本当に中国のGDPは世界一になるのか?

新春の日経新聞にこんな記事が。

記事の中に、

日本経済研究センターが昨年12月にまとめた予測によると、中国は名目GDPで28年にも米国を超える。コロナ危機の前は、早くて36年以降とみていた米中逆転が大幅な前倒しとなる。中国から始まったコロナ危機が、逆に中国を強くするという皮肉な未来が現実味を増す。

こんな内容があり、中には、こんなチャートが。

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IMFと日経の推計によると、2028年には、中国のGDPが米国のそれをこえるらしい。

ほんとかよ!!

IMFと日経センターが機能不全を起こしているとしか思えない。

というのは、まず、これがある。

中国企業には膨大な借金があって、これからは返済する一方である。

今までは、外国から中国に資金が流入していた。その経路は、株式であり、債権であった。外国でのIPOは絶たれ、香港の市場は死に、社債はデフォルトが続いて基本借り換えでも貸そうとする投資家は減るだろう。中国は外国の資本ではなく、国内の資本をインプットとして回す必要がある。おそらく、インプットは減るだろう。

アウトプットたるGDPの方は、投資輸出頼みであり、中国の消費というのは弱い。当然、消費は増やすのだろう。しかしながら、輸出は、米国に圧力をかけられて減るだろう。今、中国経済を支えているのはマスクであるが、このマスク、コロナが収束すればなくなる需要である。主要な輸出産業であるマスクがなくなった時の中国の輸出の成長ドライバーはなんなのか、全く見えてこない。

輸出が減るので、工場への投資も行われないのではないか。投資をしようにも、ハイテク分野での技術を絞られているから買えない。作れない。せっせと、国内の道路を作ってみても、海外への輸出が増えるようには思えない。

というアウトプットの状況で、資本調達の株式による調達はなくなり、債権による調達も貸し剥がしが考えられる。その中で、中国経済はどうやって成長するのかが、私にはさっぱりわからない。インチキ統計以外に何か方法があるのだろうか??

上記の呑気な日経センターさんは、中国やIMFの発表を信じているようであるが、私は、それを信じて良い気がしない。

中国という国へのインプットは確実に減り、製造設備などの稼働率は下がり、その製造設備の競争力も失われていくのではないだろうか。借りたお金を返せないデフォルトが相次ぎ、金融不安が起きるのではないだろうか。その中で、中国は本当にドルベースで経済成長ができるのだろうか。

別に、中国が米国以上に成長するシナリオがあっても良いのだが、もう少し、その構造を噛み砕いて、そのメカニズムをしっかりと研究したレポートが欲しいところである。

厳しい対中政策だけは、米国の大統領が変わっても、トランプ大統領の共和党政権から、バイデン大統領の民主党政権にも引き継がれる様子であるので、中国経済が成長するとは思えないのだが、どこの業種がどれくらい伸びるのだろうか?まさか、ハイテクじゃないだろうし、通信でもないだろうし。

うーん、グラフの意味が全くわからん。

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