見出し画像

【松下幸之助に学ぶ 子育ての極意】  子育ての原則を知る(P50)

中学受験ママコーチ 美月ゆりです。

今回の「松下幸之助に学ぶ 子育ての極意」は、松下氏の書籍「親として大切なこと」P 50です。

ここでは、松下氏の「子どもとの関わり方」に関する考えが「子育ての原則」として述べられています。

言うべきことを言い、叱るべき時に叱り、可愛がる時に可愛がる。
こうして育てられた子供は、感謝する心を学びます。

松下氏は、「言うべきを言い、叱るべきを叱るという厳しさがあって初めて人は目覚め成長する」と考えておられました。ときには社員が卒倒するほどの厳しさで叱ることもあったそうです。自ら実践し、実際に結果として、そうした中から優秀な社員が数多く育ったからこそ、この言葉にも重みがあります。
これについてもう少し掘り下げて見てみましょう。


■子どもが親や先生を馬鹿にするのは・・・

親を馬鹿にし、先生を馬鹿にすることは原則として許されない。あってはならんと思うんです。

松下氏は、原則、子どもや部下が親や上司に反抗するものではない、と考えておいででした。

ヒエラルキーという言葉をお聞きになったことはございますか?
それは、ピラミッド型の階層社会(組織)をいいます。
松下氏は道徳観からというよりは、経営において、このヒエラルキーが守られていることの重要性を感じておられたのではないでしょうか。社員の方向性を統一させ、力を結集することができ、会社の繁栄につながると実感しておられたからこそ「上を馬鹿にすることは原則として許されない」とおっしゃったと思います。必要な時に厳しさをもって叱るのは、会社が存続、繁栄していくために必要であり、それは従業員の生活を守ることでもあるから。

ヒエラルキーを守る、ということは、秩序を守る、ということ。先進国の治安がいいのは、秩序が守られているから、ですね。秩序が乱れていれば、治安は悪くなり、物事がスムーズには進まなくなります。

人の脳の中も同じです。感情優位で被害者意識が強いと、理性で制御できない状態(子供脳>大人脳)になります。冷静さが失われ、適切な行動ができないのは、脳内でのヒエラルキーが崩れ、ぐちゃぐちゃ、ということ。つまり脳内の統制が取れない(感情に振り回される)ので、現実に問題が起こりやすくなります。また、パフォーマンスも下がるため、能力も伸びません。

どうしてそうなるかというと、幼少期に親に対して抱いた「〜された」「〜してほしかった」「〜してもらえない」といった恨みが、感情を司る大脳辺縁系(子供脳)に記憶され、親を悪者(=親を下げる)として捉えるからです。本来は「親が上で子どもである自分は下」であるとするヒエラルキーが、思考パターンとして「自分が上、親が下」と逆で定着したために、脳内でのヒエラルキーが逆転してしまったのです。

例えば雛飾りがありますね。
一番上には本来、お内裏様(ご両親)がいて、その下に女官や仕丁がいます。
ですが、親に恨みがある方の脳内では、お内裏様(ご両親)の上に「子どものあなたが君臨!」となっています。(ヒエラルキーの逆転)
この思考パターンを手放さない限り、あなたが結婚すれば、いずれあなたのお子様があなた(や夫)を、あなたがかつてご両親にしたように扱い始める、といったことが起こり始めます。職場でも、部下があなたのいうことを聞いてくれず、なかなか成果につながらない、といったことが起こります。

松下氏は、子どもが親や先生に反抗したり、見下した態度を取るのは、「親が親として言うべきことを言ってない、やるべきことをやっていない、つまりいい加減なところに起こる場合が多い」と、その原因を見ておられました。
親が言うべきことを言ってないのは、頭の中に子どもの頃に叱られた親への恨みが残っていて、「叱る人は悪」と意味づけているために、自分が悪い人になるように感じて子どもを叱れないのです。
あるいは、自分もかつて親や先生を馬鹿にしていたから、子が自分に対してそうする時に、子どもの気持ちもわかると感じて、叱ることに罪悪感や迷いが生じます。それを子どもはよく見ていて、見逃しません。

子どもは親のいい加減さや甘さに気づき、そこから親と同じように手を抜くし、親が自分を棚に上げて注意すれば言い返します。そしてそんな子どもをやはり注意できないために、子どもは調子に乗ってよりひどくなっていきます。
ではこの悪循環を止めるためには、どうしたらよいのでしょうか?

