投資日記:ドル不足について思うこと

日経:ドル不足 調達金利上昇
米利上げ・新興国不安 邦銀、10年ぶり水準

日経だと記事タイトルが出ないので、ロイターも貼って置くと、

ドル不足が懸念されているそうだ。

日経の記事によると、邦銀がドルで貸し出すのが75.8兆円、邦銀が預かる外貨預金は62.9兆円、差額の13兆円程度を外国の銀行から借りなくてはならないが、その調達金利が上がってしんどいという話。

もっと噛み砕いていうと、「日本企業が借金してドル払いの外国企業の買収をしたのはいいんだけど、支払いに使うドルが足りない。ドルを調達するために欧米の銀行から借金をするんだけど、その金利が辛いっす。もう、2−3%になっちゃって」という話であると理解している。

邦銀の実力不足というか、邦銀の実力不足というか、邦銀の実力不足だ。
ドルの預金を集めるとなると、トヨタだろうがホンダだろうがなんでもいいのだが、要するにドルで稼いでいる企業から、ドルの預金をとってくれば良いのであるが、それが取れないということであろう。日本企業の手元資金はたくさん余っているのであるから、それを確保できればいいはずであるが、それをドル預金としてキープできない。そりゃ、米国債を買えば、2-3%の金利を得られるのであるから、ちゃんと金利を出さないと銀行に預けずに、企業としては米国債を買う。そうならないように、邦銀は預金を集めなければならないはずだが、集められていない。けど、ドルで貸しちゃったという話でありそうだ。

そろそろ日銀のゼロ金利政策も限界が来ているように思える。日本の金融緩和は、米国も金融緩和で、ユーロも金融緩和で、日本も金融緩和なら成り立つが、今のように、「米国債買っとけば3%の金利がつきそうだよな」という常識の中で、「日本の銀行に預けておけば金利は、0.0000X%だよな」という感覚で、一千万円貯金していても数円というイメージの利回りを出しておいて、うっかりコンビニでゆうちょのATMなど使おうものなら200円を超える手数料を取られる現在、邦銀に預金を是非とも入れようと思う人は誰もいない訳である。

本当は、邦銀もリテールバンキングもちゃんと海外進出できていれば、ドル不足に悩むこともないような気がするのだが、日本であれじゃ、米国でやっていける気もしない。

で、日本円が売られて、ドルを買いに向かうのである。

そろそろ、圧力に屈するしかなくなる日銀のゼロ金利政策は、出口を模索し始めており、数年前から量的緩和の出口を探っている訳だ。おそらく、今回の日本の好況はこれで終わるのではないだろうか。

つまりは、

ドル不足、円安、でも管理貿易で輸出増えない、円のキャピタルフライト、さらなる円安、インフレ、日本は金利を上げざるを得ないし、物価上がって低金利にする理由無くなる、金利上昇、信用収縮、住宅ローンの貸し剥がし(特に賃貸アパート物件)、住宅不況、消費不況

2020年の東京五輪に向けた公共投資も終わり、数多くの低金利を前提とした公共投資計画や民間のインフラ投資計画が破綻して、好況が終わるような気がする。

長年続いた金融緩和と低金利で、現金不足、お金を引けないという感覚がなくなりつつあるのが、怖い日本社会である。

ドル円と、金利と、日銀の政策を観察続ける必要がありそうである。


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