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S8-2の裏斬りの更新と拒絶毒について

はじめまして、ミツヤと言います。
この記事ではS8-2でよほど魅力的なアイデアが出たため更新が行われた裏斬りと、その魅力をさらに引き出してくれる拒絶毒について解説したいと思います。

※この記事は、へくとぱ(@3422project)さん主催の『ふるよに Advent Calender2023』への寄稿記事となります。


裏斬りの更新について

旧裏切りは何らかの手段で相手のオーラをすべて剥がした上でライフに通すコンボを前提とした使い方がメインのカードでしたが、S8-2の更新により普段は3/1のクロック打点として機能しつつ、オーラを0にすることを咎める圧を出せるカードになりました。(そして拒絶はすべてのカードが更新カードになりました)
この圧を特に上手く使える組み合わせの1つが拒絶毒(あるいは拒絶絆)です。
(なお、以降の文章では基本的に相手に軽減対応がなければという前提がつきます。ご容赦ください)

裏斬りと流転の霞毒

裏斬りはオーラを0にすることを咎めてくれますが、相手がオーラを1つ残してきた時にはバリューが下がってしまいます。しかし、ここで相手のオーラを1つ剥がしてくれるカードがあれば、ライフに1/3を通すことができます。
中でも流転の霞毒は
・裏斬りと同じ間合いで使用できる
・切札であるため手札に抱える必要がない
・消費が1と軽く再起が比較的容易である
などの理由から裏斬りとの相性が良いカードです。

誘導や意志と比較すると「攻撃であるため対応されることがある」、「ライフ受けされて打点が1少なくなることがある」などの欠点もありますが、一方で仮に裏斬りを手札に持っていなくてもオーラ1の相手に振ることでライフ2点をとれる可能性がある点は行動カードにはない利点です。
拒絶毒ではこの2枚の圧を出すことで他の攻撃をライフに通していきます。その上でこれらをケアしてオーラを2以上に保ってきた相手に対しては裏斬りを3/1で振ってクロックを刻んでいくことができます。

拒絶毒サンプルデッキ

通常札:八方振り、裏斬り、石突、飛苦無、遁術、(自由枠)、(自由枠)
切札:律動弧戟、流転の霞毒、(自由枠)

サイネ、チカゲといえば毒で相手の手札上限を圧迫し、緩んだ攻め手を無音壁、見切り、音無砕氷といった八相パッケージによって捌き、ライフ差をつけていく八相コントロールがメジャーです。しかし、拒絶毒は薙毒ではありません。拒絶は無音壁と音無砕氷を失っているため、八相コントロールを組むことができないのです。では拒絶毒は何をする組み合わせかというと裏斬りの圧で相手の受け方を歪ませ、攻撃をライフに通していくビートダウンがメインの戦術になります。

立ち回りについて

ここでは裏斬りの圧で攻撃をライフに通す立ち回りについて1巡目の折衝を例に薙毒と比較して見ていきます。

相手のオーラが5、手札に八方振り、薙斬り、飛苦無をキープしている状態で間合い5を踏んで攻撃をしかけていく場面を考えます。ここで八方振りを振っても相手目線ではオーラ受けをする裏目はあまりありません。続けて飛苦無、流転の霞毒と使用されてもオーラで受けきることができるからです。相手が近距離メガミの場合、空いたオーラで前進されてしまうことも考えられます。

ここで薙斬りが裏斬りだった場合について考えてみます。その場合、相手目線では最初に振られる八方振りをオーラ受けすることができません。オーラで受けた場合、続く飛苦無、流転の霞毒をオーラ受けすると、裏斬り1/3がライフに当たってしまうからです。裏斬り1/3をケアして八方振りをライフ受けした相手に対しては裏斬りを3/1で使用しましょう。これもオーラ受けしてしまうと飛苦無、流転の霞毒でライフを2点取られてしまうため、ライフに通ります。これにより相手のオーラが詰まったまま、ライフ2点を取って間合い5でターンを返すことができます。
このように流転の霞毒と裏斬りの圧を出すことで2/1をライフに通していくのが拒絶毒の基本的な立ち回りになります。

リーサルの取り方について

サイネの律動弧戟を絡めたリーサルにおいては俗にサイネ算と言われている考え方でリーサルを取れるかを簡易的に計算できます。具体的にはこのターンに行う攻撃のオーラ/ライフダメージのうち小さい方の数字を足していったときに、その結果が相手のオーラとライフの合計以上であれば、相手が適切にオーラ/ライフ受けを選択した場合でもリーサルをとることができるという考え方です。しかし、拒絶毒においては、裏斬りと流転の霞毒によってサイネ算以上の火力を出すことができます。

