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中国を取り巻く安全保障環境の変化

起きていることは静かだが、起きていることを冷静に振り返ってみよう。

中国軍機が、台湾と中国の中間線を超えたとのこと。台湾の南から横切って西太平洋に出て、北の宮古海峡から中国に戻る示威行為を取ったとのこと。台湾がWHO加入を試みたので、牽制と取られていると言う記事である。


さて、最近の中国周辺といえば、こうである。

・香港で、独立運動が起きている
・台湾は、中国に取り込まれるのは嫌だと言っている
・チベットで、監視社会を作り虐殺を繰り返している。暴動は日常茶飯事

と安定しない。領土拡大どころか、領土が減っていく方向である。

軍事的な中国包囲網は狭まりつつあり、こちらも袋の中のネズミ状態になっている。

・空母やその艦隊は、東アジア・東南アジア各国への地対艦ミサイル配備により無力化されていて、役に立たない。潜水艦の戦争に勝てない中国は、米国のミサイル潜水艦とF35というステルス偵察機を以って、艦隊を壊滅させられる可能性が高い
・ステルス戦闘機はあるが、管制の方の技術がないのでさほど役に立たない
・米国は、ステルス偵察機と潜水艦からのミサイルでいつでも中国を攻撃できる軍事力を持っている

軍事的にはほぼ封じ込められている中、強がりと言った部類の話で、尖閣諸島に船をよこして威嚇をしたり、爆撃機と戦闘機を台湾の方まで飛ばして威嚇をしている状態である(註:対米国という意味で中国は弱いと言っているのであり、日本が「中国は弱い」と考えるのは危険である。日本の軍事力は弱く、日本にとって中国は軍事的に弱い存在ではないことに注意が必要だ。核ミサイル数本で、日本は容易に中国に負ける)。

国内経済は、米中貿易戦争の米国関税ですっかりしぼみ、生産拠点としての位置付けも急激に海外に移転が進んでいる。成長戦略の一部である5G機器などのハイテク機器は、米国の規制により取り潰されている。

そんな中、コロナウィルスが中心都市に発生し、パンデミックになってしまった。春節に人を止めないと言う初動のミスを犯したおかげで、病気は世界に蔓延し、世界に対して迷惑な存在というポジションを確固たるものにしてしまった。しかも、今までの、礼儀がない、厚かましい、うるさいなどの悪評判だけでなく、死をもたらすウイルスを運んで来る、という非常にわかりやすい実害をもたらしてしまったので、状況はさらに悪い。ただでさえ嫌われているのに、完全に嫌われて、嫌われた地位が不動のものになってしまっている。


まとめると、こうなる。

・領土は減る方向
・軍事的には負けている
・経済の勢いは失われ、しぼむ方向
・世界中の人間に嫌われている
・国内にはウイルスが蔓延して、人が死んでいる。街に死の恐怖が蔓延


まさに、四面楚歌である。


これら全てが、習近平の政策により起きたことである。流石の習近平の権力も近く持たなくなるのではないかと私は予測する。そうなると、中国共産党崩壊の可能性もあるわけで、政権崩壊に続くのは中国の内戦であろう(李克強あたりへの権力移譲で済めば良いが、そう単純には行くまい)。

原子力発電所や核兵器をたくさん持つ中国であるから、地球の安全保障問題として、ポスト習近平の中国における核管理という問題が、世界の安全保障に取って大切になって来るのではないだろうか。

米国にその確固たる戦略があると良いのだが、米国の中国戦略は常に甘いので、1日本人としては、不安である。日本の防衛省あたりでも、ポスト習近平の中国の核管理の問題をしっかり考えてまとめておいて欲しいものである。やるのは米国でも、日本が戦略を考えておくことはできるはずだ。


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