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ポーカーテーブルでよく聞く―知らなくてよい用語解説(韓国、フィリピン編)

アジアのポーカーテーブルで良く聞かれる、知っていても知らなくてもよい用語解説です。

海外でポーカーをプレイしようとするときに、言葉が通じるか不安という人も多いと思います。
しかし、心配御無用。
テキサスホールデムは、ほぼ万国共通のルールで行われているのでプレーのマナーさえ知っていれば、コミュニケーションで苦労することはないでしょう。

ただし、これだけはというのはあって、出すチップの数を言ったり、出されたチップの数を聞き取ったりするために英語で数字を言ったり、聞き取ったりできること。なるべく細かいチップを持っておいてちょうどのチップを出したり、指で示したりすることもできますが、「one, two, three, four... hundred, thousand」などと言えるようになれておいた方がよいです。

英語以外ですべて行われているようなテーブルは少ないので、英語が少しだけできれば、どこに行っても現地の言葉が分からないからということも心配することはありません。マカオではほとんど中国語で進みますが、ディーラーは英語で言いなおしてくれます。

今回は、その中でアジアのポーカールームでよく聞く言葉を解説します。知っていれば、もっとポーカーが楽しくなるかも。

韓国編

まずは、韓国語。

韓国のカジノはもちろん東南アジア各地で韓国人に出会えます。韓国語の数字の言い方を覚えておくと、テーブルの雰囲気がよくつかめるようになるでしょう。
数の言い方は、
1、일(イル)
2、이(イ)
3、삼(サム)
4、사(サ)
5、오(オ)
6、육(ユク)
7、칠(チル)
8、팔(パル)
9、구(ク)
10、십(シプ)
100、백(ペク)
1,000、천(チョン)
10,000、만(マン)
です。
例えば、125,000だと、십이만오천、「シビマノチョン」と聞こえます。英語とおなじで、韓国語は前の子音と後の母音をつなげて発音、連音化する特徴があります。「1万」「1千」という場合の、「1」は省略します。10,000ウォンは「マンウォン」です。
954,000ウォンだと、구십오만사천、「クシボマンサチョノン」と聞こえます。

韓国人のディーラーはもちろん、プレイヤーもほぼ英語が話せないことはないので英語で伝わりますが、プレーに役立つので数字の言い方は早めに慣れておいた方がよいでしょう。

さて、よく聞く言葉を5つ紹介します。

1.ポンカ(뻥카)

ブラフや嘘のこと。

フィリピンのポーカーテーブルでもこの言葉は通用します。フィリピンの人もブラフを疑ったときに「ポンカ、ポンカ!」と言ったりします。

ポンカは、「嘘(뻥)」と「カード(카드)」という言葉をつなげた韓国語独特の言葉です。

韓国人のプレースタイルとして、ビックブラフが多いとか、ブラフが好きな人が多いとかという印象があるようです。韓国人とポーカーをするときのキーワードです(笑)。

ポーカーテーブル以外の日常でも、日本語で「ブラフ」が何となく通用するのと同じで、韓国語でも「ポンカ」という言葉が「嘘」や「はったり」という意味で使われることがあるようです。

2.チンチャ(진짜)

マジ。本当。

「チンチャ!?」と言ったら、日本語で言えば「マジ!?」という感じです。思わぬレイズを打たれたときなどに、この言葉が発せられることがあります。

これと同じような意味でよく使われる「チョンマル(정말)」という言い方もあります。

ポンカ=ブラフっぽいベットをされたときに、「チンチャ?」と言ってみるとよいです。逆に「本当です。」というときは「チンチャイムニダ(진짜입니다.)」と言えばよいです。

3.コル(콜)

コール(call)。OK。

日本語ではのばす音が入りますが、短く発音します。日本人の「コール」と「フォールド」は聞き取りづらいのですが、韓国語の場合はKの音をはっきり発音するので聞きやすいです。

これはそのままポーカー用語ですが、「ポンカ」と同じく、日常生活でも使われるようになったポーカー用語です。「OK!」「いいね!」のような意味で使われることがあります。
「今日、飲みに行く?」「コル!」というような感じです。

日本よりもポーカーが普及しているんでしょうかね。

3.トゥゲ(두개)

2つ

数の数え方は、一つは上に書いた通りのなのですが、日本で漢数字の音読みの言い方、「いち、に、さん」と、和語の言い方、「ひ、ふ、み」があり、数えるときには「ひとつ、ふたつ、みっつ」と言うように、韓国語でも同じように漢数詞の言い方と固有語の言い方があります。漢数詞は上に書いた「イル、イ、サム」ですが、固有語では「ハナ、トゥル、セ」と言います。さらに「1つ、2つ、3つ」と数えるときは「ハンゲ、トゥゲ、セゲ」となります。

ポーカーでも、チップの量は漢数詞で言いますが、ツーペアなどで「2つ当たった?」やポケットハンドで「Aを2つ持ってる?」というようなときの「2つ」は、「トゥゲ」の方を使うようです。

4.シバル(씨발)

くそ。ちくしょう。

英語の「ファック」に近い言葉です。

悪いカードが出たときや、フォールドするときに発したりします。
18の意味の「シッパル」と似ていますが、「バ」の発音が濁ります。

韓国のカジノのポーカーでは、「千ウォン」を省略して、18,000ウォンをベットするときも、「18」(シッパル)と言うことが多いので、「シバル」と間違えないようにしましょう。