前項と同様に薙毒と比較して見ていきます。
相手のオーラが5、ライフが5、間合いが2で手札に薙斬り、飛苦無、遁術があり、切札の律動弧戟と流転の霞毒が使用可能な状態を考えます。

サイネ算で考えると薙斬り(1)、飛苦無(2)、遁術(1)、律動弧戟(1+1+2)、流転の霞毒(1)で合計は9となり、相手のオーラ、ライフの合計10に届かないため、リーサルを取ることができません。
実際に相手の受け方を考えていくと、相手視点では流転の霞毒をライフに通されることをケアすれば良いので、オーラを1つ残すように受けることになります。

  1. 遁術 オーラに1ダメージ 残オーラ4ライフ5

  2. 律動弧戟 オーラに3,ライフに1ダメージ 残オーラ1ライフ4

  3. 飛苦無 ライフ受け 残オーラ1ライフ2

  4. 薙斬り ライフ受け 残オーラ1ライフ1

  5. (流転の霞毒 オーラ受け 残オーラ0ライフ1)

となり、確かにリーサルを取れないことが分かります。

ここで再び薙斬りが裏斬りである場合を考えます。

この場合でもサイネ算は9なので、相手のオーラとライフの合計には届いていません。しかし、相手は流転の霞毒と裏斬りをケアするためには、オーラを2つ残す必要があります。
そのため、受け方としては

  1. 遁術 オーラに1ダメージ 残オーラ4ライフ5

  2. 律動弧戟 オーラに2,ライフに2ダメージ 残オーラ2ライフ3

  3. 飛苦無 ライフ受け 残オーラ2ライフ1

  4. 裏斬り3/1 ライフ受け 残オーラ2ライフ0

となり、リーサルが取れます。
このように拒絶毒は裏斬りと流転の霞毒を絡めることでサイネ算+1点のリーサルを取ることができます。
また上記の例は簡略化のために通常札を3枚に絞っていますが、ここに八相八方振りなどがあれば、その分リーサル打点は伸びることになります。

リーサル時の小技

リーサルを取りにいかなければいけないラストターンに飛苦無と裏斬りの片方しか引けておらず、リーサルに届かないという状況でも、相手に飛苦無と裏斬りの読み合いを仕掛けることで1点分の打点を追加する可能性を作ることができます。
相手のオーラが5、ライフが4、間合いが2で手札に「遁術」と「裏斬りor飛苦無」があり、切札の律動弧戟と流転の霞毒が使用可能な状態を考えます。
飛苦無を持っているパターンではサイネ算で8、裏斬りを持っているパターンではサイネ算7+1と、どちらも相手が適切に受けた場合にはリーサルが取れません。しかし、相手目線ではこちらの手札が裏斬りの場合と飛苦無の場合で残すべきオーラの数が異なっているため、最後の手札を使用するタイミングを後回しにすることで、相手が読み間違えた場合にリーサルを取ることができます。

手札に裏斬りがあり、相手が飛苦無をケアした場合
こちらの手札が飛苦無と相手が読んだ場合、遁術、律動弧戟まで振られた段階で相手が残すべきオーラは流転の霞毒をオーラ受けするための1つです。そのため、受け方は

  1. 遁術 オーラに1ダメージ 残オーラ4ライフ4

  2. 律動弧戟 オーラに3,ライフに1ダメージ 残オーラ1ライフ3

  3. 流転の霞毒 オーラ受け 残オーラ0ライフ3

  4. 裏斬り1/3 ライフ受け 残オーラ0ライフ0

となり、リーサルが取れます。
(※律動弧戟でオーラを1残した上で、流転の霞毒をライフ受けするパターンは裏斬りではリーサルになりませんが、飛苦無をケアできておらず、受け方が一貫していません)

手札に飛苦無があり、相手が裏斬りをケアした場合
こちらの手札が裏斬りと相手が読んだ場合、遁術、律動弧戟まで振られた段階で相手が残すべきオーラは流転の霞毒と裏斬りをオーラ受けするための2つです。そのため、受け方は

