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行方

求めるよりも願うことが多くなった。
どうかどうかあなたが幸せでありますようにと。
あなたの夢がまた動き出しますようにと。
あの日々を宝箱に閉じ込めて、新しい特別を求めずに穏やかな毎日を過ごす姿を見て そうだよねえ あなたはそういう人だよね と笑うことも当たり前になった。私も歳を重ねたんだなと。少しは大人になれたのかもしれないと嬉しくも寂しい気持ちになっていた。

ごめん。全然そんなことなかった。
それが本望だと言うくらいに身を削り真っ赤な炎のように燃え続けるあなたの人生が好きだ。
全身全霊で抱き締めてくれるあなたの愛がほしい。
会いたい。声が聞きたい。その世界で1番愛おしい名前を呼ばせてよ。私のことを守ってよ。思い出だけじゃ足りないの。この愛情を何度も確認してよ。何度も何度もくどいくらいに言葉を重ねてよ。あなたの背中を見つめて生きたい。あなたの愛情を背に生き続けたい。強い言葉で縛ってよ。時に痛みを伴う正義を一緒に信じさせてよ。あなたがいなくても私は生きていけるけど、やっぱり一緒に生きたいよ。私には翔くんがいるからって思うだけで強くなれたよ。私は私の正しさを信じることができたよ。私の体に流れる血はあなたからの愛情でできているよ。だからやっぱりほしい。求めてほしい。必要とされたい。こんな拗れた感情間違っているかもしれない、誠実じゃないかもしれない、傍から見たら滑稽なんだろう。それでもいいよ。歪かもしれないけど私が初めて自分で育てた愛情だからいつまでも信じさせてほしい。
こんなことを誰よりも夢の続きを求めているあなたに求めたって仕方ないのにね。お互い、願うことしかできないのにね。辛くはないですか?泣くことも悲しむこともどん底へ落ちることも許さなかったあの日のあなたは後悔してないですか?ちゃんと悲しまないと時間は止まったままなんじゃないかと思います。それでいいと言うならわたしもここに居座るだけです。でもあなたが辛いのはいやです。わがままも言えずに願いも叶わず、なんてそんなことあっていいわけない。世界は早く翔くんに嵐を返してよ。

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