■その導き方、お子様にフィットしていますか?

子供の性質は皆千差万別であります。ある家ではこういう教育をしている。そういう教育がこのその子どもにはちょうど適合している。しかしうちの子にその通りにやっても子どもは違うから、返って逆になることがあります。だから人を見て法を説くことになります。

育児書やネットの情報を参考にしても、我が子に合う合わないがある。お母様ならもうすでに何度も経験済みのことと思います。
お子様に合うかどうかは、観察がとても重要ですが、感情が揺れ動いている時は、冷静に観察することができなかったりもしますね。

また、自分が子どもの時、「親に合わないやり方をされた=自分の思い通りの対応でなかった」と感じているなら、それは大人になった今も、当時の親への恨みを持ち続けているということ。
ではなぜ、何十年もたった今も、その恨みを持ち続けているのでしょうか?
それは、そうすることに何らかのメリットを感じているからなのです。実際はそれこそが問題を創っているのですが、それに気づかず、持ち続けていようとしているのです。

いずれにしても、幼少期にあなたが創った思考パターンが原因。これを変えるには、ヒエラルキーを受け入れられるよう、子供脳をしつけ直し、脳内回路を成長させること。
それには、その根っこである「親への恨み」を取ることが最初の一歩、です。


■どんな親でも、必ず子供への愛がある

子どもはやはり厳しくしつけていく。温かいうちにも厳しくしつけていくことが、やはり原則だろうと思うんです。
かわいい我が子のために親が厳しくしつける事は、これは親の尊い義務だと思います。そういうことに取り組む勇気がない、それだけの熱意がないということは、失敗だと思うんです。

親に「対等」を望んだり、「圧」を感じることを毛嫌いしたり、逆に親や先生を見下したりバカにするのは、過去の出来事でその感情を感じたときと似た場面になった時に、感情(子供脳)が暴れ始めるからです。
 
「子どもの私の方が親よりも上。だから大切にされて当然」という意識を、子どもの頃にお持ちだったのではありませんか?もしかしたら今もかもしれません。しかも無意識で。
だから「私の思う通りにしてくれない親=悪者」とします。
だから親を上に置きたくない。自分を上に置いていたいのです。親を悪者にしたままで。

私もかつてそうでした。汗
その上、親に多くのことを望んでいました。
だから、自分が自分の子供の願いを叶えられないと、罪悪感を感じたこともあります。
それは自分が親に求め、叶えられないと親を責めていたから、自分も子どもから同じように責められているように感じて苦しいのですね。

私が学んだ、現象学から生まれたフラクタル心理学は、「どんな親でも、必ず子供への愛がある」という観点に立って、起きている現象を見ます。そしてその「愛」は、一緒にいることや世話するといった「子どもの愛」ではなく、相手の成長を促す「大人の愛」です。つまり、どの親も子の成長を願い、そのために厳しくしつけるのです。社会でしっかり生き抜ける力をつけるために。

あなたも母となってわかったと思いますが、どんなに腹がたっても、それでも子どものために何かしたいと思ったりしますよね?実はそれこそが「無償の愛」なのです。ですが私たちは、自分が子どもの頃、「親が望むように動いてくれなかった=愛がない」と勘違いします。子どもの頃は、視野が狭いので、「怒られる=嫌われている」といった勘違いをしがちだからです。
また、時にはそこに圧や恐怖も感じるでしょう。
とりわけ怒る大人の男性(父親)は、体が大きいのと心の距離が離れているために、子どもの頃は生まれる恐怖も母親に対して抱くものより大きくなります。
「怖い」=「悪い」ということになっていないでしょうか。
「エネルギー差が大きいと、悪者に見える」からです。

