してきています。いい加減に名鉄名古屋駅も自動放送を入れるべきなんじゃないですかね。

⑤乗車位置の分け方、変えたら?

名鉄名古屋駅の乗車位置の分け方はこのようになっています。

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まず問題点その1。両方面ともほとんど使わない乗車位置があるんですね。4番線(上り)の水色乗車位置、1番線(下り)の黄色乗車位置です。4番線の水色乗車位置は最近の改正で平日日中に増えましたが、それでもこの2つは日中はおろか1日を通しても15本ありません。なんとももったいない。

で、2つ目の問題点。種別毎に分かれてはいますが、優等と普通という分け方なんですよね。なので優等の中での序列は関係なく快特から準急まで全部同じ列なのがちょっと気になります。名古屋から堀田や鳴海まで急行に乗る利用者と東岡崎や豊橋までの長距離の利用者が同じ列に並ぶことになるので、来た電車が乗る電車と違う場合は列が動かないこともあるんです。慣れた利用者は当たり前のように前の人が動かないと追い抜いて乗っていくんですけど、これが初見の利用者だと「え、これじゃないの?違うの?」と混乱しますよね。

で、この2つの問題点を踏まえると、乗車位置の分け方を見直すべきかなと思います。ほとんど使わない乗車位置は統合し、その分優等列車内で分けるといった具合です。

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一例としてはこんな感じです。上りにも紫色乗車位置を新設、上下とも名古屋本線の快特・特急と急行・準急の列を分離、また上りの緑色乗車位置を空港方面専用乗車位置とする案です。一オタクの妄想に過ぎませんが、一律優等と普通で分けるという考え方を変えた方がいいかなとは思います。後はやっぱり空港ですね。空港行きと河和・内海行きが同じ乗車位置に来ちゃうので誤乗が起きてしまうんですよね。なので空港行きは専用乗車位置を設定すべきかな、とも思います。

まとめると

①もっと両数と乗車位置の案内を充実させる

②乗車位置の分け方を工夫する

③放送の自動化を目指す

ですね。「詳しいことはホーム係員にお尋ねください」ではなく、まずは人海戦術から脱却しましょう。かといって案内を増やし過ぎるのもよくないですが(○急品川駅みたいな風になる)。せっかく頑張ってあの駅を使い勝手よくしようと頑張っているんですから、それをもっと徹底して頂きたいな、というお話でした。