トランプ再選はあるのか

日本の論調では、相変わらず、「気がふれたトランプ大統領」と言ったところだが、実際は、そうでもなさそうだ。

記事の内容は、米国共和党から反トランプ派が去り、トランプ親派が増えているという話である。支持率は40%と保守派の支持は、安定しており、次の大統領選挙の共和党候補は、トランプ大統領以外見えてこないという話(しかも、これは、ワシントンからのレポート)。

トランプ大統領の是非はともかく、米国にとって異常だったのは、大統領のいうことを聞かない大統領スタッフであったことである。これが、著しく米国の政治的な伝統を破壊している、という指摘が日高氏の著書にもあった。これが、最近の人事によって、正常に戻りつつある。トランプ氏のスタッフは、親トランプに固まりつつある。

トランプ大統領の是非はともかく、米国という国は、米国民が選ぶ大統領がリーダーシップをとる国である。だから、大統領のスタッフは大統領のいうことをきくのが、米国の制度である。それに反しているのは、米国の政治制度を破壊している行為である。トランプ大統領は良い大統領かもしれないし、全くダメな大統領かもしれないが、それを選んだのは米国民なのであって、正当に選ばれた大統領が采配をミスって米国民が被害にあっても、米国民のせいである、というのが、米国の政治制度の根本なのである。米国民はミスをして、それを認識すれば、次の大統領選挙で違う大統領を選ぶ。それだけだ。

だから、米国民が間違った大統領を選ぶことよりも、米国民が選んだ大統領のいうことを聞かない大統領スタッフの方が害が大きかったわけで、それが中間選挙が終わり、正常な状態に戻ったということに過ぎない。

むしろ長い目で見る場合、変わり者であるトランプ大統領を補佐するものが、大統領を無視して中途半端に修正して、次の大統領選挙を切り抜けてしまうより、好きなようにやらせて、国民の審判を仰ぐ方が建設的であろう。

実際、米国下院選挙では、共和党は負けており、米国は議会を制さないと、予算の執行がままならないのである。一定の歯止めは効く仕組みなのだ。だから、正当な手続きで選ばれた大統領が決める大統領スタッフの人事に、あーだこーだいうのは、ちょっと違うと思うというのが私の意見である。

少なくとも、政権が不安定化するのではなく、トランプ大統領がとる、ナヴァロやボルトンの政策の実施に向けた体制が整うというべきであろう。

その政策の是非は、また別であるが、それを判断するのは、次の大統領選挙で、米国民がすればいいことである。


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