米韓同盟の消滅と日本の安全保障

鈴置さんのコラムより。

韓国にいる米国大使がついに、米韓同盟消滅、という所に言及を始めたという話。鈴置氏のコラムを読んでいる人であれば、あまり、驚くところはない話であるが、いよいよ感がある。今の韓国政府は北朝鮮と一体である。

記事の5ページ目にあるのが、日本との関係が悪化している。日本にとって、韓国は条約を結んでも勝手に破棄するので、外交不可能な国である。安倍外交はこの意味では正しくて、韓国を無視している。私も、それでいいと思う。

このコラムで目から鱗なのは、ここ。

日本を怒らせ日韓関係を破壊すれば、米韓同盟にもヒビが入ります。日本では「韓国防衛のために日本が戦争に巻き込まれる危険性を冒すべきではない」との主張が高まり、朝鮮半島有事の際の在日米軍基地の使用が難しくなるのは間違いありません。

考えてみると、日本の北朝鮮リスクというのは、北朝鮮と日本が対立しているから。米国が韓国から軍事基地を撤収し、日本は、朝鮮半島有事に日本の基地を米国に貸さないと宣言する。この場合、北朝鮮が米国にミサイルを打ち込む理由もないし、日本の基地に核ミサイルを打ち込む理由もなくなる。日朝関係で、後に残るのは、北朝鮮の拉致問題ぐらいのもので、日本の拉致問題を米国のトランプ政権と解決できれば、日本から北朝鮮のリスクは綺麗になくなるのではないかという話である。

北朝鮮は、中国と違って日本の領土に侵攻してくることは無いだろうし、韓国のように日本の島を不法に占拠したり、国会議員が不当に上陸などしない。拉致問題さえ解決してしまえば、北方領土と同じく、経済協力なら可能な国であろう。前提として、米国の朝鮮半島撤退があるが、これも米国が少しアジア戦線を後ろに引くことに、躊躇があるのかは非常に怪しい。

論点として残るのは、米中の関係である。先鋭化する米中関係がある中、北京の喉元に当たる韓国に軍事基地を米国が置きたいかどうか、この一点にかかっていると言えよう(こちらも兵器の変遷があり、基地を置くのが良いのか、潜水艦で代替できるかの技術的な問題だろう)。

日米は一歩引いて見れば、韓国が北朝鮮軍に蹂躙されようが、軍事力や経済力で脅されて中国の属国に戻ろうが、日本が安全であれば何の問題もない。

米韓同盟消滅後の日本の平和を本気で考える時代にきており、そうなると、日本海の防衛体制の構築が、新たな論点になっているという話であろう。

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