5.アンバッタ(안보았다)

ノールック。見てない。

韓国人プレイヤーとのポーカーで最も盛り上がるのがこの「アンバッタ」が飛び交うシーンです。ノールックプレイです。

プリフロップで自分のハンドを全く見ないで大きなレイズやオールインしてくる場合やコールしてそのままフロップ以降も自分のハンドを全く見ないでプレイしてくる場合などがあります。

腕試し、度胸試しというか、膠着したムードを壊したいのか、理由はいろいろでしょうが、よく見かけます。

たまたまその時に強いハンドを持っていれば、これ以上に美味しいことはありませんが、微妙に強いハンドのときはしびれます。複数人数がコールしている場合などは、そういうシチュエーションを経験していないと扱いが難しいです。

例えば、ボタンの位置の人が「アンバッタ」と言ってて、ノールックで30BBのチップを置いたときに、もし自分がUTGで「AA」が入ったら、レイズでなくコールにした方がよいです。レイズすると「アンバッタ」のアクションは変更できる取り扱いになることが多いです。ボタンの後にリレイズを検討すればよいです。
逆に、30BB打たれることが分かっているので通常はコールのハンドでも30BBにコールできないのであれば最初からダウンすればよいです。

これを知らないと巻き込まれて多くのチップを失うこともあります。

フィリピン編

フィリピンの場合は、ポーカールームに来る人はだいたい英語が話せます。フィリピン人の英語は非常に聞きやすく、フィリピンに英語のために留学する人が多いのも納得します。

フィリピンは地域によって、マニラなどのタガログ語、セブなどのセブアノ語(ビサヤ語)など複数の言語がありますが、ポーカーをやってる限り、その違いはあまり分かりません。

数字の表現は、2から10の数字のカードを言い表すときは、スペイン語と同様に表現することが多いです。
1、uno (ウノ)
2、dos (ドス)
3、tres (トレス)
4、cuatro (クアトロ)
5、cinco (シンコ)
6、seis (セイス)
7、siete(シエテ)
8、ocho (オチョ)
9、nueve (ヌエベ)
10、diez (ディエス)

A、K、Q、Jは、そのままエース、キング、クイーン、ジャックと言ってることが多いですが、11以降は
11、onse(オンセ)
12、dose(ドセ)
13、trese(トレセ)
というようです。

現地の言葉でも数字を表す言い方があるのですが、カードの数字を言う時には使われないようです。

よく聞く5つの言葉を紹介します。

6.モンゴ(mongo)

小さい。豆。

プリフロップオールインになって、欲しいカードを呼びこんで叫びあうことがあると思いますが、その時に「モンゴ!モンゴ!」と言ってることがあります。
日本語でいうと「ローカード!」みたいな感じだそうです。小さい数字のカード来て、という意味。
モンゴは小さい豆という意味で、実際に固有名詞なのか、そういう豆があるのか分かりません。
AKo対JJみたいなときに、JJの人が叫ぶ感じでしょうか。

フィリピンのポーカーはかなりワイワイとしゃべりながら進むので、雰囲気としても楽しいです。

7.パッタイ(pattay)

死。死ぬ。

これがいちばん最初に覚える言葉かもしれません(笑)。

相手が強い役でショーダウンしたときに「死んだー」「負けたよ」という感じで言う時や、ターンで不本意なカードが開いて「死ぬ」「ヤバい」みたいな感じで言う時があります。

他の国の人もこの言葉を覚えて、フォールドするときに「パタイ!」と言ってたりします。

手で自分の首を切るジェスチャーをするのが、それらしくなるポイントです。

「あんなのをコールしてたら、お前、死んでたよ。」みたいな感じで相手にこのジェスチャーをしながら伝えたり(笑)。

8.アラノ(arano)

Oh,no!

これも、プリフロップオールインでコミュニティカードをめくる時によく聞く言葉。

少し押さえたテンションで言うことが多いので、日本語の「からのー」に聞こえます。「Aが出たけどー、しかし、ここから」みたいな意味で言ってるように聞こえて、ウケたのですが、実際は、「Oh,no!」という感じの意味のようです。

9.スス(sus)

ちくしょう。なんてこった。ジーザス。

カードを捨てるときに良く聞きます。

「ちくしょう!」「クソ!」みたいな感じのセリフで、意味を聞いたら「Shit」と同じと言われたのですが、実際は語源はまったく逆らしく。

日本語で困ったときに使う、「神様!仏様!・・・」みたいな感じの言い方で、もとは「susmariosep」で「Jesus,Mary,Joseph」と3人の聖人の名前をつなげて、「ススマリーオセップ」というところからきているようです。

若くてごっつい男性が使ってるイメージ。

10.アイナコ(Ay, naku)

まったく、もう。あーあ。

これも感情表現なので、なんとも訳しようが難しいのですが、「まったく、もう」「あーあ」とか「オーマイゴッド」とか、そんな感じですが、女性がよく使う印象です。

語源は「かあちゃん!」みたいな感じだそうです。

困り顔の女性が空っぽの財布を見て、低いテンションで「アイナコー」と言ってたりします。
最後に席を立つときに言ってることが多い。

フィリピン人は、自らを「フィリピン人」というときには、男性であれば「ピノイ(pinoy)」という言い方を好むようです。女性形は「ピナイ(pinay)」。

ときに韓国人のフリしたり、フィリピン人のフリしたりというのも、ポーカーの醍醐味です(笑)。

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