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追想

"ハジメテは全部君だけ"

何回聴いただろうか。
これから何回聴くのだろうか。
確かに私の"ハジメテ"は全て貴方が攫ったけど
きっとこれを聴いて貴方を想うことはない。


私が初めて好きになった芸能人は貴方。
私は異性が苦手だったから初めて好きになった人と言ってもいいくらいなのかもしれない。

初めてテレビドラマを録画した。
初めて深夜バラエティを見る為に夜更かしをした。
初めてはオリンピアで買った非公式グッズだったかな(笑)
CDを買った。DVDを買った。
擦り切れるほど同じDVDを何度も見た。
「暗中模索」だと笑う貴方の言葉の意味が当時はよく分からなかった。
「今は少し2人とも辛い表情しまっておこう」と苦しそうに天を仰ぐ姿が目に焼き付いて離れなかった
プロフィール帳の好きな人欄はいつも貴方の名前。
カッコイイのにふざける貴方に「なんで?」と、人に対して複雑な気持ちを抱くのはこれが初めてだった。

当てはまらないなぁと思ってたけど小学生の頃は意外と「シュンとなってキュンとなって」いたのかもしれない。

初めてコンサートに行った。
コンサートのグッズを買うために初めて始発の電車に乗った。
初めて飛行機に乗った。
1人では何も出来なかった私が今では全国飛び回っている。
初めてうちわを作った。
貴方がファンサしない人だなんて中学生の私は知らなかったから裏の「ピースして」の文字は一生成仏することはないけれど(笑)
ペンライトの海に飲み込まれる感覚
上手にC&Rできると褒めてくれる
心を奪われる
貴方のまっさらな言葉
どうしようもない喪失感
幸せしかない夢の世界
愛されていると実感出来る空間
これ以上ないと本気で思った


貴方は正しい人だから沢山喧嘩もした。
おかしいでしょう?アイドルは幸せを届けるもので、ときに優しい嘘をついて夢を見せてくれるもの。なのに貴方はそんなことしないから。ただひたすらに正しく生きること。それがどれだけの事かわからなかった私は「なんでそんな言い方するの?なにされたって好きなんだからもっと優しくしてよ」って口癖みたいに言ってた。
難しい言葉並べて、どうしたって敵わない言い方で、そんなんだから誤解されてオタクに少し叩かれて、そんなのを見ているのが嫌だった。もっと上手くやってくれたらいいのにってずっとずっと思ってた。ずるく都合良く生きてみたらいいのにって思ってたんだよ。
でも離れるなんて選択肢はなくて「貴方はそういう人だよね」って全部飲み込んで肯定するようになった。貴方のファンに全肯定オタクが多いのはそうでもしなきゃ振り落とされるからだよ。
それでも貴方の掲げる夢は何より美しいから。
貴方の努力が実を結ぶ景色を見たいから。
そんな貴方が大好きだからなんだよ。

きっと私がいなくても貴方は生きていけるけど、それでも私の想いを糧に広い世界へ飛び出す貴方が好きなんだ。私が動けなくてどうしようもなくなった時に、前だけ見て戦い続けているはずの貴方が私を見付けてくれるのが嬉しいんだ。
「イメージしていた姿と違って離れていく人がいたら腕がちぎれるくらい大きく手を振って見送る」なんて言うくせに掴んだ手を離してくれなかったのは貴方なんだよ。


きっと私がいなくても生きていける強い人が弱っていく姿を見た。笑っているのに泣いていて、それでも正しく在ろうとする姿があって。一人で戦おうとする貴方が助けを求める先が私だなんて思ってもみなかった。
なんで?なんで本当の気持ちを自分のファンにだけ教えてくれたの?
嬉しかった。でも何も出来ないから苦しかった。みんなの為に生きるあなたの愛が私だけに向けられたこと。貴方が大切にしてきた"言葉"を使って独占欲のような繋ぎ止め方をしてくれたこと。実は私の事大好きだったって知れたこと。願いたいと思った。守りたいと思った。
「ひとりじめさせてほしい」なんて言われるなんて思わなかった。
言葉を武器にする貴方から「今日までの言葉は全て君のもの」と。
初めて出会った甘くて優しい貴方の姿。


こんなに人を愛したこと
離れられないくらい愛したこと
これからもそうなんだろうって思えること
あなたのいない天国よりもあなたがいる地獄を私は選ぶんだと思う
愛されたくて泣いたこと愛されすぎて泣いたこと
泣かない貴方の代わりに泣いたこと
貴方が幸せでいてくれなきゃ私は自分の人生を生きることも出来ない
強くて広い背中が大好きなんだ。
貴方がいれば大丈夫だと本気で思ってるんだ。

結婚したね。安心と寂しさといろんな感情でごちゃまぜになって訳がわからなくなった。いろんな初めてを貴方はくれたけど、こんな経験まで持ってくんだなって。
希望も絶望も喜びも喪失感も何もかも
本当に、全部、今までの私の全部は貴方が初めてでこれからもそうなのかもしれない。
そうだ。って言い切らないのは少しの意地(笑)

ハジメテは全部君だけ 

自分ばっかりでもうバカみたいだ
そのくせ目が合えば夢みたいだ

どこに辿り着いたとしても
なぜだろう 僕は止まれないんだ

ずっと離れたくなくて

ねぇ、今もだよ。


そうなのかもしれない。こんなにも甘くて優しい初恋のような気持ちは思い出せないけど、今も貴方を好きでいたいと思える理由なんだと思う。

ずっと必死なんだ。
届けてくれる愛を取りこぼさないように、愛されたくて守りたくて、幸せだけをずっと願っていて、一緒に幸せになりたくて、同じ夢を見たくて、見失わないように必死で、好きでいたくて。


アイドルはファンの人生に責任を持てないから自立しないといけないとよく言われているけれど
ここまで来たら無関係だなんて言わせないし
私も言わないよ
貴方が貫いた正しさは信頼に変わるんだ。


今年ももう終わるね。
1年間本当にお疲れ様でした。

私も貴方も変化した1年だったからこそ
変わらない思い出が愛おしくてたまらないです。


いつかまたね。交点の先で。

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