ですが、あなたがそうであるように、親は、子供の将来を考えて注意する、叱る。それでもきかない時は、怒る。あなたのご両親も愛があるからあなたに厳しくしていたのです。「厳しさは愛」であり、その愛は必ず伝わる時がきます。ただしそれは、受け取る側に準備ができてようやく、です。
愛が大きい人は怒りも大きくなります。あなたがイライラを感じやすいのは、それだけ、お子様に対する愛が大きい証拠でもあるのです。ただ、そのイライラをお子様にぶつけてしまうから問題となる、ということです。

お子様は、あなたの子ども時代の世界の見方そっくりに再現します。親であるあなた本人が記憶になくても、あなたが幼少期にしていたことをあなたにします。
お子様が反抗したり駄々をこねてグズグズ(=消極的反抗)して、それにイライラするなら、それは「あなたのかつてのやり方」です。あなたが我慢していい子でいたなら、お子様がいい子に育っていると思っても、実は我慢をしているかもしれません。

「私はこんなことしなかった」
「私だってそうしたかったけどできなかった」
それでも、思っていたということはご自分の中にその思考は「あった」ということであり、そのやり方をあなたは選ばなかっただけです。そして代わりにお子様がやっているのです。

「子は鏡」。お子様はいつだって、あなたの深層意識にあるものを、いいものも悪いものも身を以て映し出し、今のあなたが気づくべきこと、必要なことを教えてくれているのです。
それを受け取り、問題を解決するには、自分の親への恨みと向き合うことがスタートです。受け取り、お母様が成長できた時、お子様はようやく問題をつくるのをやめます。

この世は一元。あなたの思考が、あなたのすべての現実を創っています。例外はありません。

■まとめ

精神を込めて教え導き、本当に叱るべき事は叱っているのかどうか。温かい心を持って叱るべきことを叱っているかどうか。
そうして育ってきたならば、彼らには魂が入るだろう。本当にありがたいと言うことがわかるだろう。自分が今日ある事は先生の本当に親切な教え導きによってであるという、感謝の念が湧くだろう。


本当に言うべきことをいい、叱るべき時には叱り、かわいがるときにはかわいがるということをやれば、子どもにあなたの愛はしっかり伝わり、信頼関係も育まれます。
もし今それが難しいと感じているなら、あなたの中にある、親への恨みとしっかり向き合う必要があります。
感謝はするものではありません。感謝は湧いてくるもの、です。「親に感謝しなきゃ」と思っているのなら、心のどこかにまだ、「親のせい」があるということです。それが無意識の「さげ母・コミュニケーション」を生み出しているのです。

あなたの脳内で、お内裏様(ご両親)を、女官や仕丁の段(下)に座らせていませんか?
お内裏様(ご両親)をちゃんとトップに座らせていますか?

このヒエラルキーが整っていると子育てが楽なだけでなく、パートナーシップなど人間関係全般と職場の人間関係が改善してきて、結果として全体的に幸せに豊かになっていきます。特に中学受験では信頼関係がお子様の学習効率や成績アップに大きく影響します。つまりヒエラルキーを理解し、子供脳をしつけ直すことは、「あげ母」の土台なのです。

ヒエラルキーを子供脳にビシーッと教え、子供脳を成長させて、大人脳を増やしていくことは、心の落ち着きと冷静な判断力などを培うことにつながり、あなたもあなたの深層意識の鏡である周りも、実際の社会でも成功していけるようになります。これが「あげ母・コミュニケーション」ですね。
あなたも毎月の「あげ母レッスン」で一緒に「あげ母・コミュニケーション」を学びませんか?


美月ゆり 毎月の勉強会「あげ母レッスン」はこちらから♡


ご一緒できますこと、楽しみにしています。