  1. 遁術 オーラに1ダメージ 残オーラ4ライフ4

  2. 律動弧戟 オーラに2,ライフに2ダメージ 残オーラ2ライフ2

  3. 流転の霞毒 オーラ受け 残オーラ1ライフ2

  4. 飛苦無 ライフ受け 残オーラ1ライフ0

となり、リーサルが取れます。

ちなみに上記では裏斬りと飛苦無のうち片方しか引けていないという設定で説明しましたが、両方を引けていて、相手の前ステップ対応の分、追加で1回後退が必要でどちらかを伏せなければいけないといった状況であれば、流転の霞毒まで振った後の相手の受け方を見てから伏せる方を決めることで確実に打点を伸ばすことができます。

自由枠について

汎用的なおすすめ自由枠

自由枠に採用するカードは相手のメガミや自分の好みによって変わりますが、ここでは対面を問わず大きく外さない組み合わせを紹介します。
通常札:遺響壁、毒霧
切札:絶唱絶華

遺響壁
破棄時効果から連撃が決まった時の火力は圧倒的です。次のターンに攻撃されそうなターンに置いて攻撃を躊躇わせたり、攻撃してきた相手に返しのターンで反撃したりすることができます。逆に、弛緩毒を置いてきた相手には八相状態で遺響壁を置くことで安全に破棄時効果を発動させることができます。
また、オーラ2で展開してターンを返すことで絶唱絶華のケアを困難にし、1ターン安全を得る使い方もあります。

毒霧
相手の手札を圧迫するとともに、流転の霞毒の再起を補助するためのカードです。毒霧はいつでも確実に毒を送るできるため、対面を問わず採用できます。相手にステップ対応がなく、決闘中に無理なく間合い4にいけそうなら毒針の方が良い場合もあります。麻痺毒、弛緩毒に加えて幻覚毒も刺さりそうなら暗器も候補になります。相手に毒が特に効果的な場合は、自由枠2枚を両方毒を送るカードにすることも考えられます。

絶唱絶華
オーラが0になるように受けた際に、相手の後続の攻撃を止めながらオーラを2つ減らして反撃に備えます。決まった時のバリューは非常に高いですが、ケアして攻撃されることが多いので過信は禁物です。使い所が重要なカードです。付与札の破棄時の攻撃や設置などの開始フェイズ中の攻撃に対応して相手のドローを飛ばす動きは渋い結果になりがちなので特に慎重に考えましょう。

その他の自由枠の候補カード

見切り
絶唱絶華をケアして攻撃された際に両ステップ対応を構えることができます。近距離メガミ対面のステップ対応は遁術、石突で足りていることが多いので、どちらかというと中遠距離メガミ対面の時に採用を考えます。

圏域
近距離メガミに対するメタです。拒絶は音無砕氷でダストを作れないので、展開するためのダストがあるかも考えて採用しましょう。

衝音晶
軽減対応と攻撃の起点を兼ねる器用なカードです。軽減対応が欲しい時や他のカードがあまり有効でなさそうな時に採用します。ほとんどの対面である程度の仕事が期待できる汎用枠のカードです。

抜き足
遠距離レンジロック対面で採用することがあります。状況によっては完全に腐ってしまうので、採用は慎重に検討する必要があります。

毒針、暗器については毒霧の項で説明したので割愛します。

共鳴共振
最近のゲーム速度では律動弧戟と合わせて使用するためのフレアを溜めることが難しいため、採用率は低めです。律動弧戟のフレアすらなさそうな場合に律動弧戟と入れ替える形か、どちらか片方のみを使用する前提で採用します。ごくまれに6フレアで使用して裏斬り1/3をライフに通すことがあります。

氷雨細音の果ての果て
切札攻撃に対するメタです。採用していない場合でも、採用しているフリをしておくことで相手にケアを強要できます。ただし、相手を順調に追い詰めていった場合、相手は果て果てのケアを切って暴れなければならなくなることがあるため、当たると思える場合には勇気を持って採用しておくことも必要です。

叛旗の纏毒
特定の攻撃に対するメタです。どうしても消したい攻撃や対応がある場合に採用します。

チカゲO(毒)とチカゲA(絆)の選択

ここまで紹介した通り、このデッキの基本的な動きに必要なカードは毒と絆が共通して持っているカードであるため、拒絶絆でも同様の戦い方ができます。筆者は毒霧が自由枠の選択肢にあった方が安定するため、拒絶の横としてはやや毒の方が良いと考えていますが、環境や三拾一捨の横次第では絆の方がマッチしている場合もあります。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございます。
拒絶毒は薙毒ほどのコントロール性能はありませんが、薙毒とは異なる強み、面白さがある組み合わせだと思います。
この記事を読んで1人でも拒絶毒に興味を持って使ってみてくれる方がいれば嬉しいです。

この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」からお借りしております。
URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

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